【薬学部】「ダメ。ゼッタイ。」 県立高校で薬物乱用防止教室を開講

2024年9月25日、広島県立油木高等学校で全校生徒を対象に薬物乱用防止教室を杉原教授が開講しました。そのことについて、杉原教授からの報告です(投稿は五郎丸です)。

 


油木高校は福山市の北部に隣接する神石高原町にあり、豊かな自然に囲まれた高校です。のどかで、薬物乱用とは程遠いと思える学校でしたが、広島県内で実際に起きている中学生や高校生による薬物乱用事件を心配された養護教諭の先生からの要請でした。校長先生や教職員の皆様が暖かく迎えてくださり、そして、私の話を最後まで熱心に聞いてくださった生徒の皆さんに感謝しています。

大麻による乱用が若年層を中心に増加しており、直近のデータによると、かつては最も多かった覚醒剤取締法違反による検挙人数を上回り、大麻は最も多く乱用されている違法薬物になっています。薬物乱用とは程遠いと感じられた油木高校においても、「大麻は安全、無害だ」や「世界で大麻は合法」と、大麻について聞いたことがあると回答した生徒が少なからずいました。興味本位は無論のこと、友人・先輩など身近な人から勧められても薬物の乱用を「ダメ。ゼッタイ。」と断る勇気、逃げ出す勇気、関わらない勇気の大切さを、薬物の乱用による健康被害や人格にまで及ぼす影響、さらに家族も巻き込み苦しめてしまう恐ろしさをお話しました。たった1回くらいならではなく、その1回によって、薬物と一生戦い続けなければならなくなるフラッシュバック現象のことや、油断を起こさせるように可愛くカラフルな形状や言葉巧みな誘い、「合法」いう言葉に隠された意味について、真剣に耳を傾けてもらえていることが伝わってきました。

後日、養護教諭の先生から送付されてきたアンケート調査票に、今や将来の自分に必要な内容だった、違法薬物には絶対にかかわらないと強く思ったという感想を受け取り嬉しく思いながら、ぜひとも今の気持ちを忘れないでいてほしいと願いました。

 

 

学長から一言:杉原教授、油木高校での薬物乱用防止のための特別講話、お疲れ様でした。薬学部の皆さんは若者が違法な薬物に手を染めることのないように、これまでも専門家の立場から長く学外での講演や研修を引き受けて来ましたが、今回もすぐれた社会貢献になったようです。のどかに見える環境でも油断は禁物。今回の催しは参加者が気持ちを引き締める上で大いに役立ったことと思います。