【生物科学科】大型哺乳類の研究者が加入!(新任教員紹介)
生物科学科では、生物多様性の教育に力を入れています。この分野の強化のために、新任教員として石塚真太郎講師が4月1日に着任しましたので、生物科学科 佐藤が紹介します。わたくし佐藤はネズミやイタチなどの小型・中型哺乳類の進化・生態を専門としていますが、中型・大型哺乳類の進化・生態を専門とする石塚講師の加入により、福山大学 生物科学科は幅広く哺乳類学を学ぶことのできる学科になりました。人に近い霊長類、獣害でおなじみのイノシシ、どれもその進化・生態は理解したいですよね。そんな学びが福山大学 生物科学科でできるのです。それでは石塚講師、自己紹介をよろしくお願いします。
自己紹介
はじめまして。新たに生物科学科の講師に着任した石塚真太郎と申します。これまで国内外でフィールドワークを行い、野生動物の行動や生態について研究してきました。哺乳類が他個体や環境とどのように関わりあって生きているかに興味を持っています。これまでに行ってきた研究をいくつか簡単に紹介したいと思います。
アフリカの熱帯林でボノボを追う
主な研究対象の一つはボノボです。馴染みのない方もいるかもしれませんが、ボノボはチンパンジーとならんで人間にもっとも近い動物です。ボノボの特徴として、争いが少ない平和な社会を形成することが挙げられます。私はボノボの平和的社会に興味を持ち、アフリカの熱帯林で調査を行いました。私たちの研究により、メスがさまざまな形で平和的社会の実現に寄与していることがわかってきました。
小豆島で哺乳類の進化を探る
国内では香川県小豆島で研究を続けてきました。隔離された環境である島は、興味深い生物進化の舞台です。私はニホンザルやニホンジカ、イノシシなどを対象として、侵入の歴史や島固有の行動について研究しています。例えば小豆島のニホンザルが形成する巨大猿団子の中では、立場の強いオスほど団子の内側を陣取り、効率良く寒さを凌ぐことを発見しました。
瀬戸内の哺乳類学の幕開け
数多くの島を有する瀬戸内には、それだけ多様な生態系が存在しています。その中で哺乳類は、どのように同種・他種と関わり合って生きているのでしょうか?その謎の一つ一つを、これから学生の皆さんと一緒に解き明かしていきたいと思います。生物科学科が誕生した節目の年に、福山の地で瀬戸内哺乳類学の幕開けです。
生物多様性教育の強化
ふたたび佐藤にバトンタッチします。石塚講師の加入により、単に中型・大型哺乳類の教育という点だけではなく、行動生態学的な視点についても、生物科学科の教育に追加されます。じっくりと野生の動物の行動を観察するという、これまでにはない講義・実習が展開されることになり、生物科学科のカリキュラムの魅力がまた一段と増しました。石塚講師は、早速、4月から大忙しで、生物多様性実習では、大学周辺のイノシシの痕跡を探しに行くことや、カメラトラップによる自動撮影を計画しています。その様子はまた別のブログで紹介しましょう。お楽しみに。
学長から一言:石塚真太郎講師、福山大学へようこそ! 大きなものから小さなものまで動かす力だ~♬、というコマーシャルソングがありましたが、石塚講師の加入で生物科学科の生物多様性に関する教育・研究の幅が拡がり、力量アップ。これまでの国内外での実態調査に加えて、瀬戸内をフィールドにした新たな展開に期待しています。