【薬学部】卒業生が遺伝子分析科学認定士の試験に合格!
2023年6月18日(日)に遺伝子分析科学認定士の初級試験が行われ、同年3月に卒業した就職1年目の宮本優人さん(出身高校:広島県立福山誠之館高等学校)が、福山大学薬学部出身では初となる合格を成し得ました。薬学部の道原教授から報告がありましたので、薬学部ブログメンバーの五郎丸が投稿します。
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遺伝子分析科学認定士の試験は、臨床検査技師の知識や技術の向上のため、公益社団法人 日本臨床検査同学院が年に1回行っている資格試験の1つです。同学院では、「遺伝子検査法の技術水準の向上とその標準化を図る」ことを目的に、遺伝子検査技術の専門的人材の育成のため認定試験を行っています。つまり、この試験に合格すれば、遺伝子検査を行うことができる一定水準の知識と技術を有していることがわかるわけです。
病態生理・ゲノム機能学研究室を立ち上げた当初から、松岡准教授と共に、この試験に着目し、研究室に配属された学生に対し幾度となく「試験を受けてみないか」と勧誘しては断られ、勧誘しては断られた日々を思い出します。今もそうですが! 理由は簡単です。薬剤師国家試験の勉強が忙しいからです。
しかし、薬剤師国家試験レベルの勉強をしていれば、もうちょい遺伝子検査に関する勉強を付け足せば取れる可能性があるのにな、在学期間中に誰かとってくれないかなと、ずっと思っていました。
そんなこんなで、今年の9月に、嬉しい知らせがメールで届きました。
「遺伝子分析科学認定士の初級試験に合格しました!」
今年の3月に卒業した研究室の宮本優人さんからでした。
宮本さんは、現在、薬剤師として県立広島病院に勤めています。職場に慣れることで精一杯だったこの時期、薬剤師国家試験の知識がフル活用できる1年目に勝負をかけ、見事、初級合格を成し遂げました。卒業して薬剤師国家試験に合格できたら勉強はおしまいではなく、卒業後も次なる目標を立て、自分をスキルアップさせるために切磋琢磨していることが聞け、大変うれしく思います。感無量です!
本当におめでとう! そして、私の悲願を達成してくれて、本当にありがとう!
宮本さんには、ぜひ今後も頑張ってもらって、5年後、日本にまだ35名しかいない一級遺伝子分析科学認定士になってもらいたいものですね。
それでは、お待たせいたしました。宮本さんから一言:
この度、遺伝子分析科学認定師試験に合格することができたこと、心から嬉しく思います。私の勤務する県立広島病院は、全国に32ヶ所しか指定されていない「がんゲノム医療拠点病院」としてがん遺伝子パネル検査や遺伝子カウンセリングを実施しており、遺伝情報を活用した高度で高品質な医療を患者さんへ提供しています。学生時代より、がん薬物療法に興味があり、遺伝情報をもとに多種多様な治療法から患者さんに合わせた治療を提供できる薬剤師として関わっていきたいと考えておりました。病態生理・ゲノム機能学研究室で研究するなかで、薬の効き目や生活習慣病などにも遺伝子が深く関わっていることを学び、さらに興味を持つようになりました。様々な領域で遺伝子をもとに診断や治療が行われていく近年の医療現場において、遺伝子の基礎となる知識をしっかりと身につけたいと思い今回の試験に挑戦いたしました。究極の個人情報となる遺伝子を扱う上で倫理観を持ち、遺伝子に精通した薬剤師として患者さんに寄り添った医療を提供できるようこれからも尽力していきたいと思います。
道原教授から一言:
宮本さん、これから後輩たちも切磋琢磨し、宮本さんに続いて、この試験にチャレンジしてくれると信じています。いつか、教え子と共同研究できる日を楽しみにしています。更なる飛躍を願っています。 がんばれ、負けるな、力のかぎり!
究極の個人情報、遺伝子!遺伝子は毛根にも含まれています。爪から取れることもあります。だから、むやみに他の人へ渡さないようにしてくださいね! 学生の皆さん、宮本さんのように、いろんなところで自分の力を試してみませんか? 多くの学生の心へ、熱いパッション、君に届け!
学長から一言:薬学部の病態生理・ゲノム機能学研究室出身で、県立広島病院に就職して1年目の宮本優人さん、遺伝子分析科学認定士の初級試験に見事合格、おめでとうございます。職場の環境に適応するだけでも大変だったでしょうのに、本当に良く頑張りました。職場の仕事をこなす上で大いに役立つとともに、後に続く後輩諸君にとって良い手本になることでしょう。更に上級の資格を目指し、これからも弛まぬ研鑽を期待しています。