広島県東部産業支援会議で地域活性化の事例を発表

広島県商工労働局主催による令和6年度の第1回広島県東部産業支援会議が令和6年5日(水)に広島県福山庁舎で開催されました。この広島県東部産業支援会議は、国、県、市町、及びその他の産業支援機関が実施する補助金等の各種支援を活用するとともに、地域活性化に取組んでいる事例について発表してもらい、事業者等への効果的な支援に資することを目的として開催されています。今回の支援会議は、近隣大学における産学連携の実態を知ることがねらいとのことでした。この支援会議で福山大学社会連携センター長(建築学科 都祭弘幸教授)が本学の産学連携における取り組みについて発表しましたので、社会連携センターの中村が報告します。

 

広島県東部産業支援会議には多くの機関が参加されています。その参加機関は、下記の27機関にも及びます。

・商工会議所5機関(三原、尾道、因島、福山、府中)

・商工会10機関(広島県商工会連合会東部支所、三原臨空、尾道しまなみ、世羅町、沼隈内海、福山北、福山あしな、神辺町、神石高原、上下町)

・産業支援機関3機関(公益財団法人ひろしま産業振興機構福山支所、一般財団法人備後地域地場産業振興センター、広島県中小企業団体中央会福山支所)

・政府系金融機関2機関(日本政策金融公庫福山支店、尾道支店)

・試験研究機関1機関(広島県立総合技術研究所東部工業技術センター)

・行政機関6市町(三原市経済部商工振興課、尾道市産業部商工課、福山市経済環境局経済部、府中市建設産業部、世羅町商工観光課、神石高原町まちづくり推進課)

・広島県

今回の広島県東部産業支援会議には、上記の参加機関および講演者等、計49名が出席され、次のプログラムに沿って行われました。

 ・14:00~14:05 挨拶 (東部産業支援センター長 中下正純)

 ・14:05~15:00 事例発表「事業計画の重要性と各支援機関の活用例」

             発表者 ㈱日野折箱店 代表取締役 日野貴文

             支援者 神辺町商工会 課長(経営指導員)藤本貴史

 ・15:00~15:10 休憩及び名刺交換

 ・15:10~16:10 産学連携の取組みについて

           福山大学「産学官連携実績と連携方法」

             社会連携センター センター長 都祭弘幸

           福山市立大学「キャンパスは街、学ぶのは未来?~IDEA PITCを通じた学びの発信~」

             都市経営学部 教授 牧田幸文

 ・16:10~16:30 今年度の運営方針について

今回の支援会議では、中下東部産業支援センター長による支援目的などの説明の後に支援事例の発表がありました。まず今回の事例発表の支援者である神辺町商工会課長(経営指導員)の藤本貴史様は、支援した(株)日野折箱店の事例で令和5年度経営支援事例発表の全国大会で最優秀賞を受賞した方です。福山で70年以上事業を営む(株)日野折箱店がコロナ禍で経営に苦しみ求めてきた支援について、単なる事業支援ではなく、経営自立のための支援を指導し、再生させたサクセス・ストーリーを伺うことができました。その後に、支援先の㈱日野折箱店代表取締役の日野貴文様が、会社の再生から成長までを具体的に話されました。その内容は、経営理念や多くの支援機関の活用例などの詳細、支援によって適正な事業計画の策定や柱となる新規事業が構築、デジタル化推進による無駄な工程・作業の削除、赤字経営から黒字経営への転換、という会社再生から成長の事例発表でした。

休憩及び講師との名刺交換に引き続いて、福山大学社会連携センター長(建築学科都祭弘幸教授)が「産学官連携実績と連携方法」と題して事例を発表しました。発表資料として、「産学官連携実績と連携方法」(パワポ資料)、「福山大学産学連携セミナーチラシ」、「2023年度版 研究者情報一覧」、及び「研究施設紹介」を配布しました。講演の内容として、福山大学社会連携センターの使命・事業などをご紹介し、大学の主な研究拠点、2011年度以降の科研費獲得実績、2016年度からの受託研究・共同研究件数および累積研究費、2018年度からの協働事業契約累積件数を示し、さらに連携先となる産学官金の件数分析、受託研究・共同研究の連携機関所在地の分析などを示し、さらに多くの備後圏域企業と連携を構築していくためのご協力をお願いしました。

福山大学の研究・社会連携事業の実績

受託研究・共同研究の連携機関所在地

この他、6月29日(土)に開催する第1回福山大学産学連携セミナーについて説明した他、調査・研究の前段階で比較的容易に連携できる「協働事業契約」や新しい連携の場となる「福山連携フォーラム」についても説明しました。

続いて、福山市立大学の都市経営学部の牧田幸文教授が「キャンパスは街、学ぶのは未来 ~IDEA PITHCHを通じた学びの発信~」と題して、学生の実習・フィールドワークを中心とした地域との関わりについて発表されました。学生自らが課題を発見し新しいアイデアを提案して備後圏域内の地域住民と様々な活動を通じて解決する力を促進することが狙いです。事例として、古民家再生、保命酒Barなど5つの事例紹介がありました。

大学関係者は、産学連携の取組み発表までの参加で、意見交換の時間がなかったのは残念ですが、日頃企業の経営支援に携わっている方々のご参考になれば幸いです。

福山大学社会連携センターは、福山大学で行っている産学官連携の実績や連携方法を地域の方々にご理解頂くことによって、身近な存在となることを目指し活動していきたいと考えています。

 

学長から一言:広島県東部産業支援会議において本学が展開している産官学連携について報告された都祭社会連携センター長、お疲れ様でした。福山市立大学からの報告と並んでの報告ですから、参加者の皆さんには両大学の地元への貢献の度合いを見比べて頂く良い機会になったことでしょう。地域の産業の発展のために、本学のいっそうの活躍を祈ります。