【心理学科】日本犯罪心理学会第62回大会の開催報告

少し前のことになってしまいますが、さる9月14日、15日に日本犯罪心理学会第62回大会福山大学社会連携推進センターで開催されました。この記事では、その模様を学科のFUKUDAI Magメンバーの向井からご報告いたします。

 

日本犯罪心理学会は、犯罪心理学に関心を持つ実務家や研究者などが参加する学会で、60年の歴史と1600名程度の会員数を有しています。

日本犯罪心理学会に限らず、多くの学会では年に1,2回、大会が開催され、研究者や実務家が最新の研究内容をお互いに発表します。大会がどこで開催されるかは、ある程度の研究者がいて開催するキャパシティがある大学や機関の中から選ばれます。その開催校が今年は福山大学でした(昨年はお茶の水女子大学、一昨年は名古屋大学でした)。

大会全体のテーマは「防犯からの地域活性」でした。これを受けた全体シンポジウムでは、防犯を通じて地域を活性化する取り組みをしている研究者や実務家の方からの話題提供があり、活発な意見交換がなされました。司会は本学の平伸二教授でした。

 

その他、研究発表では、福山大学の教員5名大学院生1名が発表を行いました。

まず教員の方では、赤澤淳子教授は、大会企画シンポジウム「犯罪被害者等への途切れない支援」で企画・司会をし、犯罪被害者支援の現場と国の施策に関わる専門家を招き、被害者が平穏な生活を取り戻すための支援の継続と課題について議論しました。

大杉朱美准教授も同じく大会企画シンポジウム「司法面接の現場」で企画・司会をし、司法面接における検察、警察、児童相談所の連携強化やスキル向上の重要性を現場の専門家と共に現状と課題を共有し、解決策や連携強化の展望について議論しました。

中島学教授も同じく大会企画シンポジウム「拘禁刑下における矯正指導の在り方」で企画・司会をし、刑法改正によって導入される「拘禁刑」と、それに伴う矯正指導の変化や支援者への影響をテーマに、対話モデルを中心に議論しました。

水師葉月助手は、ポリグラフ検査について行った実験の結果を報告しました。

向井は、性犯罪の被害者について人々が持つ意識についての調査結果を報告しました。

その他、学生では、平ゼミの大学院生の米丸愛里さんが、女子大生の犯罪不安が季節ごとに変わるのかをテーマにして行った調査の結果を報告しました。

 

また、2日間開催された学会の1日目の夜には福山城で懇親会が行われました。福山らしさがあふれるロケーションは主に県外からお越しの参加者の皆様に大好評でした。

さらに、今回の大会では、多くの学生アルバイトの方にもご協力いただきました。参加者の方々が発表をできるように、開催前日に机や椅子を移動することにはじまり、当日の受付や司会、ビデオ撮影などに大活躍でした。

 

日本を代表する犯罪心理学会の大会を開催し、ますます勢いに乗る心理学科。今後の展開にもぜひご期待ください!

 

学長から一言:多くの心理学関係学会の中でも由緒ある犯罪心理学会の年次大会が本学主催で開催されました。これもこの分野において本学の心理学科がしっかりと地歩を固め、その実力が広く認知されている証左です。本学関係者はそれぞれの持ち場で貢献し、発表に、懇親会にと大活躍だったことでしょう。参加された会員の皆様の思い出に残る大会になったことだろうと思います。