助成金事業・プロジェクト
Grant program projects
福山大学ブランド研究プロジェクト
瀬戸内の里山・里海学
本学の所在するこの備後圏域は全国でも有数の里山地域であり、豊穣の里海“瀬戸内”の中心に位置し、島嶼の集中した「しまなみ」の入り口でもあります。その一方で備後圏域は歴史的にものづくり産業で栄えた地域であり、機械金属工業をはじめ、繊維・木工・食品など特色ある地場産業が集積した地方都市群を内包し、人と自然の関わりの深い地域でもあります。昨今、地球規模での環境の悪化・生物多様性の消失の危機が叫ばれる中、人との関わりの中で生物多様性を育む里山・里海を研究し自然共生社会への道を模索すると共に、それを維持しつつ資源を利用し、ものづくりを含む経済活動や文化活動を活性化することが、次の世代に対する我々のなすべき義務と考えます。備後圏域はこのような取り組みに最適の環境であり、里山・里海に根ざす未来のまちのあり方を提示する「瀬戸内モデル」の構築に全学を挙げて取り組み、これを福山大学のブランドとして確立することを目指しています。
ブランド研究テーマ一覧(緑字は遂行中プロジェクト、青字は予定)
1.里山・里海の自然の把握
- 瀬戸内の里山・里海の生物多様性涵養機能の解明と環境教育(2017~2021)(PDF)
- ⇒《発展》瀬戸内海島嶼における生物多様性の形成メカニズムを解明する(2022~)
- 里海の海中探査プロジェクト(2017~2021)(PDF)
- ⇒《発展・予定》里海の藻場環境観測システム(2023~)
2.里山・里海の資源利用と経済の活性化
- 瀬戸内里海の次世代養殖システムの開発研究(2017~2021)(PDF)
- ⇒《融合・発展》豊饒の海「しまなみ」資源のSDGs(2022~)
- 備後地域の資源活用に向けた研究・調査
- -地方再生戦略における里山・里海の有用性(2017~2020)(PDF)
- -内海町の体験型修学旅行(2020~2020)(PDF)
- 持続可能な備後地域づくりに向けての多面的アプローチ
- ―備後産業分析と地域経済の自治体戦略(2021~2023)―
- ―備後企業の海外進出(2022~2024)―
- ―福山市におけるスポーツ産業市場の基礎的データ構築(2022~2024)―
- 《予定》備後地域における地域再生可能なフードシステム(2023~)
3.里山・里海の歴史・文化的理解
- 鞆の浦学の構築1(2017~2020)(PDF)
- 鞆の浦学の構築2(2017~2020)(PDF)
- 鞆の浦学の構築3(2017~2020)(PDF)
- 「地域遺産」の理念構築とその保全・継承に関する研究(2018~2020)(PDF)
- ⇒《融合・発展》備後文化遺産研究 −備後沿岸地域の3DCG/VR技術を活用した復元と活用−(2022~2024)
- 社会・教育活動における管茶山の福祉精神とその構造(2020)(PDF)
- 備後圏域文化トレードの様相―菅茶山・井伏鱒二を軸に(2021)(PDF)-準備中-
- ⇒《融合・発展》備後文化遺産研究 -備後圏域文化トレードの様相-菅茶山・井伏鱒二を軸に-(2022~2023)
4.里山・里海のひと・まち・くらしの創造
- 里山と里の災害対策と保全のためのIoTシステムに関する研究(2018~2020)
- ⇒《発展》里山と里の災害対策と保全のためのIoTシステムの統合に関する研究(2022~)
- 住みよいまちづくりを支援するプライベート音空間を使用した革新的介護システムの構築(2017~2020より科研費研究に移行)
- ストーカーおよびDVにおける被害リスク評価と介入施策の検討―県警における相談記録の分析から(2022~)
- 《予定》天然植物を利用した “One Health”確立への挑戦(2023~)
特別研究
- 細胞接着分子を標的とした自己免疫疾患の新規治療法の確立(2018~2020)(PDF)
- 交通安心プロジェクト(2018~2020)(PDF)
- 核内受容体を標的とした血管疾患の新規治療法の確立(2021)
- 巨大液胞形成によるがん細胞の細胞死誘導機構の解明(2022)
文部科学省私立大学研究ブランディング事業
瀬戸内海 しまなみ沿岸生態系に眠る多面的機能の解明と産業支援・教育
福山大学の所在する福山市は瀬戸内海の東西から流入する潮が合流するちょうど中央に位置し、干満の差が瀬戸内海で最も大きい特有の自然環境を持っています。また、島が多く典型的な多島海「しまなみ」を有することから、他地域と比較して沿岸域が顕著に多く、藻場や干潟が発達し、これらの生態系は比類ない地域の特色となり我々に豊かな環境を与えてくれています。この生態系を先端技術を用いて解明して多面的な機能を洗い出すことで、新産業の創出のための知見を獲得し、備後圏域の産業の活性化や島の過疎化改善を目指すもので、福山大学大学ブランド研究「瀬戸内の里山・里海学」の中から、特に里海にターゲットを絞り込み研究を先鋭化し文部科学省の事業に応募、採択されたものです。
個別の研究課題
1.生態系の解明
DNA分析等の先端テクノロジーにより網羅的に生物多様性を解明することで、藻場・干潟生態系の未知の機能を掘り起し、藻場・干潟に生息するシロギス、アサリなど水産養殖種を中心に生物間相互作用を理解することで、新たな生態系サービスの発掘につなげます。 (関連するURL:瀬戸内 里山・里海 生態系PJ)
産業・教育支援
1.養殖業
シロギス等の身近な魚類の仔魚・稚魚期の初期減耗を抑えた養殖効率の向上と付加価値の向上、ノリ養殖場周辺における栄養塩濃度や植物プランクトンの動態基づくノリ色落ちを引き起こす機構の解明、アサリとその食害を及ぼす海洋動物の生態データの取得等により養殖産業の振興に貢献します。(関連するURL:しまなみテッポウギスプロジェクト)
2.有用物質の探索
藻場・干潟生態系で大量に生産される種を対象に、その生物とそれを栄養源として利用する微生物が産生する物質を調査し、有用な物質を探索します。
教育
藻場や干潟の生態系解明や産業支援に関する研究に焦点を当て、出前水族館やICTを用いた遠隔授業などの情報発信活動を行い、プロジェクトの成果やホットな話題について社会一般に周知することで、瀬戸内海の豊かな環境資源を次世代に引き継ぐ活動へと発展させます。 (関連するURL:じばさんフェア2017で研究紹介)
沿岸生態系の持続可能性
DNA情報に基づく藻類や魚類の集団構造・保全単位の解明、衛星を用いた人、森、藻場の分布調査、および陸域の森林生態系の生物多様性の調査により、藻場と干潟を維持するために必要な陸域の環境および人の利用方法を明らかにします。
事業成果報告
2019年度の進捗報告
2018年度の進捗報告
2018年度詳細報告書
- 2018年度進捗報告テーマ①-1 生態系【PDFファイル(1.47MB)】
- 2018年度進捗報告テーマ①-2 藻場探査用自律ロボットの開発【PDFファイル(1.59MB)】
- 2018年度進捗報告テーマ①-3 藻場環境観測システムの開発【PDFファイル(2.74MB)】
- 2018年度進捗報告テーマ② 産業教育支援【PDFファイル(6.33MB)】
- 2018年度進捗報告テーマ③ 持続可能性【PDFファイル(5.82MB)】