【海洋生物科学科】今年も学生たちは頑張ります! 昨年の活動を振り返って~第6回備後フィッシュフェス~
瀬戸内海に面した備後圏域には四季を通しておいしい魚が多く、また、水産物は少量多種といわれています。その中でも、備後の魚を熟知している地元の漁師さん1,000人によって選ばれた25種類の魚たちが「備後フィッシュ」と命名されています。2023年11月3日に福山駅北口「ふくやま美術館前広場」で開催された第6回「備後フィッシュ&備後福山ワインフェス」の運営事務局から、子どもたちにも楽しくフェスに参加してもらうためのイベント実施の依頼を受けました。本イベントの企画・準備・実施に至るまでを、海洋生物科学科の学生たちが主体となって創り上げ、ユニークなブースを出展しました。そのレポートが海洋生物科学科の水上講師から届きましたので、同学科学長室ブログ委員の阪本が報告いたします。
備後フィッシュ
瀬戸内海における地産地消の推進と漁業者の所得向上をめざすプロジェクトの一環として、備後フィッシュの魅力の発信と認知度向上、魚食普及を目指し、それらを食材にしたグルメを満喫できるイベントとして「備後フィッシュフェス」が開催されています。
今回の企画には、海洋生物科学科の学芸員養成課程を履修している4年生3名と、学友会海洋生物研究会に所属し、令和6年度に同じく学芸員養成課程の履修を希望する同学科3年生3名が活動に参加してくれました。学年を超えた連携は、学芸員に対する意識向上に繋がる絶好の機会となり、また学生自身の意欲も高まり、積極的に活動していました。
先輩と後輩の繋がり
準備期間中、3年生はプラバンキーホルダー作りについて海洋生物研究会の展示活動経験があり、子どもたちに人気のプログラムであったことから、4年生に対して改善案を出しつつ進めることができたようです。一方、備後フィッシュの1種である「マダイ」のポイントガイドを3年生が初めて担当することになり、初めはどのように進めればいいのか不安な様子が見られましたが、博物館実習で経験を積んだ4年生が親身になって相談に乗っていました。先輩の助言もあって、ポイントガイドを通して「何を伝えたいのか」、「どのような気付きを得てほしいのか」などを明確にすることができました。ポイントガイドに使用するスケッチブック資料の作成には、その構成や話の流れ、改善点などを指摘してもらい、協力し合って準備ができたようです。
皆で協力したイベント運営
イベント当日は朝8時に会場入りし、大忙しでブースを設営しました。ブースは本部前の芝生広場にあるテントをお借りし、海洋生物科学科の紹介パネルや、マリンバイオセンター水族館のパネルと動画紹介、プラバンキーホルダー作りのコーナーに加えて海洋生物研究会の活動紹介パネル、スポッテッドガ―の等身大パネル&海洋生物研究会公式キャラクターの帽子を用いた撮影スポットを設置し、テント前には生き物に触れ合えるタッチングプールを設置しました。設営時には、プラバンキーホルダー作りの看板を用意し忘れていたり、紹介動画を流す機器の設置に手こずったりと、少々ハプニングがありましたが、なんとか開始時刻には間に合いました。
開始から間もなく、たくさんの方々がブースに押し寄せ、あっという間にプラバンキーホルダー作りの席が埋まり順番待ちの行列ができました。
用意していたプラバン240名分はどんどんと無くなり、予備として持参したプラバンも合わせると400名分を使い切る大盛況振りでした。
忙しさの反面、楽しさや嬉しさいっぱいで「あっ」という間に時間が過ぎていきました。予想外の反響にブースへ顔を出してくれた海洋生物研究会の部員3名にも、急遽助っ人として手伝ってもらい、なんとか無事に終えることができたました。
完成したプラバンと一緒に写真をパシャリ! 天然のウマヅラハギの色合いをイメージしてペイントしてくれました! 将来は海洋生物学者かな?
プラバンの色ぬりでは、子どもたちの自由な発想が活かされ、カラフルな色で描く子、オリジナルの模様を創る子、実際の生き物の色をイメージして彩色する子など、一人ひとりに個性が出ていてとても面白かったです。
タッチングプール🦀&おさかなトラック水族館🐟も大人気♬
タッチングプールでは、プールの四方を覆うように人々が集まり、ブースはもちろん備後フィッシュフェス全体が大盛況でした!!
ヒトデやカニ、ナマコなどの身近な生き物に触れ合えるタッチングプール!! 海洋生物科学科の学生が生き物の触り方や簡単な解説をしました!!
おさかなトラック水族館の前で、4年生による備後フィッシュの解説と3年生によるマダイのポイントガイドを12時半と14時の計2回行いました。
3年生は初めてマイクを付けてのポイントガイド。落ち着いてしっかりとマダイについて伝えることができました。これをきっかけに他の備後フィッシュにも興味を持っていただけると嬉しいな!!
今回の活動の中で、「マリンバイオセンター水族館に行ったことあります!」や「いつも海洋生物研究会のSNSの投稿を見ています!」といった嬉しい声も聞かれました。学生たちの日々の活動がたくさんの人に届いていることが知れて、とても嬉しく思いました。
今回の活動は、当初、フェスの運営事務局側からタッチプールの管理と解説について依頼がありました。その後、マリンバイオセンター水族館で活動する学芸員養成課程の学生によるポイントガイドの様子をご覧いただき、備後フィッシュのポイントガイド実施へと発展し、また、海洋生物研究会が提案したプラバンキーホルダー企画が採用されるなど、海洋生物科学科の学生たちの普段の経験や努力が十分に活かされた内容となりました。当日の会場来場者数は4,000名で、子どもたちの喜ぶ声が一日中耳に届く雰囲気は、開催第6回目に当たる今回が初めてのことであったようです。
昨年、海洋生物科学科の学生たちは様々な場所で市民の皆様との交流や、保育所や学校などとの連携活動を展開してきました。今年も、より多くの機関からお声掛けいただけることを期待し、学生たちの活動の輪が益々広がっていくことを切に願っています。
学長から一言:地元の漁業、水産業の振興に寄与すべく、海洋生物科学科の皆さんが備後のフィッシュフェスティバルで大いに気を吐いたようです。イベントに参加した子ども達のことを考え、興味を持たれそうな魚のバッチ作りからトラック水族館や魚に直に触れるタッチングプールまで、工夫を凝らして準備。学科や因島のマリンバイオセンターについて知ってもらうとともに、来場の皆さんに楽しい一時を提供できたことでしょう。