【電気電子工学科(スマートシステム学科から令和6年4月名称変更)】DCモータの高精度速度制御器をMBDで開発しよう!

9月9日(土)オープンキャンパスが開催されますが、工学部スマートシステム学科では、模擬授業としてMBD実習の実施を予定しています。MBDとは何なのか!? この内容について、担当の沖准教授と香川教授からの紹介記事が届いています。当学科のブログメンバーの伍賀が紹介します。なお、スマートシステム学科は、学科設置の基本理念に立ち返り,令和6年4月より、「電気電子工学科」に名称変更します。(詳しくは大学HP及び、学科HPをご覧ください。)

 


DX時代のものづくりの手法を体験してみましょう!

近年、多くの機器の運転はコンピュータでアシストされ、自動化が進んでいます。しかしながら、安全な自動化は容易ではありません。運転される機器は大きさや質量を持っており、操作や制止に直ぐに反応できません。安全な運転をするためには、このような機器の反応の遅れを予測し操作しなければなりません。この、「予測と操作」を司るのが「制御系」と呼ばれる小型のコンピュータユニットです。この中に「制御則」という「『予測と操作』」のルール」を覚えさせます。これが、プログラミングです。更にそのルールを作ることを「制御系設計」と言います。

この時、制御対象の大きさや質量を数値化できれば、実物で実験しなくても、物理法則と計算機を用いて制御系設計ができるはずです。これが「モデルベース開発(MBD)」です。MBDでは、数式を使って制御対象をコンピュータ上に作成し(これがモデルです)、計算することで動かすものの振る舞いを予測します。これにより、実物で試す回数を大幅に減らしながら、場合によっては一瞬で制御系設計を行うことができます。

例えば、あるモータの回転速度を下の図の赤色の曲線(お手本)の様に早くしたり遅くしたりしたいとしましょう。青色の線が、制御装置を持たない場合のモータの回転速度の変化です。質量を持っているモータは、お手本である赤色の線に追いつけず、遅れて変化をしていることが分かります。

次に、MBDの手法を使って設計した制御装置をモータに組み込んで動作させてみましょう。お手本は同じです。

今度は制御装置の効果で、お手本の赤い線にぴったりとついて変化していることが分かります。このように、理論とコンピュータを駆使することで、手探りではなかなか見いだせない運転の「さじ加減」を一瞬で見出すことができます。

9月9日のオープンキャンパスでは、MBDというDX時代の開発手法を、実験装置を使って体験してみましょう!

 

学長から一言:車の自動運転の話をよく見聞きしますが、機器の動きをコンピュータで制御、まさに時代の最先端を行く考えや実践でしょう。その基本原理やコントロール方法のプログラミングを実際に実験装置を使って自ら体験できる。この分野に興味のある人にはたまらない、ワクワクの催し。明日の工学部スマートシステム学科のオープンキャンパスで体験しない手はないですね。