【海洋生物科学科】博物館実習報告会を開催しました!!

福山大学は、人間文化学部人間文化学科メディア・映像学科生命工学部海洋生物科学科に学芸員養成課程を設置しています。先日、海洋生物科学科に所属する4年生が「博物館実習報告会」を開催しました。そのレポートが学芸員養成課程担当の真田准教授から届きましたので、同学科FUKUDAI Mag.メンバーの阪本がお知らせします。

 


3年生からスタートする学芸員科目

学芸員は、博物館施設で調査研究などを担う「博物館法」に定められた専門的職員です。学芸員になるためには、一般的には学芸員養成課程を開講している大学で必要な科目を履修することでその資格を得ることができます。福山大学では、学芸員資格省令科目のうちの8科目が、2・3年次に開講されています。

開講科目は、博物館概論、生涯学習概論、博物館経営論、博物館資料論、博物館資料保存論、博物館展示論、博物館教育論、博物館情報・メディア論です。学芸員科目は専門性も高いことから、博物館施設で勤務経験のある専任教員のほか、現役学芸員、および元学芸員の非常勤講師が授業を担当しています。

省令科目のほとんどは3年次からスタートするため、履修生の多くは1・2年次に卒業に必要な単位を多く修得して、3年次生に開講する省令科目に備えます。

4年生は大学水族館で学内実習

学芸員科目の博物館実習は、4年生に開講している通年の科目で、学内実習と学外実習で構成されています。まず、学内実習では、博物館施設における学外実習の準備のほか、大学付属のマリンバオセンター水族館を活用して、主に水族館における生物の飼育や展示、情報発信手法などについて、実践を通じて学んでいます。

今年度の夏休み期間には、マリンバイオセンター水族館で展示生物を紹介する「生き物ポイントガイド」を実施し、多くの来館者に向けて解説を経験しました。

学生手作りの解説パネルを用いて、生き物の魅力を紹介

学生の解説は、子どもたちにも大人気でした

学生が色々と工夫を凝らした説明グッズを用いて解説しました

学外実習で全国の動物園・水族館へ

博物館実習の学外実習は、学内実習で学んだ内容を博物館施設の現場で経験することを目的に実施されています。学生はおよそ2週間程度、現場の学芸員の業務と博物館運営の実態について、体験を通じて学びます。この学外実習は、全国の動物園・水族館をはじめとする博物館施設にお願いし、多忙な業務の合間を縫ってご協力頂いています。学芸員の実習生ということで、通常の見学では体験できないことや、学芸員自らが直接学生に語りかけてもらうなど、貴重な時間を過ごす機会になります。

今年度、海洋生物科学科の学外実習では東京都、岐阜県、和歌山県、岡山県、広島県、島根県、高知県にある8つの動物園・水族館などの博物館施設において、11名の学生を博物館実習生として受け入れてもらいました。1月23日には、全国の博物館施設で学んだ4年生たちが、来年度に博物館実習の履修を希望する3年生に向けて、博物館実習報告会を開催しました。

4年生の発表は、将来の学芸員としての資質を感じることができました

学外実習で学んだ現場の経験は、報告会でも活かされていました

博物館実習の履修を終えた4年生と、学芸員資格の取得を目指す3年生

学芸員資格は、2・3年次に開講される8科目の省令科目の単位取得にはじまり、4年生に開講される通年科目の博物館実習を全て履修することで得られます。今年度は11名の4年生が、この長き道のりを走り抜きました。

動物園・水族館をはじめとする博物館施設への就職は、一般企業に比べても “狭き門” であることが知られています。その様な厳しい状況の中から、今年度はこの内の6名の学生が動物園・水族館から学芸員・飼育員として内定を得ることができました。将来の学芸員として、活躍することを願っています。またいつの日か、学芸員を目指す学生らを学芸員として受け入れる日も、そう遠くないかもしれません。

 

学長から一言:将来、水族館・動物園などの学芸員の仕事を目指す海洋生物科学科の学生の皆さんが体験した実習。全国的に見て、大学にはきわめて稀な大型水槽を備える本学の恵まれた条件や環境も最大限に活用して、みんな大いに実力が身に付いたことと思います。あちこちの水族館などで本学の卒業生が大活躍する姿が想像できます。次々と続く人が出て来て欲しいものです。