【海洋生物科学科】瀬戸内海スナメリフェスティバル2024で講演しました

2024年10月14日に牛窓で行われた瀬戸内海スナメリフェスティバル2024にて、海洋生物科学科山本講師が講演を行い、その様子の報告が届きました。(投稿はブログメンバーの山岸)

 


瀬戸内海には、スナメリという小型のイルカがくらしています。スナメリは体長2m程度と小さく、背びれや吻がないことが特徴です。スナメリは単独でいることが多く、背びれもないため、発見難易度の高いイルカです。また、沿岸の浅瀬にくらすため人間の影響を受けやすく、2000年ごろには瀬戸内海で大きく数を減らしました。
そんなスナメリのことを知ってもらうため、瀬戸内海スナメリフェスティバル2024(主催:一般社団法人ICERC Japan、共催:牛窓のスナメリを見守る会)が、岡山県の牛窓で10月14日に開催されました。子どもから大人まで非常に多彩な参加者層で、スナメリへの注目度の高さが感じられました。

牛窓の港に集合した後、直行便のチャーターフェリーで会場となる牛窓の離島「前島」に移動しました。

最初のイベントは、講演会です。山本講師はスナメリの生態や、福山大学で行なっている福山・尾道周辺でのスナメリ調査について講演しました。スライドの写真は、福山大学の調査船「第二爽風丸」での調査風景です。スナメリ調査を始めて3年。少しずつスナメリが見られる場所もわかってきました。

次に、牛窓のスナメリを見守る会の代表 小野塚氏が、牛窓のスナメリ調査について講演されました。小野塚氏らは15年以上も調査を続けられ、牛窓周辺でスナメリがよく見られるポイントを明らかにされたり、スナメリの行動を映像に収められたりされています。講演をお聞きして、福山大学海洋哺乳類研究室でもスナメリ調査を継続し、福山・尾道周辺のスナメリスポットを明らかにしていきたいと強く感じました。

講演会の後は質問コーナーが設けられました。会場からは、スナメリの生態についてや、瀬戸内海でのスナメリのくらしについてなど、多くの質問がありました。

午後は、船に乗ってスナメリ観察会を行いました。牛窓周辺でよくスナメリが見られるポイントに移動し、双眼鏡を使ってスナメリを探します。

この日は晴れていたのですが風が強く、スナメリを探すには少し不向きな海況でした。残念ながらスナメリを見つけることはできませんでしたが、瀬戸内海の風景を楽しむことができました。船の周りに幾つもの島があり、改めて瀬戸内海の島の多さを感じました。

今後も私たちの身近な海にいながら謎が多いスナメリの調査を続け、その生態を明らかにしていきたいと考えています。

 

学長から一言:日本のエーゲ海と呼ばれるほどの風光明媚な海洋風景を誇る牛窓で開かれた瀬戸内海スナメリフェスティバル2024。今や大変な人気者のスナメリを含むイルカに魅了され、日々その生態解明に取り組む海洋生物科学科の山本知里講師は、この催しでの講演にはまさにうってつけ。日頃の地道な調査研究に基づくさまざまな発見の話が、多くの皆さんをいっそうスナメリファンに変えたことでしょう。