【海洋生物科学科】環境学習講座「チリメンジャコ」で標本を作ろう!を開催
因島キャンパスにある福山大学マリンバイオセンター水族館では、現在、4年生から3年生に水族館運営の引き継ぎが行われています。その来年度の水族館運営を担う海洋生物科学科3年生が、福山市沼隈図書館で開催された「備後マルシェ」において、環境学習講座「チリメンジャコ」で標本を作ろう!を実施しました。そのレポートが海洋生物科学科の真田講師から届きましたので、同学科学長室ブログ委員の阪本がお知らせします。
備後マルシェで環境学習
「備後マルシェ」が、福山市にある沼隈図書館と多目的広場において2024年3月3日に開催されました。そのイベントの一環で、海洋生物科学科のアクアリウム科学研究室に配属される3年生が中心となって、環境学習講座を企画運営しました。
チリメンジャコは、食卓でもお馴染みの食材です。その多くはカタクチイワシやマイワシ、ウルメイワシ🐟などの稚魚ですが、よくよく観察するとエビ🦐やカニ🦀、タコ🐙、イカ🦑などたくさんの種類の生き物が混ざっていることがあります。現在、スーパーマーケットで販売されているチリメンジャコは、選別の過程でこれらが取り除かれています。そこで、今回の環境学習講座では、選別前のチリメンジャコから「チリメンモンスター」を探し出して、これらの生物の観察を行いました。
この「チリメンモンスター」の種数を数えてみると、今回入手したものからは36種の生物を確認することができました。参加者は、福山市沼隈にお住まいの地域の方々とその子どもたち。1回の講座で定員上限30名の参加者と一緒に、チリメンモンスターを題材に、食物連鎖など海の生態系について学びました。
また、ワークショップでは、参加者が一人ずつスプーン一杯(およそ5g)のチリメンモンスターをすくい取り、その中に含まれる生き物を指導役の学生と一緒に観察しました。よくよく観察すると、小さな生き物にも様々な形があることから、熱心に図鑑と見比べる参加者の姿も見られました。
チリメンモンスターを観察した後は、標本作りです。アクアリウム科学研究室は、将来、学芸員を目指す学生も数多く在籍しています。今回は、紫外線に当たると固まるUVレジンを用いた樹脂標本作りに挑戦してもらいました。
この環境学習イベントを通して、多くの子どもたちに海の魅力を感じてもらえることができれば嬉しく思います。今後も、水族館が行うアウトリーチ活動として、学生と共に様々な啓発活動に取り組んで行きたいと思います。
学長から一言:水族館の学芸員を目指す学生も少なくない海洋生物科学科の3年生が、日頃学んでいる専門的知見を活かし、地元の催し「備後マルシェ」で大活躍。市販品からは取り除かれるものの、チリメンジャコにもともと紛れ込む海の様々な生き物を見つけ出し、小さな樹脂標本づくりを通じて環境学習。挑戦した子ども達、そして付き添いの大人の皆さんもきっと大興奮の一時だったことでしょう。