学部・学科・大学院

薬学科

片山 博和(かたやま ひろかず)

職 名 教授
学 位 医学博士
専門分野 薬剤学
担当科目 剤形をつくる、医薬品情報、DDS、コミュニティーファーマシー、医薬品開発2など
メッセージ 「薬剤学」は、「くすりの投与に関する幅広い学問」です。例えば、薬を投与した後、薬の血液中濃度を測ることによって、薬がどの程度有効に働くかを調べます。また、2つ以上の薬を一緒に投与した時の相互作用についても研究します。さらに、吸収の悪い薬を使用できるようにするための工夫にも取り組みます。

肺からの薬物吸収

現在、肺から吸入させて使う全身作用の薬としては、糖尿病のインスリンが海外で臨床使用されています。肺からの薬物吸収は、注射よりは患者さんにとって負担が少ないので検討されていますが、インスリン以外では実現していません。我々は、基礎的検討として、薬物の経肺吸収の機構や吸収促進剤の開発に取り組んでいます。摘出肺還流実験は、他の臓器の影響を除いて肺から吸収についてだけ調べることができるという利点があります。薬と一緒に吸収促進効果のありそうなものを投与し、吸収が増えるかどうか検討しています。

ラット摘出肺還流実験装置

放出制御型錠剤の作成

錠剤から薬物放出を制御することにより、患者さんの負担を減らせたり、飲み忘れを少なくできると言われています。我々は、天然の高分子、例えばトウモロコシのタンパク質や多糖類などの天然素材を用いて、安全・安価で、作成が簡単な1日1〜2回投与型の錠剤の作成に取り組んでいます。錠剤の重さ、薬物の比率、天然素材の組み合わせなどを変えて、錠剤を作成し、6時間から8時間くらいの間に一定速度ですべての薬を溶出する錠剤の作成に取り組んでいます。作成した錠剤の評価は、主に錠剤の硬度測定と溶出試験により行っています。

錠剤の溶出試験