【薬学部】6年生が日本薬学会第143年会で学生優秀発表賞を受賞! -漢方薬物解析学研究室-

薬学部6年生の中山嶺於君(漢方薬物解析学研究室所属)が、3月に開催された日本薬学会第143年会(札幌)で、自身が課題研究として取り組んでいる研究内容を口頭発表し、見事、学生優秀発表賞を受賞し、表彰されました。本表彰を受けて、大塚学長に受賞の報告を行いました。この模様を指導教員の髙山健人講師が報告し、薬学部学長室ブログメンバーの五郎丸が投稿します。

 


2023年3月25日(土)から28日(火)までの4日間、北海道大学にて開催された日本薬学会第143年会において、本学部6年生の中山嶺於君が自身の取り組んでいる課題研究の内容を口頭発表し、審査対象演題884題(口頭発表)の審査の結果、見事、学生優秀発表賞を受賞し、表彰されました。

中山君の発表の様子

本学会で、中山君は「食習慣の違いは慢性腎臓病の病態進展に影響を及ぼす」という題目で、普段の食習慣が慢性腎臓病の病態進展に違いを及ぼし、その違いは食習慣による腸内細菌叢(そう)や腸内代謝産物の変化に起因している可能性を示す内容を発表しました。当研究室のこれまでの研究で、食習慣による腸内細菌叢の違いは漢方薬の効き目を左右する(レスポンダー・ノンレスポンダー)ことを明らかにしており、本研究成果から慢性腎臓病患者さんの体質や症状により漢方薬を使い分ける理由を科学的に明らかにできる可能性が秘められています。

指導に当たる研究室の助手の熱心さによって、中山君も力が入ります

次世代シークエンサーによる腸内細菌叢の解析

本表彰にともない、井上薬学部長とともに大塚学長に表彰の報告を行いました。中山君から研究の背景や結果、今後の展望について説明し、学長からはさまざまな質問や激励をいただきました。

大塚学長と研究成果についてディスカッション

左から井上薬学部長、大塚学長、中山君、髙山講師

続いて、鶴田副学長のもとへ報告に伺い、鶴田先生からも心強い激励をいただきました。

同じフロアでよく顔を合わせている鶴田副学長への報告はどことなく緊張がほぐれた報告となりました

研究は、単にやれば結果が出るというものではなく、数多くのトライアンドエラーを繰り返す中で新たな真実を見出し、その真理を固定概念に囚われることなく深く考え調べ抜く作業であるため、日々の学習で培った知識と観察力、根気強さが必要になることは言うまでもありません。

本学薬学部では3年次後期から研究室配属となり、学生一人ひとりが課題研究に取り組みます。この課題研究も指導教員と常にコミュニケーションを図りながら議論を重ね実験を進めることで、事の真実とその真理へ迫っていくことになります。課題研究への取り組みを通して自ら問題を解決する能力が涵養され、この経験が社会に求められる薬剤師に成長できる手助けになると私は信じています。

研究室同期の仲間も祝ってくれました!

中山君と同様に同期の学生さん達も熱心に課題研究に取り組みました。皆さんのさらなる活躍を大いに期待しています!

最後に、改めて、中山君、この度は受賞おめでとうございます!!

 

学長から一言:中山嶺於君、日本薬学会での学生優秀発表賞の受賞、おめでとうございます。本当に素晴らしい! 日頃の弛まぬ努力と研究の結果であり、しかも腎臓病の治療につながる発見で、これほど誇らしいことはありません。学長室で報告を聞いた折、さほど暑くない日でしたが、額の汗をちょっと拭う仕草を見て、緊張させてしまったかと反省したり、その初々しさに好感を覚えたりしたことでした。