【心理学科】ソフィア大学への訪問(ブルガリア滞在)報告!

心理学科の大杉です。 FUKUDAI Magでのご報告が遅くなりましたが、昨年11月にブルガリアのソフィア大学を訪問してまいりましたので、年度をまたぐ前にご報告したいと思います(盛りだくさんで失礼いたします)。 (投稿は向井です。)
福山大学はブルガリアのソフィア大学と協定を結んでおり、これまでに多くの学生、職員、そして教員が交流を重ねてきた歴史があります。2023年6月にはSilvia Nikolaeva(シルビア・ニコラエヴァ)教授をお迎えして素晴らしい交流が実現したことは、こちらの記事でご報告しています。
この度、私大杉もEU(欧州連合)のエラスムス・プラス・プログラムを活用させていただき、ソフィア大学を訪問してまいりました。ソフィア大学教育学部にて2つのワークショップを実施した他、ソフィア大学日本語学科への訪問とsecondary school(日本の中学校と高校にあたる学校)で日本語教育に力を入れている18学校への訪問を行いましたので、順にお伝えしたいと思います。
1.ワークショップの実施
1つ目のワークショップは、「日本のポリグラフ検査技術について」と題して日本の科学捜査について紹介するものでした。日本のポリグラフ検査は、実は海外で広く使われているポリグラフ検査とは大きく異なる方法で行われています(こちらの心理学ワールドの特集で簡単にご紹介しています)。ですから、「日本って実際どうなっているの?」という情報は、海外の実務家の皆さんにとって、とても興味を持っていただける内容です。
ワークショップでは、Silvia教授のご協力のもと、ブルガリアの内務省心理学研究所のポリグラフ検査専門官の皆さんにご参加いただくことができました。互いに意見交換しながらよりよい科学捜査のための議論を行い、私にとっても大変貴重な時間となりました。
2つ目のワークショップは、「子どもからどう話を聴くか―司法面接の技術を会得する―」と題して、教育や福祉、捜査に関わる人向けに司法面接の技術を紹介するものでした。ワークショップには、ソフィア大学の学部生、院生、教育学部や他学部の先生方のみならず、他大学の先生方や内務省心理学研究所の専門官の皆さんもご参加くださいました。アクティブラーニング形式でロールプレイ等も含めたワークショップであったため、賑やかに会が進行し、私自身もとても楽しくワークショップを行うことができました。
両ワークショップの終了後には、「興味深く有益であった」や「とても満足している」等の感想を寄せていただいたほか、開催の様子をソフィア大学のホームぺージとブルガリア通信社(BTA)のページでご紹介いただきました(上の写真はソフィア大学からご提供いただいています)。
2.第18中等学校及び日本語学科への訪問
ブルガリアで驚いたことの1つに、日本語を学ぶ学生がいかに多いかということ、そして彼らがいかに熱心に日本語を学んでくれているかということが挙げられます。2022年から2023年にかけて、私のゼミに交換留学生として滞在していたイバノブ・ミハイルさんも然り(ミハイルさんの滞在についてはこちらの記事でご報告しています)。日本が好きで、日本語が好き、そしてとても上手!という、私たち日本人にとってとても嬉しいことだと言えます。
第18中等学校は日本語教育に力を入れている学校で、実際にどのような取り組みが行われているかについて学生が発表してくれました。素晴らしい発表に胸が熱くなりながら、発表に対するコメントをさせていただいた他,私自身の専門のお話や大学における学びの紹介を行いました。学生からは多くの質問が飛び交い、日本への関心の強さ、学生のやる気を肌で感じる有意義な時間となりました(科捜研や犯罪捜査に関する質問も多かったのは、日本の中高生と同じで微笑ましかったです)。
なお、交流の様子は第18中等学校のホームぺージ上で紹介していただいています(下の画像は同ホームページから引用させていただいています)。
ソフィア大学日本語学科への訪問は帰国前日に行われ、主として日本語学科の4年生に対して行われました。福山大学との交流がどのように続いているか、本学において何をどう学べるのかについて説明しました。前述のミハイルさんをはじめ、過去に福山大学に留学していた元学生も参加してくれて、終了後の質疑も含めて大いに盛り上がりました。今後もブルガリアと日本、ソフィア大学と福山大学の交流がますます強くなることを互いに願いながら、交流を終えました。
3.ブルガリアのアレコレ
前半は国際交流のお話をお伝えしましたが、最後に少しだけ、ブルガリア滞在の様子を写真でご紹介しておきます。
海外に行くと異国情緒といいますか、その街並みだけでも思わずうっとりと息をのむことが多いわけですが、最初に驚いたのはソフィア大学自体の美しさです。長年の歴史の重みからくる美しさはもちろんなのですが、学内に多くの博物館を有している専門性の高さや、趣ある図書館で学問を学ぶ学生たちの姿も含め、本当に素晴らしい学び舎だと思いました。
国際交流の合間をぬって、いくつかの観光名所も訪問しました。その歴史的背景から様々な文化や宗教、生活スタイルがミックスされたブルガリアですが、時間をかけて調和された空間はとても綺麗で居心地がよく、想像以上に素敵な国だと再認識しました。
最後に食べ物の情報もお伝えしておきます。ブルガリアといえばヨーグルト!と思ってしまう我々日本人ですが(確かにヨーグルトはたくさんありましたが)、それ以外の食べ物も美味しいものばかりで、心もお腹も満たされました。元交換留学生のミハイルくんと食べたラーメンも、良い思い出です(美味しかったです)。
帰国から早3か月。あっという間に月日が過ぎ去りますが、ブルガリアで過ごした約1週間は本当に素晴らしい時間でした。今後も素敵な交流が続き、両大学がより良い学び、より良い研究を推進できることを心から願っています。
なお、実は来週から本学大学教育センターの鈴木ヘザーアン助教がソフィア大学に訪問予定です。また素敵な交流の報告が聞けることを、今から楽しみにしています。
学長から一言:本学との協定に基づき、長年にわたり交流が続いているブルガリアのソフィア大学に出かけ、今回の集中講義を終えた心理学科の大杉准教授、お疲れ様でした。さまざまな授業をこなし、中等学校への訪問や自身の専門である犯罪心理学の面でも現地の専門家・関係者とのワークショップを開催するなど、大変な活躍ぶりと充実して出張の様子が伝わって来ました。本学から最初に集中講義に出かけ、2017年に私が過ごした10日余りが昨日のことのように浮かんできました。