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臨床薬効解析学研究室

臨床薬効解析学研究室

薬物治療適正化に資するエビデンスの創出と
問題解決力に優れた薬剤師の育成

医療の場では、「抗がん剤の副作用はなぜおきるの?副作用の予防薬はないの?」「血液透析など特殊な治療を行う場合の薬の正しい使い方は?」「薬剤耐性菌はいつ、どこで、どこからくるの?」など、臨床の中で生じる疑問(クリニカルクエスチョン)が多数存在しています。これが解決すべき疑問(リサーチクエスチョン)となり、研究へとつながります。自らが行った研究成果を利用して、リサーチクエスチョンを解決できる薬剤師こそが真の薬のプロフェッショナルであると思います。現在、私共は集中治療、がん、感染症、中枢神経疾患領域における薬物血中濃度や生理活性物質の体内挙動、副作用の発現機序および微生物の薬剤感受性や病原因子を明らかにするために基礎研究および臨床研究を行っています。当研究室では、真の薬のプロフェッショナルとしての薬剤師ならびに医療のニーズに合った薬物療法ができる研究者の育成を目指しています。

お知らせ

  • 2024.11.16 【発表】第63回日本薬学会中国四国支部学術大会で角場里菜さん(4年生)と坂元瑠璃さん(4年生)が研究成果を発表しました。
  • 2024.11.08 【発表】第68回日本医真菌学会総会・学術集会/第8回アジア・太平洋医真菌学会・学術集会において、半田助教が研究成果を発表し、優秀演題賞を受賞しました。
  • 2024.11.02 【発表】第34回日本医療薬学会年会において、佐藤教授が研究成果を発表しました。
  • 2024.10.28 【論文】(共著)論文がJournal of Biochemistryに掲載されました。
  • 2024.10.22 【講演】福山市立城西中学校で喫煙・飲酒等防止について佐藤教授が講義しました。
  • 2024.09.24 新たに3年生6名が臨床薬効解析学研究室に配属されました。
  • 2024.07.18 【記事】福山大学学報181号に当研究室卒業生の花田実夢さんのコメントが掲載されました。
  • 2024.07.08 【講演】福山市立至誠中学校で喫煙・飲酒等防止について半田助教が講義しました。
  • 2024.06.15 【発表・受賞】日本集中治療医学会第8回中国・四国支部学術集会において、佐藤教授が研究成果を発表し、奨励賞を受賞しました。
  • 2024.06.10 【助成金】公益財団法人発酵研究所2024年度継続研究助成において、半田助教の研究課題が採択されました。
  • 2024.06.10 【記事】中国ビジネス情報6月号「こんにちはキャンパス訪問」のコーナーで中谷綺人くんが紹介されました。
  • 2024.04.23 【受賞】中谷君(6年生)が日本薬学会第144年会において、学生優秀発表賞(ポスター発表)を受賞しました。
  • 2024.04.01 【助成金】佐藤教授が令和6年度科学研究費助成事業(基盤研究C)に採択されました。

過去のお知らせ

【2023年度】

  • 2024.03.30 【発表】日本薬学会第144年会において、5年生の福村真彩さんと中谷綺人くんが研究成果を発表しました。
  • 2024.03.20 【受賞】6年生7名が卒業し、花田実夢さんが学長賞(学業部門)を受賞しました。
  • 2024.02.08 【論文】(共著)論文がBiological Pharmaceutica Bulletinに掲載されました。
  • 2023.12.27 【論文】(共著)論文がFundamental Toxicological Sciencesに掲載されました。
  • 2023.11.05 【講演】第33回日本医療薬学会年会のシンポジウムで佐藤教授が講演しました。
  • 2023.10.28 【発表】第62回日本薬学会中国四国支部学術大会で角陽和君(6年生)と元石恵理奈さん(5年生)が研究成果を発表しました。
  • 2023.10.27 【講演】福山市立東朋中学校で喫煙・飲酒等防止について佐藤教授が講義しました。
  • 2023.10.22 【講演】全国パーキンソン病友の会広島県支部で佐藤教授が講演しました。
  • 2023.07.29 【発表】日本集中治療医学会第7回中国・四国支部学術集会において、佐藤教授が研究成果を発表しました。
  • 2023.07.18 【講演】福山市立中央中学校で喫煙・飲酒等防止について半田助教が講義しました。
  • 2023.07.10 【論文】(共著)論文が日本緩和医療薬学会雑誌に掲載されました。
  • 2023.06.16 【論文】学生の執筆した論文がPerfusionに掲載されました。
  • 2023.05.24 【論文】(共著)論文がPharmaceuticsに掲載されました。
  • 2023.05.24 【講演】福山工業高校で薬物乱用防止について佐藤教授が講義しました。
  • 2023.04.10 【受賞】6年生の角くんが薬局および病院実務実習ポスター賞をダブル受賞しました。
  • 2023.04.07 【発表】4年生の井上くんが「Y7サミット参加者と県内学生との交流プログラム」に参加しました。

【2022年度】

  • 2023.03.20 【受賞】6年生2名が卒業し、道原あやなさんが学長賞(学業部門)を受賞しました。
  • 2023.03.17 【発表】第96回日本細菌学会総会において、5年生の狩野大樹君が研究成果を発表しました。
  • 2023.03.13 【交流】尾道市立三幸小学校で「三幸っ子と福山大学薬学部生とのなわとび交流会」に参加しました。
  • 2023.03.08 【講演】福山工業高校で喫煙・飲酒等防止について佐藤教授が講義しました。
  • 2023.03.03 【受賞】6年生の道原あやなさんが「2022年度中国新聞キャンパスリポーター特別賞」を受賞しました。
  • 2023.02.24 【受賞】6年生の道原あやなさんが「第61回日本薬学会中国四国支部学生発表奨励賞」を受賞しました。
  • 2023.01.07 【セミナー】第3回九州集中治療セミナーで佐藤教授が「知っておきたい後発デクスメデトミジンの薬物動態」という演題で講演しました。
  • 2023.01.06 【論文】(共著)論文が日本緩和医療薬学雑誌に受理されました。
  • 2023.01.01 【論文】(共著)論文がChemical and Pharmaceutical Bulletinに掲載されました。
  • 2022.11.29 【講演】向丘中学校で喫煙・飲酒等防止について佐藤教授が講義しました。
  • 2022.11.25 【論文】論文が診療と新薬に掲載されました。
  • 2022.11.06 【発表】第61回日本薬学会中国支部学術大会で6年生の道原あやなさんと4年生の福村真彩さんが研究成果を発表しました。
  • 2022.10.29 【セミナー】令和4年度福山大学公開講座(2022.10.29)で佐藤教授が講演しました。
  • 2022.09.20 【受賞】6年生の道原さんが病院実務実習ポスター賞を受賞しました。
  • 2022.09.15 3年生、5名が新たに臨床薬効解析学研究室に配属されました。
  • 2022.08.20 【セミナー】第2回九州集中治療セミナーで佐藤教授が講演しました。
  • 2022.08.04 【論文】(共同研究)論文がJournal of Pharmacological Scienceに掲載されました。
  • 2022.07.30 【発表】日本集中治療医学会第6回中国・四国支部学術集会 において、佐藤教授が研究成果を発表しました。
  • 2022.05.25 【受賞】5年生の角陽和君が「第3回全国オンラインなわとび大会」で優勝し、記事が中国新聞に掲載されました。
  • 2022.05.25 【論文】論文がAnnals of Palliative Medicineに掲載されました。
  • 2022.04.01 【助成金】公益財団法人発酵研究所2022年度 一般研究助成において、半田助教の研究課題が採択されました。

【2021年度】

【2020年度】

 

研究内容

1.体外式膜型人工肺治療における麻酔薬・鎮静薬の薬物動態特性の解明

集中治療で実施される体外式膜型人工肺(ECMO)治療に用いる麻酔薬や鎮静薬は、患者さんの臓器機能の変化や使用する薬剤の物理化学的性質(器材への吸着性、安定性等)により薬物動態の予測が困難であり、想定した治療効果が出ないことや予期せぬ毒性が発現することがあります。私共は、In vitro ECMO回路モデルやIn vivo ECMOモデル動物を使用して、麻酔薬や鎮静薬の薬物動態に基づく最適な薬剤の使用方法の開発を目標としています。

2.がん悪液質による食欲不振発現機序の解明

がん悪液質の患者さんには食欲不振が高発現するため、患者さんの生活の質(QOL)が著しく低下します。現在、がん悪液質による食欲不振の発症機序については完全には明らかにされていません。そこで私共はがん悪液質モデル動物を対象として、生体内における生理活性物質(ホルモン、タンパク質)とがん悪液質による食欲不振の発症との関連性を明らかにし、治療法標的となる分子を同定する研究に取り組んでいます。

3.認知症治療薬の副作用に対する漢方薬の効果を明らかにする

認知症治療薬の副作用には悪心・嘔吐などの消化器症状があります。このような症状は患者さんの生活の質(QOL)を著しく低下させます。私共は悪心嘔吐モデル動物を対象として生体内における薬物濃度および生理活性物質(ホルモン、タンパク質)と消化器症状発症との関連性を明らかにし、消化器症状に対する漢方薬の効果を明らかにすることを目指しています。

4.統合失調症治療薬の血中濃度および薬物代謝関連タンパクの遺伝子多型と有効性・安全性との関連を明らかにする

統合失調症治療薬の中には、血液中の薬物濃度が治療効果および副作用の発現と関連しているものがあります。これらの薬剤はチトクロームP450(CYP)などの薬物代謝酵素の基質になることが知られています。CYPには一塩基遺伝子多型(SNPs)があり、多型の有無で薬剤の血中濃度が大きく変動する可能性があります。私共は医療機関と共同して、統合失調症患者における治療薬の血中濃度とCYPの遺伝子多型を測定し、治療効果や副作用発現との関連を明らかにし、最適な薬剤の使用方法を明らかにすることを目指しています。

5.あらゆる感染症起因菌の標的治療を目指して!

感染症を引き起こす病原微生物は、想像以上に多くの種類が存在します。臨床において、病原性の報告のない微生物が感染症の起因菌として検出されるケースがあります。このように検出頻度が低い感染症起因菌は、治療に有効な抗菌薬が不明であり、治療に時間を要し、重症化する例も少なくなりません。私たちは、分子系統分類と抗菌薬感受性との関連を研究することにより、病原性の報告のない菌種が感染症起因菌であった場合にも、有効な抗菌薬を選択投与する標的治療の実現を目指しています。

 

研究業績
(Researchmapの研究者情報)

 

スタッフ
(教員紹介)

写真をクリックすると、「教員紹介」ページが表示されます。
佐藤雄己教授
半田(永塚)由佳助教
髙田 千明助手
片山博和教授
田中哲郎教授