【建築学科】五王椋太さんが建築研究振興協会の優秀若手構造研究者表彰を受賞!
建築学科4年生の五王椋太さん(徳島県立城南高等学校出身)が一般社団法人建築研究振興協会の令和4年度「優秀若手構造研究者表彰(コンクリート系・卒業論文)」を受賞しました。これは上記の協会が「建築構造分野(コンクリート系)おける優れた研究成果を挙げた将来有望な学生、及び優れた研究業績を挙げた若手研究者を表彰し、建築構造分野の活性化を促す」ことを目的として、平成27(2015)年度から実施している若手研究者育成のために設けた賞です。卒業研究で実施した構造実験の卒業論文を提出し、その内容およびレベルが認められ受賞にいたりました。指導教員の都祭教授からのレポートです(投稿は学長室ブログメンバーの山本)。
建築研究振興協会が実施する若手構造研究者表彰(コンクリート系)は、令和4年度で第8回目となります。この表彰への募集は、全国の国公立および私立大学に発送・配信されます。表彰の審査員は、国立・私立大学、国立の建築研究所、大手建設会社、の建築分野におけるコンクリート系の先端研究者で構成されています。この度、応募した卒業論文の研究内容が、“優れた研究業績をあげ研究者としての将来性も豊かである”(賞状より)と認められ、表彰に値すると判断されました。学長室を訪問して報告しました。
学長室にて大塚学長(左端)へ受賞報告する五王さん(右端)
優秀若手構造研究者表彰の賞状
提出した五王さんの卒業論文タイトルは「高せん断応力度比RC造梁の損傷制御法に関する研究」です。この研究は、指導教員である都祭の科研費研究課題で実施した実験結果を分析し、まとめたものです。
難しい言葉が多いので、平たくいうと、
“空間を大きくしたいので建築物の柱や梁部材はできるだけ小さくしたいが、小さいと大地震時に大きな力に抵抗しなければならない。大きな力が作用しても粘って壊れにくくする研究”
ということです。
鉄筋コンクリート建築物が壊れにくくするために工夫した鉄筋(今年度の建築学会で発表予定)が効果あることを実験で確認するという研究です。実験は、福山大学の30号館で昨年の11月から12月に実施されました。
壊れ方の比較(左:工夫なし、右:工夫あり)
壊れ方を比較すると、上記写真のように工夫ありの壊れ方が軽いことがわかります。
五王さんが研究で苦労したことは、実験で計測するために鉄筋に多数のセンサーを取り付けることだったそうです。卒業論文は五王さんがメインですが、この研究で必要だった数多くのセンサー取り付けや実験でのひび割れ観察などは、都祭研究室のメンバーで実施しました。まさに協働の成果です。
試験体を背に記念撮影(30号館)(五王さんは左から2人目)
五王さんはこの4月から株式会社穴吹工務店に就職します。“研究者としての将来性も豊かである”ということなので、就職後もこれを糧に将来の建築構造を担う人財として活躍してほしいと思います。
学長から一言:建築研究振興協会が建築構造を研究する若手の業績や資質を顕彰する特別賞を受賞した五王さんは、ちょっと話しただけでも、物事に真摯に取り組む爽やかな青年であることを感じました。指導教員である都祭教授が代表の研究課題の一端を担ったものですが、その頑張りは素晴らしい! 学長室からの退出時、足下に落ちていた小さなゴミ(?)を実に自然に拾ってくれたのが印象的でした。