【薬学部】6年生が第74回日本東洋医学会学術総会で「会頭賞」を受賞!

薬学部6年生の福島彩花さん(漢方薬物解析学研究室所属)が、5月31日から6月2日の3日間で開催された第74回日本東洋医学会学術総会(大阪)において、自身が課題研究で取り組んでいる研究内容を口頭発表し、最も優れた発表に贈られる「会頭賞」を受賞し、表彰されました。本表彰を受けて、大塚学長に受賞の報告を行いました。この模様について指導教員の髙山講師からの報告です(投稿は五郎丸です)。

 


2024年5月31日(金)から6月2日(日)までの3日間、大阪国際会議場にて開催された第74回日本東洋医学会学術総会において、本学部6年生の福島彩花さんが自身の取り組んでいる課題研究の内容を口頭発表し、選考委員会による審査を経て、最も優れた発表に贈られる「会頭賞」を受賞し、表彰されました。

発表演題名:大黄甘草湯の効き目は腸内細菌で決まる -食習慣による腸内細菌叢の変化と「証」との関わりを探る-
福島 彩花1、三谷 竜也1、竹本 菜緒1、髙原 千穂1、井関 将典2、石原 克彦3
田中 隆4、 野中 源一郎5、井上 裕文6、髙山 健人1, 7
福山大学薬学部漢方薬物解析学研究室1、川崎医科大学免疫学教室2、川崎医療福祉大学総合教育センター3、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科4、ウサイエン製薬5、福山大学薬学部臨床分析科学研究室6、川崎医科大学分子遺伝医学教室7

優秀演題セッションでの発表で緊張しています

本発表では、食習慣による腸内細菌叢(そう)の違いが便秘症の改善に用いられる大黄甘草湯の効き目を左右する(レスポンダー・ノンレスポンダー)という、これまでの研究で得られた知見について、腸内細菌叢の変化はもちろんのこと、関与する大黄甘草湯成分の同定や、腸管免疫系の関わり、短鎖脂肪酸など腸内代謝産物の変化にも着目して、詳細なメカニズムを探求した内容を発表しました。本研究のような食習慣による腸内細菌叢の変化と漢方薬のレスポンダー・ノンレスポンダーとの関連性を解明する研究により、漢方薬の有効成分の薬理作用だけでは説明できない、漢方薬の新たな作用機構を見出せる可能性が秘められています。

この日のために準備を重ね、無事、自分の考えを発表で伝えきることができました

本大会会頭の三谷和男先生より授与いただきました

本表彰にともない、井上薬学部長とともに大塚学長に表彰の報告を行いました。福島さんから研究の背景や結果などについて説明し、さまざまな質問や激励をいただきました。

大塚学長と研究成果についてディスカッション

左から髙山講師、大塚学長、福島さん、井上薬学部長

研究は、数多くのトライアンドエラーを繰り返す中で新たな真実を見出し、その真理を固定概念に囚われることなく深く考え調べ抜く作業であるため、日々の勉強で培った知識と観察力、根気強さが必要になることは言うまでもありません。
特に本研究は、実験手法の確立に至るまでに数年もの長い時間を費やし、今日に至るまで多くの学生さんが汗を流しました。福島さんも幾度となくトライアンドエラーを繰り返し、くじけそうになったこともあったと思いますが、実験手法を確立することができ、研究成果に結びつけることができました。この成果を評価いただいたことは、喜びもひとしおだったと思います。

本写真は学会に参加していた某製薬メーカーに勤める当研究室卒業生が撮ってくれました!見守っていただきありがとうございました!

本受賞に際して、備後地域の医師の方々をはじめ、中四国地域の医師の方々からもたくさんの激励のお言葉をいただきました。また、表彰式では「福山大学」と読み上げられる声を聞いて、これまで面識のなかった本学卒業生の方々からも、お声掛けいただき、お祝いのお言葉をいただきました。皆様、励みになるお言葉をいただき誠にありがとうございました。

また、本発表は本学の学術研究助成事業助成金(GARP2024-219)により学会発表の旅費を支援いただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

福島さん、この度は受賞おめでとう!!さらなる活躍を大いに期待しています!

 

学長から一言:福島彩花さん、日本東洋医学会学術総会での最も優れた発表に贈られる「会頭賞」の受賞、本当におめでとうございます。これまで何年にもわたる漢方薬物解析学研究室での研究の積み重ねに立った発表であり、個人の努力はもちろんのこと、一緒に研究に取り組んだ人たちの弛まぬ努力が報われたのだと思います。先日の学長室での研究内容についての説明で、素人の私でも、画期的な着眼点だということが分かりました。