【経済学科】スポーツマネジメントに関する2つの研究発表を行いました!

経済学部経済学科スポーツマネジメントコースの学生が、スポーツマネジメントに関する研究発表を2022年12月24日(土)と2023年1月15日(日)に行いました。その様子をそれぞれの発表者が執筆してくれましたので報告します(投稿は学長室ブログメンバーの中村)。


 

会場の少林寺本部にて。左が執筆者の平岡くんで、右がゼミ担当教員の私、中村です。

経済学部経済学科スポーツマネジメントコース4年生の平岡健幸と申します。12月24日(土)、香川県仲多度郡にある少林寺拳法本部で「第14回日本武道学会中四国支部会」が催されました。この学会で卒業論文の内容を発表したことについて報告させていただきます。

同学会で発表した論文のテーマは「柔道人口減少の要因と解決策について―中核都市において柔道会員数を増やす町道場の調査から―」です。以下、本研究の内容について、簡単に紹介させていただきます。

発表の様子

柔道人口が減少している中で、本学近くにある設立約1年で、会員数小中学生45名のA柔道会を対象としました。そして、会員数増加などに関連した経営的側面と指導内容について、会員が受けた影響を調査することにより、柔道人口減少という課題の解決に貢献することを目的としました。
研究方法に関して、経営的側面についてはA柔道会の代表であるB氏から聞き取り調査を実施しました。また、指導内容に対する効果については、実際の現場での参与観察と会員の保護者に対するアンケートを実施し、この調査から得たデータに質的帰納的分析を加えることで考察を行いました。
本研究によって、A柔道会は子育て世代に情報の届きやすい手法を用いていることや、A柔道会の活動は社会的にも、子ども達の心的・精神的、身体的にとっても非常に有効であることが明らかになりました。

質疑応答の様子

研究発表後の質疑応答の時間には、参加されていた先生から「共感した」などの感想や、今後の研究展開についてのアドバイスなどをいただきました。初めての学会での研究発表で緊張しましたが、しっかりと準備した甲斐があり、堂々と発表することができたと思っています。

備後柔道連盟の鏡開き式の様子

次に、1月15日(日)、備後地区柔道連盟主催の鏡開き式で松永地域の柔道振興を支えた岡田道場に関する研究発表を行いました。その様子を、経済学部経済学科スポーツマネジメントコース3年生の津川理帆がお伝えします。

研究発表の様子

私たちのゼミは、研究活動のテーマとして地域スポーツ振興を取り上げています。その中で、松永地域の柔道振興を支えた岡田道場の歴史やその設立者である岡田安和先生による道場設立の背景や指導方法を調査しました。というのも、現在、岡田道場は活動を休止しており、その功績を単なる記憶ではなく記録に残すことで松永の柔道振興を支えた功労者についての事実を後世に残すべきと考えたからです。

松永地域ある岡田道場

まず初めに、訪問調査を行いました。10月12日(水)に岡田道場を訪問し、岡田安和先生の奥様に対してインタビューを行いました。それから、夫人に名前をあげていただいた岡田道場の卒業生の方にアポイントメントをとり、実際に3人の方に対してインタビュー調査を行いました。インタビュー調査では、岡田道場の歴史や岡田安和先生の人柄・性格、指導法などを聞きました。そこから、インタビュー内容について文字起こしを行い、その文字データについて質的帰納的分析を行い、質問項目を構成するサブカテゴリ―ごとに事実を抽出しました。

調査結果は以下のとおりです。岡田道場は昭和45年に開設され、平成26年までの累積在籍者は854名にも達しました。岡田先生の言動には一本筋が通っており、自分が言ったことは曲げられなかったそうです。生徒の試合では、勝てばほめてくださる、試合を見た後には反省点をしっかりと教えてくださり、たいへん生徒思いの先生でした。指導法は、主に実践的な手法が多く、とにかく厳しく指導されていたとのことです。また、試合以外でも礼儀や作法には厳しかったそうで、岡田道場の生徒は挨拶がよくできると地域の方々によく言われたものだそうです。岡田道場で学んだ生徒が最も影響を受けたと回答した点は、感謝の気持ちを忘れないこと、挨拶ができるようになったことというのが印象的でした。

岡田道場の様子:表彰状の数々

この研究内容をパワーポイントにまとめ、1月15日(日)の備後地区柔道連盟主催の鏡開き式の序盤にメンバー7名(佐藤元彌、佐藤翼、柴本龍治、外村颯大、川崎勇輝、村上愛華、津川理帆:何れも経済学科3年生)で約10分の発表を行いました。

この日の鏡開き式には、備後柔道連盟に所属する道場から小中学生を中心とする約100名が参加しており、来賓には福山市民局・まちづくり推進部スポーツ・青少年女性担当部長をはじめ、福山市議会議員・備柔連盟顧問、備後地区柔道連盟顧問、福山市スポーツ協会・常務理事などの方々がいらっしゃいました。備後地区柔道連盟の会長をはじめとする、柔道に携わる多くの方の前で発表させていただき、発表後には会長から「とてもいい発表だった」と高評を得ることができました。

研究発表の様子

このように、柔道の発展やそれを通じての地域振興に携わった方々について調査し伝えることで、地域スポーツ振興の一助になることがわかりました。また、初めてのインタビュー調査で緊張しましたが、ネットの情報ではなく実際にお会いして聞くことで、より深い情報や体験談を得ることができ、研究の手法を学ぶことができました。こういった経験を活かして、4年次の卒業論文作成では、質の高い研究を完成させたいと思います。

最後に、調査にご協力をいただきました岡田夫人や岡田道場の関係者の皆様、そして発表の場を提供して下さった備後柔道連盟の皆様に感謝を申し上げます。

 

 

学長から一言:スポーツ、とくに柔道が地域振興にいかに貢献しうるかを明らかにするという、経済学科のスポーツマネジメントコースにふさわしい研究活動ですね。ゼミ全体で取り組んでいる点も素晴らしい。机上の空論でなく、実践を通じて研究方法を学び、研究の成果をしかるべき場で公表する中で身に付くことは大きいでしょう。