【税務会計学科】2023年度第1回備後経済研究会のご案内
本学の備後地域の経済・経営の研究拠点として、また地域の企業や経営者との重要な結節点として貢献している備後経済研究会が、近く4月25日(火)に開催されます。この研究会を担当しています税務会計学科・張楓教授からの案内について、学長室ブログメンバーの関下(経済学部税務会計学科)が投稿します。
このたび、来る4月25日(火)に2023年度第1回備後経済研究会において、高島正憲氏(関西学院大学経済学部准教授)をお招きして、「超長期GDP推計からみる日本の経済成長:古代から現代まで」と題する講演を開催することといたしました。皆様方にはご多忙な折とは存じますが、奮ってご参加のほどお願い申し上げます。
○演題:「超長期GDP推計からみる日本の経済成長:古代から現代まで」
○講師:高島正憲(関西学院大学経済学部准教授)
○日時:4月25日(火)18:30~20:30
○場所:学校法人福山大学社会連携推進センター(JR福山駅前)2階
○概要:
本報告では、古代から近代にいたるまでの日本について、歴史資料から得られた数量データを利用して人口・土地・生産などの経済諸量データを推計し、歴史的国民計算(Historical National Accounts)、すなわち超長期にわたる国内総生産(Gross Domestic Product: GDP)によって日本がどのような経済成長を経験してきたのかを外観する。また、推計された超長期GDPという普遍的かつ歴史をつらぬく1本の串となった経済的指標を用いて、世界各国で進められている歴史的国民計算の研究成果と比較し、日本の経済成長の特色を確認する。なお、備後地方を含む瀬戸内沿岸地域は、古来より畿内と並ぶ経済先進地域であったが、そうした点にも触れながら列島各地における経済成長の歴史についても考えてみたい。
○講師略歴:
1974年生まれ。2014年一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学)。日本銀行金融研究所アーキビスト、一橋大学経済研究所研究員、東京大学社会科学研究所・日本学術振興会特別研究員PDなどを経て、現在、関西学院大学経済学部准教授。
○主要業績:
・『経済成長の日本史:古代から近世の超長期GDP推計 730-1874』名古屋大学出版会,2017年(単著,第61回日経・経済図書文化賞受賞)。
・『岩波講座日本経済の歴史 1・2』岩波書店,2017年(分担執筆)。
・ ”Japan and the Great Divergence, 730-1874″, Explorations in Economic History, 72, 2019, pp. 1-22(共著)。
※参加無料、事前申し込み不要
※備後経済研究会について
備後経済研究会は、故桑原哲也教授が備後地域経済・経営の研究拠点を目指すべく、2012年に立ち上げてから、数えてちょうど10周年を迎えます。2014年に、故桑原哲也教授から近現代日本経済史や経営史を専門とする張楓教授がバトンを受け継ぎました。ちなみに、備後経済研究会は備後地域の企業・経営者を研究し、産業集積地としての備後地域の特徴を明らかにすべく、本学教員にとどまらず、企業経営者や行政関係者、さらに他大学の研究者にもご参加いただき、研究成果の報告やそれにもとづく活発な議論を行うと同時に、企業へのインタビューや論文の公刊、備後地域の皆さんに向けた研究発表を活発に行っています。研究会は2~3ヵ月に1度のペースで開かれており、高校生でも大学生でも企業経営者でも、どなたでも参加は自由です。
詳細につきましては、備後圏域経済・文化研究センターのお知らせをご参照ください。
学長から一言:開始から10年続く備後経済研究会の新年度第1回目となる次回研究会では、古代から現代までの長いスパンで見る日本経済の移り変わりについて学べるとのこと。実に気宇壮大なテーマです。詳細かつ難解な統計手法は分からなくても、また経済学の専門家でなくても大いに興味をそそられます。