【生物科学科】ワイン品質評価学で自作ワインの官能評価
生物科学科のユニークな授業、「ワイン品質評価学」が今年度も無事に終わりました。全7回の講義のうち、これまで最後の授業を担当してもらっていた後藤奈美客員教授が今回をもって最後の講義となりましたので、その様子を福山大学ワイン醸造所長の吉崎がお伝えします。
ワイン品質評価学
生物科学科ではブドウ栽培とワイン醸造を学びの柱として、広く深遠な生物科学の世界を俯瞰できるようなカリキュラムを構成しています。この授業は、2年生の果樹栽培加工実習でブドウ栽培とワイン醸造を行い、1年間熟成させた後に官能評価を行うもので、学びの集大成となるものです。
ワイン品質評価学の全7回の講義のうち、最後の官能評価をご担当いただいているのは後藤奈美客員教授です。後藤先生は、(独)酒類総合研究所の前理事長や日本ブドウ・ワイン学会の前会長などを歴任され、現在は(公財)日本醸造協会の理事を務めておられ、日本のワイン科学およびワイン産業の発展に多大な貢献をしていらっしゃる、斯界の第一人者です。
ワインの官能評価
授業では自作のマスカット・ベーリーAを用いた赤ワインに加え、単一の原料としてソーヴィニヨン・ブラン、リースリングを用いた白ワイン、メルロを用いた赤ワイン、そしてガメイを用いたボジョレー・ヌーボーといったフランス産ワインの品種特性香を解説してもらい、官能を確かめました。後藤先生は日本ワインコンクールの審査委員長もお務めのご経験があり、審査員の立場からどのように評価するか、値段とのバランスの重要性など、貴重なお話を聞くことができました。
こちらはせらワイナリーの橋本醸造主任です。たまたま別件で本学を訪問の日であり、飛び入りで授業を聴く機会に恵まれました。橋本主任は生物科学科の卒業生ですので、在学中にこの講義を履修済みです。思わぬ復習の機会に恵まれて、大変な喜びようでした。
後藤先生には2015年からバイオ経済・企業論として2回、ワイン品質評価学として8回、計10回もの講義を行っていただきました。まだまだお世話になりたかったのですが、昨年度からこれまで住んでおられた東広島から東京に拠点を移されたということで、今回が本学でご担当いただく最後の機会となりました。ささやかですが、生物科学科から花束の贈呈と、記念撮影を撮らせてもらいました。
学生が後藤先生から直接教わるのは今回が最後となってしまいましたが、私は今後も学会などでお会いする機会があると思います。後藤先生の今後のご活躍をお祈りしつつ、引き続きご指導をお願いしたいと思います。
学長から一言:長年にわたり客員教授として生物科学科のワインの品評に関する授業を担当して下さった専門家中の専門家、(独)酒類総合研究所の前理事長の後藤美奈先生の最後の授業を聴講できた学生の皆さんはたいへんな果報者です。先生と一緒に授業の後に味わったワインは忘れがたい美味であったろうと想像します。後藤先生、長い間ほんとうにお世話になりました。