【情報工学科】令和5年度第1回教養講座でコンピュータグラフィクスのパイオニア 西田先生の御講演

5月24日に開催された令和5年度第1回教養講座で、西田友是先生による「半世紀を経てCGは情報化社会の基盤技術に進展」と題した講演が行われました。情報工学科の山之上教授から報告がとどきましたので、ブログメンバーの中道がお伝えします。

 


5月24日に開催された令和5年度第1回教養講座で、西田友是先生(プロメテックCGリサーチ所長、東京大学名誉教授、広島修道大学名誉教授、デジタルハリウッド大学卓越教授)による「半世紀を経てCGは情報化社会の基盤技術に進展」と題した講演が行われました。https://www.fukuyama-u.ac.jp/news/82581/

第1回教養講座でご講演いただいている西田先生

第1回教養講座でご講演中の西田先生

 

西田先生は広島県のご出身で、コンピュータグラフィクス(CG)のパイオニアです。長年のCG界への功績に対して、2005年、米国ACM SIGGRAPHからクーンズ賞を受賞し、2006年、NICOGRAPHからCG-Japan Awardを受賞されています。SIGGRAPHとは、コンピュータグラフィクスに関する世界で最も権威のある研究会およびその国際会議の名称です。

こうした功績から、2006年3月、画像電子学会において、CG関連の優秀論文の著者に与えられる賞「西田賞」が創設されています。2017年には紫綬褒章(しじゅほうしょう)、つい先日の2023年4月の春の叙勲では瑞宝中綬章(ずいほうちゅうじゅしょう)を受章されました。

実は、西田先生は、東京大学の教授にご就任される前に、20年近く福山大学で教鞭をとられ、併せてCG関連の研究をされていました。今回、このような素晴らしい先生がかつて福山大学におられたことを福山大学の学生諸君や福山市民に知っていただきたいと思い、西田先生にご講演を打診したところ、快く引き受けていただきました。

ご経歴と受賞歴のお話し

ご経歴と受賞歴のお話し

西田先生のご講演の中で、上述したとおり福山大学ご在職中の20年近くの間に、様々なCGに関する研究成果を上げられ、それが世界中に知れ渡ったことについてのお話しがありました。アメリカで使われていたコンピュータグラフィクスの教科書に、Fukuyama University という名前が載っていたそうです(M.Cohen, Wallace, “Radiosity and realistic Image synthesis”, Accademic Press, Inc.(1993), 関連した情報については、以下のURLにアクセスしてご覧ください。 http://nishitalab.org/user/nis/ourworks/radiosity/radiosity.html)。福山大学で、日本で最初にCGに関する講義が行われたことについてもお話しされていました。CGの講義はその後も福山大学で続いていて、現在も情報工学科で実施されています。

西田先生のお名前は、現在、本学の情報工学科やメディア・映像学科で使われているBlenderという3次元コンピュータグラフィクス製作ソフトウェアの中にも出てきますが、そのことについてもお話しされました。今回の講演には約700人の福山大学の学生・教職員の他、一般市民の方も聞きに来てくださいました。ご来場いただいた皆様は、最後まで熱心に西田先生のお話しに耳を傾けていらっしゃいました。

西田先生のご講演を熱心に聞いている来場者

西田先生のご講演に熱心に聴き入る来場者

 

西田先生、ご講演ありがとうございました。

 

学長から一言:コンピュータグラフィクス(CG)のパイオニアで斯界の第一人者である西田友是先生をお招きしての今年度第一回の教養講座は大盛況でした。先生の今日に続く輝かしい研究業績の基礎が、かつて福山大学に19年もの長きにわたってご在職中の時期に形作られたこと知って、誇らしく感じたのは私一人ではないでしょう。このご縁を大切にしたいものです。