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薬学科

西山 卓志(にしやま たかし)

職 名 講師
学 位 博士(薬学)
専門分野 有機合成化学、複素環化学、医薬品化学
担当科目 基礎有機化学Ⅰ、ターゲット分子の合成、医薬品の化学構造と性質、情報処理基礎、実習Ⅱなど
メッセージ さまざまな病気の治療における「くすり」の比重は極めて大きい。その「くすり」の成分は95%以上が、有機化合物である。その有機化合物の中で、「医薬の源泉」といわれるように多くの医薬品の基本構造として治療への機能を発揮しているものに、含窒素複素環化合物があります。私達の研究領域は、この複素環化合物の合成、等である。このように生物活性を有する複素環化合物は、自然界(陸、海)の植物類や微生物類がつくり出すものが多く、今日でも次々と発見報告されている。
 当研究室は、この複素環状化合物を標的分子として設定し、有機合成化学をツールとして使い、これら化合物を効率良く合成する独創的な方法論を開発することを研究テーマとしています。これを基盤に標的とする化合物およびその周辺化合物の合成(ドラッグデザイン)を進めつつ、医薬品の素材(リード化合物)の探索を目指し、新しい基本構造をもつ医薬品の創製を目的として研究を行っています。

 研究者情報 

Fukuyama Univ Ver. researchmap

タンデム 閉環メタセシス−脱水素反応によるカルバゾール-1,4-キノン骨格構築法の開発と応用

オレフィンメタセシス反応は、2種類の異なるオレフィン間で結合の組換えが起こる触媒反応であり、中でも閉環メタセシス反応は、最も頻繁に用いられ、近年、医薬品や生理活性天然物の環状構造形成に活用されています。私は、図に示すように、閉環メタセシス反応を応用して、カルバゾール-1,4-キノン構造をもつ天然物を合成できるルートを確立し、細胞増殖抑制作用の強い化合物を見出すことが出来ました。現在は、さらに誘導体を合成し、より作用の強い誘導体の探索を続け、医薬品への展開の可能性を検討します。

One-pot反応によるcarbazole-1,4-quinone骨格構築法の確立とその応用

天然由来の新たな生物活性物質を標的とした、一般性、汎用性の高い多段階ワンポット反応の開発を目指し、研究を行っています。その一つにこれまで報告例の少ないcyclocarbonylation反応、脱シリル化、酸化反応が連続して起こるone-pot 反応を見出し、様々な生物活性を示す多置換カルバゾール類の合成に応用しています。現在は、さらに誘導体を合成し、より作用の強い誘導体の探索を続け、医薬品への展開の可能性を検討します。