【大学教育センター】教職を目指す学生のための教職フォーラム2023

暮れに開催された「教職フォーラム 2023」の記事が今井航教授より届きました。大学教育センターの学長室ブログメンバー前田が紹介します。

 


恒例の福山大学「教職フォーラム」が開催されました。今年度で9年目、通算10回目となりました。本学の、大学教育センターと教職課程委員会の共催により実施されています。

節目となる10回目は、教職課程を履修する3年生を対象とし、12月13日(水)16時30分~17時30分に、01102(音楽室)で行われました。今回のテーマも「教育実習で学んだこと」でした。

開会にあたり、教職課程委員会の委員長であり教職支援室の室長でもある倉掛昌裕教授より挨拶がありました。そのなかでは、教育実習を終えた4年生の体験を聴くことで、自身がまもなく迎える教育実習に活かしていこうという話がありました。
 

耳を傾ける教職3年生

 
いよいよパネルディスカッションが始まりました。

目の前の3年生と同じように、あと数か月で教育実習を迎えようとしていた自身の、その頃を振り返ることを皮切りに、教育実習までに準備していたことがまずは紹介されました。続けて、教育実習中に回数を重ねた授業実践から得られたことや、生徒とのかかわりから気づかされたこと、あるいは指導教諭から学んだこと等が具体的に語られました。これらを通じて教職を目指す3年生は、教材研究の重要性はもちろんのこと、コミュニケーション力を磨かなければならないこと、さらには児童・生徒の立場からは見え難い教師の仕事ぶり等に気づかされたようです。こうして、4年生の代表5名による体験談が繰り広げられました。

司会は、教職課程委員の今井航が務めました。パネラーとして登壇したのは、人間文化学科の山本菜摘さん、経済学科の名嶋晃大くん、生物工学科の田中智教くん、海洋生物科学科の白石海宮さんと玉井優希くんの5名でした。卒業前の忙しい中、後輩たちのためになる具体的な話をするために、時間を割いてもらいました。ほんとうに、ありがとうございました。
 

教職4年生の代表5名

 

次年度に教育実習の履修を希望する教職3年生にとっては、教育実習のリアルな体験談を聴ける貴重な時間となったようです。終了後に提出してもらった感想シートからピックアップし、そのままを見てみましょう。
 
●3年生の現在で、指導案を書くのに苦戦しているのに、来年、実際に生徒の前に立って授業をするとなると、とても不安です。先輩方もその不安をのりこえたのかと思うと私もがんばっていこうと思えました。やっておくべきポイント、注意点などタメになる話を聞けたので、それを基に私も実習に挑もうと思います。
 
●生徒の呼び方について、あまり考えていなかったので、この機会にいろいろな意見、考える機会を頂けてよかったと感じました。そして、普段の授業がどのように教育実習に活きるのかを感じることができて良かったと思いました。また、失敗談なども聞けて意識すべきことなども見えてきたと思います。
 
●事前の準備では、コミュニケーションを普段から積極的にとったり、専門的な事の学習、クラスの雰囲気を教えてもらうなど、できることはやっておく必要があると分かりました。実習中では、自信をもち、時間管理は大切であり、また、呼びかたにも注意する必要があると分かりました。不安な事はたくさんありますが、今回話をきいて、少しだけ不安を減らすことができました。ありがとうございました。
 
●事前にクラスの雰囲気を知っていると生徒観も書きやすいし、指導案も良いものが作れるという点がためになった。質問の時間や感想を書く時間を作って授業時間を調節する方法は良いと思った。生徒とのコミュニケーションをこまめに取り、生徒を知ったり仲よくなると授業もやりやすくなると思った。とてもためになる話ばかりでした。
 
●自分が扱う単元や担当するクラスの細かい部分などを知るためにも母校とのマメな連絡が必要と分かりました。生徒とのコミュニケーションで得られる情報がたくさんあると聞いて分かりました。私も人とのコミュニケーションをとることは得意でないので今からいろんな人と積極的にコミュニケーションをとるよう心掛けたいと思いました。また、指導案の重要性が分かったので、もっと考え抜いたものを作成しようと思いました。
 
「教職フォーラム」を通じて、各参加者は、教育実習に向けて意識を高めたり、教員への適性を改めて自問したりしながら、自らの今やこれからを大いに考えることになったようです。

パネラーのなかで、名嶋くんと白石さんと玉井くんの3名は、この4月より公立学校の教員に採用される予定です。また、田中くんは同じく、私立学校の教員に採用される予定です。さらに、山本さんは、教員志望で、目下、採用に向けての活動を進めています。

彼らの他にも、公立学校の教員に2名、私立学校の教員に1名の、計3名が採用予定で、さらに2名が山本さんと同じように、その採用に向けての活動を進めています。

みなさんの今後のご活躍を心から祈っております。今度は現役教師として是非とも母校に戻ってきて、また本学の「教職フォーラム」において教職課程の後輩たちを励ましてもらいたいと念願します。

 

学長から一言:このところ、卒業後に教員に採用され教壇に立つ教職課程履修者が着実に増えているのは喜ばしいことです。10年近くにわたって「教職フォーラム」を続けてきたことも、その一助となっているはずです。学生目線での教育実習体験談を聴くもよし、経験豊富な現職教員の方々による話を聴くもまた良し。これからも「教職フォーラム」のいっそうの活性化に期待したいものです。