【機械システム工学科】経済産業省支援の特別講義を実施しました!
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経済産業省素形材産業室からのお申し出とご支援を受け、地域企業と学生とをつなぐ試みとして、昨年度から実施していている特別講義を去る1月27日に実施しました。今回は機械システム工学科を中心に、広く工学部の学生に開放する形で1年生、2年生対象の公開授業として、未来創造館3階の大講義室で開講しました。今回の講義は、「素形材産業に関する産学官の意見交換会」として実施されたものです。
その様子を機械システム工学科のFUKUDAI Magメンバーの小林が紹介します。
プログラムは次のとおりです。
最初の経済産業省素形材産業室の星野様の講演では、「ものづくりの未来について考えよう!」というテーマで、日本の伝統技術の強みを活かし守りながら新しい技術を融合活用して、グローバルな競争力を持ったより良いものづくりを目指す取り組みについてお話し頂きました。特に、「変化はコントロールできない、できるのはその先頭に立つことだけである」という強いメッセージに感銘を受けました。受講した学生からも、「日本の文化を大切にしていきたいと考えました。」「変化はコントロールできないって言うのはよく分かる。常に変化していく未来に適応できるようにしていきたい。」など前向きな感想が多くありました。
続いてマツダ株式会社の西様の御講演です。この講演では、「マツダの型レス活動の現状と今後」というテーマで、自動車の製造過程における3Dプリンタを用いた自動車部品の製造技術についてご説明頂きました。学生から、「新車の製造だけでなく,販売した車両の部品供給のニーズも高いが、設備・要具の劣化からその部品供給が難しいことも知りました。」「自動車部品の多くは鋳造で制作されていることを知りました。」など、身近な自動車がどのように製造されているかを知れて勉強になった。という感想が多くありました。
三番目はヨシワ工業株式会社の中村様と青木様の御講演です。ヨシワ工業株式会社様には、「未来を創る鋳造の世界 ~ものづくりの魅力と可能性~」というテーマで、実際の作業内容を例にものづくりの魅力についてご説明頂きました。同社は広島県安芸郡海田町にあり、自動車部品を鋳造技術で製造されている企業です。鋳造でのものづくりについて製造工程を詳しく説明していただきました。また、鋳造の問題点やその解決方法、また、同社での新しい取り組みなど説明いただきました。学生から、「若い方が数々の挑戦をしていて、様々な物を作っているのが凄かった。失敗を沢山しても諦めない姿勢が凄かった。」「生産のための試行錯誤や、失敗を経て新たな発見や技術の開発が行えるのだとわかった。」など企業での製品開発の取り組みが勉強になった、という感想がありました。
最後の講演はアサゴエ工業株式会社の木下様の御講演です。木下様からは「砂型3D プリンタ中子の活用」というテーマで、3Dプリンタが製造業でどのように活用されているのかについてご説明頂きました。同社は岡山県岡山市に本社があり、主に建設機械向けの油圧コントロールバルブを製造されている企業です。講演での「ASAGOEが止まれば世界が止まる」という言葉が印象的でした。学生から、「身近な企業が世界中に関わっているのだと驚いた。」「講演を聞いて、鋳造や 3DCAD について理解を深めることができました。」などの感想がありました。
講演終了後、意見交換会を実施しました。限られた時間でしたが多くの質問がありました。
講演終了後に取ったアンケートには「ものづくり」に興味を持ったという内容が多くあり、有意義な授業となりました。
学長から一言:経済産業省素形材産業室が進める地域の企業と大学生とをつなぐ試みの一環として昨年度から本学において実施されている特別講義。今年のテーマは鋳造や3Dプリンターを中心としたものづくり。経産省の専門家による講義や地元企業関係者による講義など盛り沢山の内容が詰まった催しに、参加者は大いに啓発されたようです。ご講演をいただいた皆様に心から感謝したいと思います。