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薬理学研究室

薬理学研究室

動物モデルからヒトの新しい治療方法を見つけ出す

薬理学研究室(Laboratory of pharmacology)ではシリアン・ハムスターによるin vivoの実験を中心に大きく2つの研究テーマを展開しています。1つはハムスターの冬眠を制御する中枢神経機構の解明、もう一つは虚血再灌流により誘発される神経細胞死の発現機序とタンパク質SUMO化修飾による神経保護機構の解明です。冬眠機構の実験は、脳低温(低体温)療法など薬物による新たな体温制御の確立を、虚血再灌流実験は、脳卒中後の高次脳機能障害の抑制方法の確立を目指しています。研究室のモットーは「カニの横ばいよりもカメの前進」です。手間のかかる研究ですが、研究室全員で一歩一歩着実に前進していきたいと思っています。

お知らせ

  • 2021.03.27 日本薬学会第141年会(広島)にて6年生の田中優太君が「虚血性脳障害に対する低体温誘導SUMO化修飾によるマトリックスメタロプロテアーゼの活性抑制を介した血液脳関門の保護作用」を口頭発表する予定です!
  • 2021.03.27 日本薬学会第141年会(広島)にて5年生の原田涼平君が「遅発性神経細胞死に対するSUMO化修飾によるミトコンドリアの断片化の抑制を介した低体温誘導脳保護効果」を口頭発表する予定です!
  • 2021.03.08 第94回日本薬理学会年会(札幌)にて6年生の田中優太君が「虚血性脳障害におけるSUMO化修飾を介した血液脳関門の低体温誘導保護作用」を口頭発表する予定です!
  • 2020.06.19 「シリアンハムスターの体温調節における脳内硫化水素とその産生経路の役割」が、日本健康開発雑誌に掲載されました。
  • 2020.03.26 日本薬学会第140年会(京都)にて5年生の田中優太君が「低体温誘導脳保護効果における SUMO化修飾を介した血液脳関門の機能維持」を口頭発表する予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大のため年会は中止となり、Web要旨公開となりました。
  • 2020.02.10 5年生の田中優太君が第58回日本薬学会中国四国支部 学生発表奨励賞を受賞しました!
  • 2019.11.09 第58回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会(高松)にて5年生の田中優太君が「虚血再灌流誘発神経細胞死に対するタンパク質SUMO化修飾の役割―血液脳関門の機能維持の観点から―」を口頭発表しました。
  • 2019.08.24 温熱生理研究会2019(岡崎)にて渡邊准教授が「シリアンハムスターの脳内で産生される硫化水素の体温に及ぼす影響」を口頭発表しました。
  • 2019.07.21 第3回冬眠休眠研究会(神戸)にて渡邊准教授が「シリアンハムスターの体温制御における脳内産生硫化水素の役割」を口頭発表しました。
 

研究内容

1.ハムスターの冬眠を制御する中枢神経機構の解明

シリアン・ハムスター(ゴールデン・ハムスター)は寒冷環境下では冬眠することが知られています。冬眠時のハムスターは体温が6℃まで低下し呼吸も1分間に1回程度まで減少しますが、その後自力で37℃に復温させることができます。本研究室では、この劇的な機能変化を制御する中枢神経機構の解明を行い、脳低温(低体温)療法などのヒトの医療に応用していきたいと考えています。

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2.虚血再灌流障害に対する脳保護方法の確立

脳梗塞では、虚血によるダメージに加え、血流再開によるダメージ(再灌流障害)によって脳機能が著しく低下します。それゆえ、年間6万人近い方が亡くなっており(2019年人口動態統計の概況)、助かっても重い後遺症がしばしば残ってしまいます。そこで本研究室では、自然の虚血耐性モデルとして位置づけられている冬眠ハムスターの脳内タンパク質の機能解析をもとに、虚血再灌流障害に対する新たな脳保護方法の確立を目指しています。

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研究業績
(Researchmapの研究者情報)

 

スタッフ
(教員紹介)

写真をクリックすると、「教員紹介」ページが表示されます。
田村豊教授
渡邊正知准教授
門田麻由子助手