【情報工学科】今井准教授が分担講師をつとめる放送大学大学院ラジオ科目「計算と自然(’25)」が始まります

今井准教授が分担講師をつとめる放送大学が開講する大学院レベルの授業であるラジオが媒体の科目「計算と自然(’25)」が4/5より始まります。今回は今井准教授からの番組予告をお伝えします(投稿は、学科のFUKYUDAI Magメンバーの中道)。

 


 

放送大学大学院ラジオ科目「計算と自然(’25)」

放送大学大学院ラジオ科目「計算と自然(’25)」

自然計算と呼ばれる学問分野があります。それは、「自然の中で観察される計算過程と、自然に触発された人為的計算を扱う研究分野」とされています。皆さんは、コンピュータと聞けば、パーソナルコンピュータやスマホなどのシリコン半導体の集積回路によるCPUを搭載したコンピュータを思い浮かべると思います。しかし、1947年にトランジスタが発明され、そのスイッチング動作がデジタル計算に使えるというアイデアが生まれるまでは、この動作は単なる物理現象にすぎませんでした。つまり、いまのコンピュータも自然の中から発見された計算過程なのです。当時はアナログ計算機が主流であり、現在では標準となっているデジタル計算機は当時では一般的ではない自然現象を活用する計算(非通常計算)と見なされていたのです。

近年、大きな話題となっているニューラルネットや量子コンピュータも、もちろん、それぞれ、自然に触発された人為的計算、自然の中で観察される計算過程であり、その黎明期にはマイナーな非通常計算でした。自然計算は、新たな計算パラダイムが生まれ発展していく基盤となる重要な研究分野といえるでしょう。

そのような自然計算を扱う科目として、放送大学の大学院ラジオ科目「計算と自然(’25)」が4月2日(水)から始まります。シラバス科目紹介 をご覧ください。自然と関連するちょっと風変わりな計算のトピックをできる限り幅広く紹介していきます。BSラジオ 531ch、毎週水曜夜23:15からで、放送はどなたでもご視聴いただけます(放送大学オープンコースウェアでも公開予定です)。この科目は、放送大学の萩谷昌己客員教授が今年度まで担当してきたコンピューティング(’19)という科目の内容から、第14回「生物に触発された計算モデル」と、第15回「自然現象を活用する計算モデル」の二回の内容を中心に新しい内容も含めて構成した科目です。触覚を中心に自然計算の研究をされている鈴木泰博准教授(名古屋大)と今井が分担講師として参加しています。今井は、第2回のライフゲーム、第4回の可逆計算、第5回のセルオートマトンに加えて初回と最終回を担当します。

今井が、バーチャルリアリティ(VR)の応用の研究に興味を持っていることもあり、VR SNSのVRChat でこの科目と連動した「計算と自然」集会 を実施する予定です。VRChatを利用できる方ならどなたでも参加できますので、ご興味があればぜひご参加ください。

VRChat 「計算と自然」集会

VRChat 「計算と自然」集会

 

学長から一言:情報工学科の今井勝喜准教授がもうすぐ放送大学の大学院コースのラジオ番組「計算と自然(’25)」の一部を分担して担当。今井准教授が得意とするバーチャルリアリティに関連して、どんな興味深い内容が聴けることでしょう。放送大学の学生でなくても、毎週水曜夜23:15からBSラジオ 531chで誰でも聴くことが可能とのこと。関心のある多くの人にお勧めしたいものです。