【海洋生物科学科】びんごの姫×因島のハッサク=おいしいお寿司の誕生です!!〜福山大学と廻鮮寿司しまなみが新しい商品を開発しました(その3)〜
「びんごの姫×因島のハッサク=おいしいお寿司の誕生」にまつわる前回の記事では、ことの発端となった2月のイベントや開発された商品を振り返るとともに、学内から集まってもらった約50名の学生による試食と評価の様子をご紹介しました。今回はこのシリーズ最後となる、産(廻鮮寿司しまなみ:しまなみ寿司)・官(尾道市)・学(福山大学)が共同で開催した、報道関係の方々に向けたお披露目会の報告です。そのレポートが海洋生物科学科の有瀧教授から届きましたので、同学科学長室ブログ委員の阪本がお知らせします。
おいしいお寿司のお披露目会
学生たちの試食と評価の催しが終わって、その余韻も冷めやらぬ4月下旬に、大学の広報から「因島育ちの養殖シロギス(びんごの姫)と因島が発祥の地である八朔(ハッサク)から生まれた新たなお寿司を発表」と銘打ったプレスリリースを報道各社へ送ってもらいました。それと、当日の進行内容について関係者で打ち合わせ、以下のように固めました。発表会は5月8日に、福山大学の大学会館3階にある貴賓室で執り行うことも決まりました。
【司会進行】 福山大学内海生物資源研究所 太田所長
11時30分:概要説明 太田所長
11時35分:開会の挨拶 福山大学 大塚学長
11時45分:『養殖シロギス(びんごの姫)のこれまでとこれから』 福山大学 有瀧教授
12時05分:『因島発祥の八朔』 大信産業株式会社 田中会長
12時25分:『新商品の発表と説明』 アペックスインターナショナル 大瀧社長
12時45分:閉会の挨拶 尾道市 平谷市長
13時00分〜13時30分:取材対応
5月8日、11時頃から参加される方々が会場へ集まり始めました。最終的には学内外の関係者24名、報道関係は9社・17名が参加する盛会となりました。
まず大塚学長から、本学の「瀬戸内の里山・里海学」の中核として進めてきた養殖シロギスプロジェクトやこの企画の発端となった2月のイベントなどを踏まえ、里山(八朔)と里海(びんごの姫)のコラボレーションとして生まれた新商品への想いと今後の展望などを含む開会の挨拶がありました。私(有瀧)からは養殖シロギスに取り組み始めたきっかけ、しまなみ寿司と連携して進めてきた商品開発やその評価についてご説明しました。続いて大信産業㈱の田中会長からは、八朔は因島が発祥の地ではあるものの、その謂れは実に村上水軍にまで遡ることや、八朔は海外の柑橘類の交雑種であること、八朔を通じた和歌山との交流やその返礼として伝わった除虫菊のお話など大変興味深いエピソードが語られました。㈱アペックスインターナショナルの大瀧社長はシロギスと八朔をコラボさせて商品を開発する苦労や留意点、出来上がった6品の特徴やウリ、先日行った学生の評価から得られた改善点などを熱く述べられました。最後に平谷尾道市長が、地域の魅力ある産品がまだまだ眠っていること、それらを掘り起こすだけでなくより輝くものにしていくには、大瀧社長のような「発想の転換(意外な組み合わせ)」を生み出す柔らかな思考が求められることや、それを受け止めて実現した、生産者や大学の地力の大きさを称えてくださいました。
以上のように、それぞれの立ち位置から今回の商品の素晴らしさ、その誕生の背景などが明らかにされ、いよいよ参加者に試食の時間がやってきました。メニューは以下です。
- キスと八朔釜寿司:八朔をくり抜き、キスと八朔の果実を使ったチラシ寿司を詰め込みました
- プレーン握り:キスの旨味と特製八朔ドレッシングのコラボ寿司
- 炙り握り(八朔の皮をトッピング):皮目を炙って香ばしさを出し、八朔の皮をトッピングしたさわやかな握りです
- 八朔で〆た握り:ネタにしたキスを八朔の果実で挟み込み、熟成させました
- 押し寿司:キスと八朔をバッテラのような押し寿司にしました
- キスマヨ:キスをフリッターにし、特製マヨソースと八朔の果実で和えました
八朔生産者の工藤夫妻は「どれも非常に綺麗で可愛く、その上に美味しい」とおっしゃられていました。
平谷市長からは「すべて素晴らしいけれど、個人的には八朔を器にした八朔釜寿司が一番美味しいと思いました」とのコメントをいただきました。大塚学長は「これで3回目の試食ですが、毎回、毎回創意工夫を凝らされ、どんどんおいしくなっていることがすごいことだ」としまなみ寿司の職人力に驚きの様子でした。
この様子は多くの報道機関に取材され、その日の夕方からテレビ・新聞等で放映・掲載されています。多くの方にこの取り組みの素晴らしさを知っていただく好機となったことを心から喜んでおります。
3回にわたって「びんごの姫×因島のハッサク=おいしいお寿司の誕生です!!」をお届けしてきました。福山大学海洋生物科学科では今後も学生と教員が地域の資源を取り上げ、新たな側面から活性化のエンジンを動かしていく予定です。さて、次はどんなものが飛び出してくるか、私も楽しみですが、みなさんもどうぞご期待ください!
学長から一言:福大発の完全養殖シロギス「びんごの姫」のおいしさ、そして因島発祥の八朔との絶妙の組み合わせを十分に堪能した一時でした。ご多忙の中、駆け付けて下さった尾道市の平谷市長をはじめ、今回の商品開発にゆかりのある方々と一緒に味わう本学の「瀬戸内の里山里海学」から生まれた洒落た成果の一つには、格別の趣がありました。