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薬学科

井上 裕文(いのうえ ひろふみ)

職 名 教授
学 位 博士(薬学)
専門分野 分析化学
担当科目 分析化学Ⅰ、薬局方概論、薬学入門Ⅰ・Ⅱ、コミュニケーション交流学習 など
メッセージ 生体機能を調節している神経伝達物質やホルモンなどの生体成分を測定することは、体の状態を知るために必要不可欠な技術のひとつです。どんな生体成分が、どこに、どのくらいあるのかを知ることは病態の解明や疾患の診断などに役立ちます。そのため、私たちは極微量の生体成分を正確にとらえる方法の開発に取り組んでいます。

 研究者情報 

Fukuyama Univ Ver. researchmap

pg(1×10-12g)/mLオーダーで存在する生体成分を検出する!

生体成分の分析化学では、試料中に極微量しか存在しない成分をより少ない量の試料を用いて高感度に分析することが要求されます。極微量の目的成分を検出する高感度検出法として蛍光光度測定法があります。発光現象の一つである蛍光を利用したこの測定法では、目的成分を化学反応により強い蛍光を発する化学構造をもった蛍光誘導体に導くことにより、極微量成分の高感度分析が可能となります。そこで、目的成分を強い蛍光を発する誘導体に導く試薬の開発を行い、pg/mLオーダーで存在する生体成分の測定法へ応用しています。

蛍光物質の溶液に紫外線を当てると・・・ (左:蛍光物質あり、右:蛍光物質なし)

目的の生体成分を素早く分離して効率よく測定する!

生体成分の測定を病態の解明や疾患の診断に役立てるためには、高感度に検出するだけでなく、正確かつ効率よく測定することが必要となります。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は多種多様な成分を素早く分離して精度よく分析できる分析法であり、特に、蛍光光度法との組み合わせであるHPLC-蛍光検出法は多成分を同時かつ高感度に測定するための有用な方法となっています。HPLC-蛍光検出法を利用して、アミノ酸、ペプチド、ホルモン、医薬品などを高感度で精度よく分析できる方法を開発し、病態の解明や疾患の診断の指標となる新たなマーカーを見つける研究につなげています。

HPLC装置