【海洋生物科学科】さくらサイエンスプログラムを実施!

国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が実施するさくらサイエンスプログラム(SSP)に本学の提案が採択され、この度タイ王国から2大学2名の学生と2名の教員並びにインドから1大学1名の学生と1名の教員に加え、新たにアフリカのケニア共和国から学生3名、教員1名の合計10名を招へいしました。今回でコロナ以降3回目のSSPとなりました。その概要を海洋生物科学科伊丹教授が報告します(投稿はブログメンバーの山岸)。

 


本事業は世界の青少年を日本に招へいし、日本の青少年との科学技術分野の交流を行う事業で、これを通して、大学や地域の国際化や優秀な人材の確保と世界の科学技術・イノベーションの発展に寄与することを目的としています。
今回は伊丹教授、太田健吾教授水上雅晴講師我如古講師山本知里講師並びに真田講師が主となり、海洋生物科学科として研修生を受入れました。タイ南部にあるプリンスオブソンクラ大学(PSU)から学生1名と教員1名、ラジャモンコン工科大学スリビジャヤ校(RUTS)から学生1名と教員1名、インドのベロール工科大学(VIT)から学生1名と教員1名、並びにケニアのジョモケニヤッタ農工大学(JKUAT)から学生3名と教員1名を招へいしました。この内、VITから招へいした教員は、今後の大学間の交流を見据えて、本学の独自予算で招へいしました。また、RUTSの教員1名は自己資金での渡航でした。いずれの学生も海洋生物関係の学科の学生です。受け入れ期間は2月10日~16日の7日間でした。

2月10日に各国から福岡国際空港に到着しました。例年はトラブルなく入国できるのですが、今回はケニアからの参加者の荷物が、仁川での乗り継ぎの際に行方不明になり、結局この日は荷物のないまま、福山まで移動しました。日本訪問は初めての学生さんばかりでしたので、皆さん長旅で疲れが見えるものの、楽しそうに新幹線に乗っていました。

11日は福山駅前の地域連携推進センターで、本プログラムの予定と必要書類の記入などを済ませた後、伊丹教授が本学の概要説明とエビ類の高感度ウイルス検出法であるLAMP法について講義を実施しました。講義終了後、伊丹教授は自身の留学経験にも触れ、研修員の皆さんに、研究の遂行上、留学経験は重要であるので、是非再来日して日本での学位取得を目指して欲しいと勧めていました。

12日は内海生物資源研究所(因島キャンパス)への訪問。太田所長、水上講師並びに真田講師による研究紹介と日本人学生の説明による所内見学。午後からは、研修生たちが研究成果をポスターセッションで発表。日本人学生も質問するなど、先立って実施の所内見学と合わせて、学生同士による活発な学術交流が行われました。

内海生物資源研究所での講義終了後、研修員全員と内海研で卒業研究をしている学生との交流

内海生物資源研究所の養殖試験用設備の見学、太田所長による解説

内海研でのポスターセッションの終了後、全員での集合写真

13日は学長表敬。研修生は福山駅から大学まで、JRとスクールバスを乗り継いで登校しました。学長表敬では、今年度締結したVITとJKUATの大学間学術・学生交流協定に関して、今後の交流について検討しました。午後からは山本知里講師による鯨類に関する特別講演を受講しました。

学長表敬の様子

学長表敬の際にインドから贈られた高価なケープを巻いた関係者

14日はポスターセッションを未来創造館1階で開催しました。海洋生物科学の先生方や海洋の学生さんを中心に多くの教員・学生の皆さんが参加して、活発に交流を図っていました。その後、伊丹教授による講義と資料のまとめを行いました。講義終了後、修了証書の授与式を行いました。

未来創造館でのポスターセッション

15日は伊丹教授の引率によって、日本文化と世界遺産の学習のために広島平和記念資料館と厳島神社を訪問して、下関市へ移動し、宿泊。

世界文化遺産の厳島神社への訪問

16日は福岡国際空港からタイ、インド、ケニヤへ帰路につきました。

以上のように、SSPによる招へい事業を通して、学生・教員による国際交流が本格化してきました。今回の研修では、研修生の皆さんからは本学学生・教員との学術交流が有意義なものであったと、報告をいただきました。今年度交流協定を締結したVITとJKUATとの交流をより一層活性化するとともに、本学学生もタイ(2大学)、インドおよびケニアのこれら4大学への研修旅行を計画してはと考えています。

なお、本SSP実施にあたっては、4か国5大学を結んで1月に事前の、また3月に事後の遠隔会議を開催して、渡航の効果が最大限に活かされるように計画しました。

 

学長から一言:このところ本学の申請課題が連続して採択されているさくらサイエンスプログラムを通じて、タイ、インド、ケニアの3大学の教員と学生の皆さんの本学での学びが実現しました。今回も国際交流担当の伊丹副学長による八面六臂の大活躍が光りました。来日した海外の皆さんにとっては新鮮かつ興味深い内容に触れることができ、受け入れた本学の関係者にとっても、自分たちの日頃の教育・研究を見直す好機会になったようです。このプログラムを通じて、お互いにさらに本格的な留学や研究交流につながることを期待します。