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薬学科
秦 季之(はた としゆき)
職 名 | 教授 |
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学 位 | 博士(薬学) |
専門分野 | 物理化学 |
担当科目 | 物理へのファーストステップ、物質のエネルギー、物質の構造I、物質の変化 |
メッセージ | 物理化学は、物質が関係する諸問題に対し、熱力学、統計力学、量子化学を用いて、分子のレベルから解明する分野です。実験方法としては、分子軌道法、分子動力学法、ドッキングシミュレーションなどのコンピュータを用いた分子シミュレーションを行い、化学反応や酵素反応などの分子レベルの解明に挑戦しています。 |
くすりを探す
高齢化が進むにつれ、「高齢者うつ」や「パーキンソン病」の患者が増加することが懸念されます。これらの疾患に共通しているのは、脳内での神経伝達物質の濃度の低下です。これら神経伝達物質の働きを抑えるモノアミン酸化酵素の働きを阻害すると、うつ病やパーキンソン病の治療薬になる可能性があります。そこで、ドッキングシミュレーションにより酵素の本体であるタンパク質と薬の候補の分子とを理論的に結合させ、その強さを予測することにより、薬となる分子を探しています。
モノアミン酸化酵素
タンパク質の動きを調べる
トランスフェリンは鉄イオンと結合し、その貯蔵や輸送を担っています。温度を変化させると、トランスフェリンの鉄が結合する部分には2つの異なった構造が存在し、それらの間で構造変化が行われていることが示唆されました。しかしながら、詳細な様子は不明でした。そこで、分子軌道法によって対応する2つの構造を予測したところ、トランスフェリンの124番目のアルギニン残基の動きと、観測された構造変化が密接に関係していることが分かりました。
トランスフェリン