【機械システム工学科】特別講演会 「鋳造・3Dプリンタの魅力について」を実施しました!

経済産業省素形材産業室と機械システム工学科共催で鋳造・3Dプリンタの魅力についての特別講義を1月29日に開催しました。1年生、2年生対象の公開講義として、未来創造館3階の教室で開講されました。この中の「特別講演会」の様子を機械システム工学科の中村が紹介していきます。(投稿は学長室ブログメンバーの小林)

 


「特別講演」のプログラムは次のとおりです。

最初の経済産業省素形材産業室の海原係長の御講演では、ものづくりの魅力や、これからのものづくりに求められる人材など、ものづくりを取り巻く人材不足の状況がどのようであるのか、そのような状況に対し、国や地方がどのような取り組みをしているのかについて分かりやすくご説明頂きました。

学生からは「素形材の話を聞かせていただき、自分たちの学んでいる技術がどう生かされているかを知ることができた。」「広島県は素形材産業が盛んで、最低賃金が他県と比べ高いことが分かって、とても良かった。」など前向きな感想が多く出ました。

 

 

 

続いて(株)北川鉄工所の開発本部の花園副本部長の御講演です。北川鉄工所は1918年創業の歴史ある企業で、広島県府中市に本社があるという会社紹介から始まり、旋盤チャックのおよそ60%のシェアを占めることや、金属素形材事業、工業機器事業、産業機械事業などの事業紹介に加え、摩擦撹拌接合という技術についての解説がありました。

摩擦撹拌接合とは、二つの材料を回転させながら押し付けることで一体化される接合法の一種です。摩擦撹拌接合を製品に適用し、コンパクト化が実現した例が紹介されました。このような接合方法を知らない学生がほとんどでしたので、たいへん興味深そうでした。

学生からは「高校の頃に使っていた旋盤のチャックの約60パーセントのシェアを獲得しているという話がとても印象に残った。」「新しい技術が新しい商品に繋がっていきそれを繰り返しものづくりが繋がっているのだなと思いました。そうした進化が様々な商品や事業で活かされているのだなと思いました。」など、驚きをもった感想が多くありました。

 

 

三番目は(株)キャステムの基盤技術開発課の登課長の御講演です。キャステムは1970年創業の精密鋳造部品の製造販売を主軸とした企業です。本社は福山市にあり、世界各地に拠点があります。ロストワックスと精密鋳造部品が主力ですが、最近は、3Dプリンタと融合することにより工程を短縮できたり、1品から鋳造可能となったりメリットがあるそうです。3Dプリンタの原理から、3Dプリンタの発展、精密3Dプリントなどが紹介され、野球やサッカー監督の像を作る際のスキャニングのこぼれ話などもありました。

学生からは、「将来キャステムに入ることを考えていて、精密鋳造や超微細3Dプリントなど興味深い内容が多かった。お菓子の金型から作り始めた話は知らなかったためとても面白かった。」といった就職を意識した感想や「3Dプリンタの原理を知り、印刷の仕方も種類が多く技術の進化を知ることができた。何かして失敗をしても、失敗を通じて別の方法を一つ知ることができたという考え方が素晴らしいと感じた。」という説明に共感を持ったことが窺える感想などがありました。

 

最後は府中市商工労働課様の御講演です。府中市の紹介から始まり、府中市の名物料理、府中焼などが紹介されました。さらに、機械システム工学科も運営に参加している第15回全日本EV & ゼロハンカーレース in 府中の紹介もありました。

学生からは「府中市には全国的にも有名な上場している工業系の企業があることが分かりました。」や「府中市の産業として色んなことをしていることを知ることができたと思う。実際に行ったことは無いので今度行ってみたいなと思いました。」という府中市に興味を持ったという感想だけでなく「ゼロハンカーレースに興味があるので、府中市の話を聞けて、とても為になった。」「カーレースに福山大学が関わっていることを初めて知った。」というゼロハンカーレースに興味を持った学生も多くいました。他にも、「府中愛に溢れていた。」「良い町づくりに励んでいらっしゃるんだと思った。」という講演者様の熱い思いが伝わった感想もありました。

 

 

引用元:https://www.city.fuchu.hiroshima.jp/

 

講演終了後に取ったアンケートの回答には、ものづくりに興味を持ったという内容が多くあり、有意義な授業となりました。
機械システム工学科は、このような地域の企業とのつながりを大切にする地域に密着した学科であることを目指します。
以上、特別講演会の報告でした。

「特別講演」の様子は、学科YouTubeでも紹介しています。
https://youtu.be/7lMkg8Xoa8w

 

学長から一言:ものづくりに関する国や地方行政の政策から地元の優良企業における鋳造・3Dプリンタ活用の実際まで、盛り沢山の内容の特別講演は、機械システム工学科の学生諸君の「ものづくり魂」を大いに刺激したようです。これからの学習につながって行くことを期待します。