【薬学部】令和5年度日本化学会中国四国支部支部長賞を受賞!

当該年度に化学関連の教育課程を卒業・修了予定の学生のうち、成績・業績が優れている者を対象に、推薦・選考の上で授与される学会からの賞を、今回、6年生の水野翔太くんが受賞し、3月7日(木)に学部長室にて賞状の伝達式を行いました。このことについて、指導教員の町支教授からの報告を学長室ブログメンバーの五郎丸が投稿します。

 


井上学部長から賞状を伝達される水野くん

受賞内容は、「topoisomerase-1阻害活性をもつrosettacinを標的とした新規indolizin-5-one骨格構築法の開発研究」という課題研究を推進する中で、抗がん剤camptothecinの類縁化合物でbenz[6,7]indolizino[1,2-b]quinolin-11(13H)-one骨格をもつrosettacinの全合成研究に挑戦し、特に活性発現に必須とされるindolizin-5-one骨格の効率的な構築法の確立を目指して研究を行ったものです。その成果として、indolizin-5-one骨格構築法を開発でき、その応用としてrosettacinの全合成を達成し、学術雑誌Moleculesへ筆頭著者として論文投稿することができている(学長室ブログ2023.05.27掲載)。このように課題研究に対して積極的に取り組み、その成果を第51回複素環化学討論会(大阪)、第60回・第61回中国四国支部学術大会、そして日本薬学会第142年会(名古屋)・第143年会(札幌)で発表してきました。

この研究に対する態度と研究成果が優れていると判断し、日本化学会中国四国支部の支部長賞の候補者として推薦しましたところ、この賞を受賞することができた次第です。

水野くん(中央)と井上学部長(左)、町支教授(右)

水野くんから一言:「今回、このような賞をいただけて大変嬉しく思います。4月から大学院に進学し、もう少し有機合成化学という分野を深く追求してみたいです。そして、経験した研究の楽しさを後輩たちにも伝えつつ、自分自身をもっとレベルアップさせたいと思っています。最後に、日々サポートしてくださる方々への感謝を忘れずに、これからも精一杯やりたいです。」

続いて、大塚学長のところへ受賞の報告に行ってきました。

大塚学長と鶴田副学長に研究成果を説明している水野くん

鶴田副学長にも同席して頂き、今回の受賞内容である抗がん活性をもつrosettacinの合成法を開発できたことを熱心に説明していました。そして、3月7日は、本学大学院薬学研究科の合格発表の日でもあり、進学も決まりましたので、研究の今後についても少し説明をしていました。

井上学部長、鶴田副学長、大塚学長、水野くん、町支教授で記念写真

大学院薬学研究科へ進学し研究を進めていく上で、今回のこの受賞が励みとなってさらに活躍してくれることを期待しています。おめでとうございました!

 

学長から一言:薬学部6年生の水野翔太くん、これまで続けてきた研究内容が評価され、日本化学会中国四国支部の支部長賞の受賞、おめでとうございます! 先日、受賞の報告と研究内容の説明を受けました。難しい内容は分かりませんが、抗がん機能のある物質の開発という極めて重要でレベルの高いものということだけは私にも良く分かりました。4月からは薬学研究科の院生としてさらに研究を発展させ、大発見につなげてください。