【薬学部】医療の未来を支える遺伝子検査:5年生が遺伝子分析科学認定士初級に合格 ☆彡
2024年6月23日(日)に遺伝子分析科学認定士試験が東京会場で行われ、5年生の井野蒼さん(広島なぎさ高校出身)が、福山大学薬学部の出身者では2番目、在学時の取得としては初となる合格を成し遂げました。このことについて、薬学部の道原教授が報告します(五郎丸の投稿です)。
遺伝子分析科学認定士(初級)試験は、公益社団法人 日本臨床検査同学院が年に1回行っている資格試験であり、「遺伝子検査法の技術水準の向上とその標準化を図る」ことを目的に、遺伝子検査の専門的人材の育成のために行われています。つまり、この試験に合格すれば、遺伝子検査を行い、その結果を判断できる一定水準の知識と技術を有していることがわかるわけです。
遺伝子検査は、疾患の診断や治療法の選択に加えて、患者一人ひとりに最適な医療を提供するための強力なツールとして、今後さらに医療現場での活用が進むと期待されています。
さて、認定試験の内容は、薬剤師国家試験に出題される遺伝子関連を含む生物系分野とリンクするところが多々あります。よって、これらの知識習得は国家試験に向けた勉強にも通じると考えられます。
オープンラボで祝福を受ける井野さん(左から2番目)
おめでとうございます!
昨年には、病態生理・ゲノム機能学研究室の立ち上げからの悲願であった資格合格を、既卒生の宮本さん(県立広島病院)が果たしてくれました。それから1年後、今度は5年生の井野さんが福山大学薬学部の在学生として初となる「初級合格」を成し遂げてくれました。 エクセレント!
井野さんの素晴らしいところは、薬局・病院実務実習で、実践の知識・技術の習得に、てんやわんや(大混乱)のこの時期に、計画性をもって、毎日コツコツと数時間程度のメリハリをつけて資格取得のための勉強を行い、この試験を見事にパスしたことです。資格取得を頑張りすぎて、「実務実習がおろそかになってるんじゃないの?」と心配になる方もおられると思います。いえいえ、しっかり、薬剤師になるための修行は積んでおりました。
調剤実習中の井野さん
病院実習中、薬物治療についての発表も行いました!
びっくりしたのですが、実務実習先においても成果を出しておりました。なんと、実習中に執筆したレポートが、一般社団法人 広島市薬剤師会刊行「第164号 市薬だより(令和6年9月1日)」に掲載されていました。 これ、また、おったまげです!
井野さんの実習レポートの内容が掲載されました
井野さんは、実務実習に行く前から、遺伝子関連の研究に従事し、自ら率先して研究を進めるバイタリティーあふれる学生でした。3年生後期の研究室配属の時から、この資格に照準を合わせていたのかもしれませんね。
オープンラボでの実験風景
実務実習が終わった2週間後には、第63回 日本薬学会・日本薬剤師学会・日本病院薬剤師学会 中国四国支部学術大会(2024年11月16-17日)が開催され、自身が行った遺伝子関連の研究「ポリメトキシフラボンによるRORα核内受容体の活性化作用」を発表しました。本発表は、地元企業の丸善製薬株式会社と福山大学が特許共同出願した研究内容であり、大いに会場を沸かせました。
研究内容を堂々と発表する井野さん
学会会場での記念撮影(研究室から4名の学生が発表しました)
実務実習の最中、この資格を取得したことは、本当に「素晴らしい」の一言につきます。 あっぱれ!
井野さんの計画性、実直性、遂行性、私自身も見習いたいものです。
井野さん、研究室開設以来の悲願である在学生による資格取得を達成してくれて、本当にありがとう!井野さんには、ぜひ今後も頑張ってもらい、5年後、日本にまだ41名しかいない一級遺伝子分析科学認定士になってもらいたいものですね。
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それでは、お待たせいたしました、井野さんから一言:
この度遺伝子分析科学認定士試験に合格できたこと、とても嬉しく思います。これもいつもご指導してくださっている道原先生、松岡先生、この研究室出身の先輩方のお陰です。また、実務実習中、お忙しい中ご指導くださった薬局・病院の指導薬剤師の先生方、そして実習中にサポートしてくださった竹田先生には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
今回、病態生理・ゲノム機能学研究室での経験を活かせる機会だと思い、遺伝子分析科学認定試験に挑戦いたしました。毎日の実験で習得した手技、考え方はもちろん、4年次の共用試験(CBT・OSCE)で学んだことも大変役立ちました。一見関係ないと思われることも、日々の経験の積み重ねは思わぬ場面で力を発揮してくれることを実感しました。
また、実務実習を通して、臨床現場ではより高い専門性が求められることを学びました。今後、ゲノム情報に応じた薬物療法を行う機会も増えていくと思うので、ゲノム医療に精通した医療人として、今回の経験が将来の臨床現場で役に立てば嬉しいです。
ラボで記念写真を撮る井野さん
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道原教授から一言二言:
これから後輩たちも切磋琢磨し、井野さんに続いて、この試験にチャレンジしてくれることを信じています。遺伝子工学の知識習得に向けた学生諸君の更なる探求心向上を願ってエールを送ります。がんばれ、負けるな、力のかぎり!
井野さんは、「和ごころ代表」兼「cafeGETA実行委員」として、毎月行われる認知症カフェにも参画しています。遺伝子工学の魅力、認知症カフェのやりがい、興味のある学生は、いつでも井野さんを訪ねに研究室(未来創造館5階のセミナー室)へ遊びに来てくださいね!
学生の皆さん、井野さんのように、いろんなところで自分の力を試してみませんか?
多くの学生の心へ、熱いパッション、君に届け!
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学長から一言:遺伝子分析科学認定士試験という難関資格試験に合格した薬学部5年の井野蒼さん、在学中の合格は本学では初の快挙。遺伝子検査を行い、その結果を判断できる能力ありと認められたのです。来年度の合格に向けて研鑽、努力中の薬剤師としての国家資格とともに、この資格は将来のキャリアにとってたいへん価値あるものなのでしょう。心からお慶びを申し上げます。