【海洋生物科学科】来たるべき自然災害に備えて ~内海生物資源研究所(因島キャンパス)で避難訓練を実施~
因島キャンパスでは、昨年度から内海生物資源研究所として独自の避難訓練を実施しています。今年度は、5月23日(火)に登校した4研究室の4年生と教職員が参加しました。その模様についての報告が、内海生物資源研究所長の太田教授(海洋生物科学科)から届きました。(投稿は海洋生物科学科の阪本)
瀬戸内海に面した因島キャンパス
避難訓練の実施に至ったきっかけは、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震とそれに伴う東日本大震災です。未曽有の被害をもたらし、尊い命が失われた大震災は今もなお私たちの記憶に鮮明に残っています。当キャンパスも海の近くにあるという点では災害発生時に負うリスクは同じであり、有事に備えてしっかりとした対応が必要になります。政府は南海トラフを震源域としたM8~9クラスの地震が30年以内に70~80%の確率で発生することを予測して、各地域に対して防災意識の向上を求めています。また、広島県では最大震度5~6強の揺れとともに、3時間30分後には波高2~5mの津波が襲来することも予想されています。因島キャンパスは海抜2mに位置しているため、これらの地震と津波への対応は必須となります。このような理由から、当キャンパスでは新学期が始まったこの時期に大地震と津波発生を想定した避難訓練を行うことで、学生の皆さんに危機管理の仕組みと避難の実際を体験してもらうことにしています。
東日本大震災の体験談から学ぶこと
当キャンパスには、東日本大震災発生当時に現地の惨状を目の当たりにした教員として有瀧真人教授,金子健司教授,私(太田)の3名がいます。そこで、今年度は訓練終了後に、キャンパス内の講義室で金子教授から震災発生当時の状況や復興に向けて残された課題などを学生たちに話してもらいました。学生の皆さんにとって、テレビでは放映されることのなかったシーンや出来事を知る好機になったことと思います。当キャンパスでは、今後も避難訓練を通じて有事に備え、学生と教職員の安全確保に努めたいと考えています。
学長から一言:松永の本部キャンパスでの防災訓練とは別個に行われる因島キャンパスの内海研の避難訓練は重要です。万が一、災害が生じても、一人の犠牲者や被災者も出さないという強い気持ちは、あの東日本大震災発生を現地で体験した3名の現職教員の存在と無関係ではないようです。学生諸君、教職員の皆さんが日頃からしっかりした防災意識を持って下さることを希望します。