【海洋生物科学科】分野の垣根を超えた交流を…。内海生物資源研究所(因島キャンパス)で福山平成大学看護学部の学外研修を実施
因島キャンパスにおいて、6月24日に福山平成大学看護学部看護学科1年生(85名)の学外研修(基礎ゼミナールⅠ)を実施しました。そのレポートが、内海生物資源研究所所長の太田健吾教授(海洋生物科学科)から届きました。(投稿は海洋生物科学科の阪本)
水産業を取り巻く現状を学ぶ
参加した看護学科1年生の皆さんは、最初に水産資源の動向と水産業を取り巻く現状、国民の魚離れの問題について学んでいただくため、有瀧教授(海洋生物科学科)の講義を受けました。「豊饒の海」をテーマにした有瀧教授の講義は丁寧かつユーモアに満ちており、参加者の皆さんの心に浸透したようです。日頃は看護師を目指して日々勉強に励んでいる皆さんですが、有瀧教授の話に終始熱心に耳を傾け、水産資源の減少、漁業の担い手不足と高齢化、魚食文化の衰退等を認識いただけたと思います。
水族館と沿岸資源培養学研究室の飼育施設を視察
講義終了後、学生の皆さんは海洋生物科学科4年生の皆さんの協力により、水族館と沿岸資源培養学研究室の飼育施設を見学しました。水族館では大きな水槽で悠々と泳ぐ煌びやかな魚たちの姿に歓声を上げ、飼育施設では初めて見るシロギスやオニオコゼのふ化仔魚に興味津々でした。また、皆さんから相次いで質問を受けることになった海洋生物科学科の学生たちも、自身の研究を説明する好機を得るなど非常に有意義な時間となりました。
異分野から学ぶことの重要性
各々、学部と学科は異なりますが、人が健康な生活を送る上で「食の問題」は切っても切れない重要なテーマであり、この点でも今回の学外研修は双方の目指すところが一致することを確認できたように思います。また、医療の分野ではお茶に含まれるカテキンの抗菌作用が床擦れ防止に有効とされ、茶葉で患者さんの体を拭くことが試みられています。一方、水産の分野でも同様にカテキンを水槽へ添加すると稚魚の生残率が向上することが確認されています。一見まったく違う分野でも、意外な部分で共通点が見つかることがあります。当キャンパスでは、今後も外部の皆さんとの交流を通じて学生の教育・指導に努めたいと考えています。
学長から一言:福山平成大学と本学とは同一法人で姉妹校、お互いに足らざるところを補い合うのは当然です。今回の本学因島キャンパスの内海生物資源研究所での平成大看護学科の研修は大成功だったようです。日常を離れ、異なる環境の中で新たな知に触れ、これからの学びや将来の仕事へのヒントが得られることは少なくないのでは。