【心理学科】ボランティア前期活動報告第四弾!遺芳丘小学校での防犯教室!

のんびり進んでいる前期活動報告。今回でようやく最終の、第四弾です。本日は福山市立遺芳丘小学校で行った活動のまとめについて、心理学科濱本有希助手からの報告をお届けします(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。

 


心理学科の濱本です。

心理学科には、犯罪心理学を応用して防犯教育を行っている福山大学サイバー防犯ボランティアCyPat FU(サイパットエフユー)PACE福山支部(ペース福山支部)という2つの防犯ボランティア団体があります。

7月10日(月)に、小学4年生から6年生を対象としたCyPat FUによるサイバー防犯教室を、14日(金)に、小学1年生から3年生を対象としたPACE福山支部による地域安全教室を、それぞれ福山市立遺芳丘小学校で行いましたので、本日はその様子をご報告いたします(CyPat FUとPACE福山支部の過去の活動の様子はこちら)。

CyPat FUによるサイバー防犯教室

CyPat FUは、これまで小学5年生と6年生に対してサイバー防犯教室を行ってきました。今回は、初めて小学4年生を対象としたサイバー防犯教室実施の依頼でした。また、小学校の授業時間の2時間目(4年生対象)、3時間目(5年生対象)、4時間目(6年生対象)と、3時間連続で講義を行う初めての試みとなりました。CyPat FUのメンバーは、それぞれの学年にあわせたインターネットの約束事を考え、内容や話し方を工夫し、連続で実施する講義が円滑に進むよう、しっかり役割分担をして講義に挑みました。

1.インターネットの使い方についての講義

講義では、インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に潜む危険について、具体的な例を示しながら紹介し、それぞれの約束事に関連する学生が考えた標語を紹介しました。小学生は、学生からの問いに対して、しっかり手を挙げ、積極的に授業に参加する姿勢を見せてくれました。

<小学4年生(上)、小学5年生(中)、小学6年生(下)に対する講義の様子>

2.標語作り

講義後は、講義で習ったインターネットの約束事に関連する標語作りを行います。参加してくれた児童全員が、自分だけのオリジナルの標語を作れるよう、学生は自分たちの考えた標語を紹介したり、5文字や7文字の使いやすいキーワードを紹介したりして、児童が標語を作成するサポートを行いました。

4年生と一緒に標語を作ることは初めてでしたが、講義を受けて感じたことを上手に標語にまとめることができました。

<標語作りの様子と小学生が考えた標語の一部>

PACE福山支部による地域安全教室

PACE福山支部は、主に小学校で「地域安全マップ」の指導を行っています。地域安全マップは、半日かけて犯罪被害に遭わない能力(被害防止能力)を高めていくための教育プログラムになっていますが、今回の依頼は、小学校の授業1時間(45分)で「地域安全教室」を行ってほしいというものでした。これまで1時間目から4時間目までをフルに使って伝えていたことを、1時間で伝えることはとても難しいですが、少しでも児童の被害防止能力を高められる講義にしたいと、何度も相談を繰り返し、新しく講義内容を考えました。

1.講義資料と事前の準備

今回は、小学1年生から小学3年生を対象としたということもあり、講義用のスライドにも工夫をしました。学年によって、習っている漢字が異なるため、小学1年生にはすべてひらがなで、小学2年生では1年生で習得する漢字のみを、小学3年生では2年生までに習得する漢字のみを使用したスライドを作成しました。

<小学1年生(左)、小学2年生(真ん中)、小学3年生に対する講義で使用した資料>

また、これまでは1つの講義を複数人で分担して実施する形式で講義を行うことが多かったのですが、今回は中原晴菜さん(心理学科2年生・福山暁の星高校出身)が、主に1人で講義を担当することになりました。こうすることで、講義担当者が自分の担当パートのみに集中することなく、多くの学生が全体の流れを頭に入れることができました。

<講義前にリハーサルをしている中原さん>

2.講義

講義では、全身真っ黒の服を着てサングラスやマスクをしている人が登場します。多くの児童はこの学生を「不審者」だと発言してくれましたが、声をかけてみると、「みんなと一緒に防犯のお勉強をするために福山大学からやってきたPACE福山支部のお兄さん」だったことがわかる、という寸法です。こうして、「不審者」かどうか、「悪いことをしようとしている」かどうかは、見た目だけではわからないということを、実感してもらいました。

<小学1年生(上)、小学2年生(中)と小学3年生(下)に対する講義の様子>

3.寸劇(犯罪が起こりやすい場所ではどんなことが起こるのか?)

私たちは、こんな場所は「安全」、こんな場所は「危険」と、具体例を紹介することはもちろんですが、実際にその場所でどんなことが起こるのかを体験してもらう方が、理解の定着に繋がるのではないかと考えました。そこで、安全な場所と危険な場所では、地域の人の行動がどのように異なるのかについて知ってもらうための寸劇を行うことにしました。

どちらの場所でも、連れ去り犯役の学生が、小学生に対して「一緒に遊びに行こう」と声をかけるというストーリーでした。危険な公園では、通行人の大学生は、児童が声をかけられていることに気が付いていたのに「ま、いっか!」と言ってそのまま行ってしまいます。しかし、安全な公園では、通行人の大学生が気が付くとすぐに声をかけてくれて、連れ去り犯は逃げていきます。このように、そこに住む地域の人々の意識が、実はその地域の安全や危険に大きく関わっていること、それが場所の見た目にも現れるのだということを、実感してもらいました。

<危険な場所ではどんなことが起こるのかを寸劇で伝える様子>

4.実技(危険な場所の歩き方)

小学生は「犯罪が起こりやすい場所」がどのような場所なのかについて、少しずつ理解してきました。しかし、PACE福山支部による地域安全教室は、これだけでは終わりません。

危険な場所がわかったら、「①危険な場所には近づかない」ことが重要です。しかし、そこを通らないと目的地にたどり着けない場合があります。そんな時は、「②危険な場所には1人で行かない」ように教えます。では、どうしても1人でそこを通らなくてはいけないときはどうすればよいでしょうか。それは、「③1人で行く時は、気を付けて行く。」ということです。皆さん、気を付けるって、どうすればよいのでしょうか?大学生が、周りを気にしながら気を付けて歩くお手本を披露しました。それを見て、児童たちは大喜びして、「ぼくもできる!」「私もできる!」と、何人か前に出て危険な場所の歩き方を実践してくれました。

<危険な場所の歩き方のお手本を披露する学生の様子>

最後に、集合写真を撮りました。講義も寸劇も大盛り上がりだったので、学生も大満足の顔をしています。

<PACE福山支部のメンバー集合写真>

新しい試みも多く、とても学びのあるイベントになったように感じました。この経験を活かして、これからも犯罪の予防に貢献していってほしいと思います。

参加・協力してくださった遺芳丘小学校の皆様、本当にありがとうございました。今後も、CyPat FUとPACE福山支部の活躍にご期待ください!!


心理学科棟からはまさに目と鼻の先の距離にある遺芳丘小学校で、充実の活動をさせていただきました。全学年それぞれに2種類の防犯教室を実施するという初めての試みでしたが、努力の甲斐もあり、学生も手ごたえを感じられる学びの場となったようです。

活動の機会を与えてくださった皆様、ありがとうございました。学生ともども、今後も地域における防犯活動に全力で取り組みたいと思います!

 

学長から一言:心理学科の2つの防犯ボランティア団体、CyPat FUとPACE福山支部が近隣の遺芳丘小学校で行った防犯教室は、これまで経験済みの上級生を相手の場合と、1年生~3年生が相手とでは、ちょっと勝手が違っていたようです。子ども達の習得済みの漢字に配慮し、限られた時間内でという学校からの要望にも適切に応えるなど、新たな取り組みを通じて学んだことが少なくないでしょう。よく頑張りました!