経済学部

Faculty of Economics

【税務会計学科】逆境を学びのチャンスに!―地元企業との連携による新たな挑戦

【税務会計学科】逆境を学びのチャンスに!―地元企業との連携による新たな挑戦

税務会計学科開講授業「地域調査」は2017年度から地元企業とのコラボ連携による新たな授業形式を導入して以来、4年目となります。年を追うごとに受講者が増えて、現在は経済学部における人気授業のひとつとして定着しつつあります。今年度前期の連携授業は株式会社エブリイホーミイホールディングスのグループ企業株式会社エブリイのご協力のもとで7月末の最終プレゼンをもちまして、無事に成功裏に終わりましたので、その成果報告をさせていただきます。

 

エブリイホーミイホールディングスとの連携授業は、コロナ禍のなかで3年目を迎えました。今年度は昨年度末に福山大学がエブリイホーミイホールディングスと協力による地域課題解決を目的として締結した「協働事業協定」に基づく連携授業実施の初年度ともなる記念すべき年でした。新型コロナ感染拡大が続くなかで、連携授業の実施が危ぶまれていたが、エブリイ社は「逆境を学びのチャンスに変えようではないか!」と全社を挙げてオンライン授業形式でも学べる企画を練り上げ、また企画の実施にあたって戸惑う学生への指導体制も立ち上げていただきました。

前期連携授業では、「地元企業の魅力を知り、伝える」をテーマに、エブリイ社オリジナル商品の「おいしい物語」ブランドの新商品開発提案、エブリィの経営手法研究など5つの課題に対して、5つのチームに分かれてディスカッションをしていただきました。

5つのチームは具体的には、①「おいしい物語チーム」、②「エブリィの歴史チーム」、③「業務商品チーム」、④「超鮮Doチーム」、⑤「漁船のまるごと一艘買いチーム」でしたが、チームごとのディカッションに向けての学習やプレゼン資料作成にあたって、各チーム1名のエブリイ若手社員が配置され、懇切かつ丁寧な指導をしていただきました。さらに、授業時間外でも、各チームの担当社員はプレゼンに必要な情報を随時に提供していただき、努力を惜しむことはなかった。そのためもあり、オンライン授業形式にともなう学生の戸惑いや不安は完全に払しょくされることとなりました。

オンラインによる学生プレゼンテーションは7月末に岡崎慎吾社長(株式会社ホーミイダイニング)をはじめ、多数の役員のご参加を得て実施されました。厳正なる審査により、最優秀賞は「おいしい物語チーム」に与えることとなりました。エブリイ社オリジナル商品「おいしい物語」に存在する問題点の指摘にとどまらず、その解決策が大学生を対象に実施した独自のアンケート調査に基づいて提示されていた点は高評価に結びついたようです。ちなみに、アンケート調査においては、税務会計学科の大城朝子講師(https://www.fukuyama-u.ac.jp/ec/tax-accounting/ohshiro-asako/)にご協力いただきました。感謝の意を表します。

最優秀チームメンバーの中村直人さん(経済学部 経済学科2年生)に感想文を書いていただきましたので、ご紹介します。

「地域調査の授業は、エブリイさんと合同でプレゼンテーションを行いました。今回は、リモートでしたが、問題なくすることができました。そして、今回の授業で、アンケート作成について学びました。アンケート作成は今回が初めてで多くのことを考えなければならないと感じました。「ターゲットは誰なのか」「アンケートはどこでどうやってとるのか」「どうしたら多くの回答をもらえるのか」など多く考えました。日々何気なく回答していたアンケートにも、いろいろな考えや思いがあるのだなと、アンケート作成の経験を通して学びました。また、こういった企業と連携した授業で社会経験をしておくのは大切だと感じました。実際の企業の雰囲気や会議の様子、プレゼンの仕方など将来に役立つ情報を知ることができるからです。この経験を生かして、またどんどんいろいろなことに挑戦したいと思いました。」

ほかのチームも逆境のなかでそれぞれすばらしいプレゼンテーションを通して多くのことを学んでいたようですので、以下の3名に代表として振り返っていただきました。

<「超鮮Doチーム」(経済学部・税務会計学科2年生)>

「今回地域調査の講義を受けて私は貴重な経験を得ることができたと思います。この講義ではエブリイさんの社員と合同でエブリイがこだわっている5つの事業について5つのチームに分かれてそれぞれプレゼンをしました。その中で私は「超鮮度」という鮮度にこだわった事業に関してプレゼンをしました。そして、資料を作る際、どの食材にすると面白いかを考えるのが大変で、プレゼンをする際にはエブリイさんのお偉い様方の前でとても緊張しました。しかし、やり遂げた後の達成感はいい経験になったと思います。また、この講義で自分自身が企業に対する見方が変わったなと思います。」

<「エブリィの歴史チーム」(経済学部・税務会計学科2年生)>

「この講義を受講した理由は株式会社エブリイホーミイホールディングスとの連携授業ができることに魅力を感じたからです。地元企業のことを知ることができる良い機会であり、エブリイは毎週買い物に行っているので知っている情報を活かせると思ったからです。講義の内容は、グループに別れてエブリイについてのプレゼンの資料を作り、発表することでした。私はエブリイの歴史についてのプレゼンをしました。プレゼン終了後、他のグループのプレゼンを見て、私はプレゼンの資料の作り方や発表の仕方がうまくできていなかったことに気がつくことができました。プレゼンの資料作りと発表は社会人に必要な能力なので、早めに体験することができて良かったです。」

<「業務商品チーム」(経済学部・税務会計学科3年生)>

「決められたテーマをもとに、チームのみんなやエブリイの社員の方々とZoomで話し合いました。パワーポイントを作成するときも、社員の方から様々なアドバイスをいただき、打ち合わせを何回も行うことで、完成度の高いものができました。発表のとき、順番を決めていなかったのでぐだぐだな進行になってしまったこと、エブリイの話ではなく神戸物産や業務商品の話がメインになっていた所は改善したいです。1位を獲得した「おいしい物語チーム」は、「おいしい物語」の知名度を調べるためにアンケートをとったり、知名度を上げるためにポップを作る、ポップを作る際のメリット・デメリット、さらにオリジナルレシピを考案するなど、100点満点だと思いました。私のチームの順位は4位でしたが、みんなで話し合いながら一つのテーマについて掘り下げるという楽しい授業でした。貴重な経験をありがとうございました。」

最後に、前期連携授業において企画および学生指導を全面的に担当された株式会社エブリイ人事部担当の藤原友幹さんからコメントをお寄せいただきました。

「福山大学様の講義を共同で運営させていただくようになり3年が経ちました。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、例年のように集合型の講義が難しい中、張教授にご協力いただきオンラインを活用した「新しい講義の形作り」にチャレンジしました。講義では、「地元企業の魅力を知り、伝える」をテーマに、エブリイオリジナル商品「おいしい物語」やエブリイの経営手法研究など5つの課題に対して、各チームに分かれてグループワークを行いました。オンライン上での情報交換・資料作りには苦戦をしましたが、学生様のやる気と張教授のご協力があり、最終日のプレゼン発表はとても素晴らしいものとなりました。オンラインを活用した、新しい講義の形が見えてきましたので来年は、さらに良い講義を福山大学様と作り上げていきたいと思います。このような機会をいただき誠にありがとうございました。」

 以上のように、オンライン授業形式にともなう学生の戸惑いや不安を払しょくし、またコロナ禍という未曽有の逆境を、地元企業を学ぶ最大のチャンスに変えるべく、全社を挙げて企画および学生指導にご尽力いただいたエブリイ社に心より感謝を申し上げます。

後期授業でも、コロナ禍と付き合いながらの連携授業を余儀なくされる公算が高いでしょう。そうした逆境を地元企業と手を携えながら、「学びのチャンス」に変革しようではないか!学生のご参加をお待ちしています。

 

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