【薬学部】喜界島における遺伝子調査を用いた疾病予防に対する教育・啓発活動!
こんにちは。 学長室ブログスタッフ、薬学部の “ M ” です。
鹿児島県離島振興協議会の平成27年度アイランドキャンパス事業(http://www.shima-supporter.com/island_campus/)として、薬学部の病態生理・ゲノム機能学研究室の道原明宏准教授の企画プロジェクトが採択され、鹿児島県の喜界島(きかいじま)で各人の疾病に関わる遺伝子のタイプの違い(遺伝子多型という)とその予防方法に関する教育・啓発活動が行われました。
鹿児島県奄美大島の東に位置する離島 “ 喜界島 ”
その活動の様子を、道原准教授にレポートしていただきます!
○アイランドキャンパス事業について
鹿児島県離島振興協議会が行っているアイランドキャンパス事業に、病態生理・ゲノム機能学研究室の事業内容「遺伝子調査を用いた疾病予防に対する教育・啓発活動」が採択され、この度、喜界中学校へ学生1名と共に行かせていただくことになりました。
道原准教授による喜界島での講義風景
アイランドキャンパス事業では、鹿児島県の離島を大学生の学外活動の場として提供すると共に、住民が参加する公開講座の開催支援等を行っています。 よって、滞在期間中は教員による遺伝子調査、教育・啓発活動だけでなく、学部生の立案・企画による模擬講義や実習等も行ってまいりました。
学部生による全校生徒を対象にした講義風景
○遺伝子調査を用いた疾病予防に対する教育・啓発活動
今回我々は疾病予防に重点を置いた教育・啓発活動の一貫として、喜界島の疾病傾向(脳内出血)と中学生の遺伝子群(血清コレステロールの低下に関与する遺伝子、アポリポタンパク質ApoE)の関連性を疫学的に調査すると共に、コレステロールが関与する疾病とそれらの予防・改善法について講義を行ってまいりました。 また、遺伝子多型を解析することにより、将来かかり易い病気が分かること、遺伝的素因が分かったとしても食生活の改善で予防できる疾病があることを説明いたしました。 さらに、疾病を防ぐために注意しておきたい健康診断の項目や食材等についても未来有る若者(中学生)へアドバイスしてまいりました。
○学部生の立案・企画による体験中継型実習
学部生の志摩亜季保さんが立案・企画した体験中継型実習において、中学生が体験できる実習は中学校の理科室(DNA抽出)で、体験できない実習部分(PCR-RFLP法によるDNA多型解析等)は研究室をフェイスタイムアプリでつなぎ、実際に使う機器を見てもらいながらDNA抽出以降の多型解析について学部生が分かりやすく説明しながら実習を行いました。 毛根を含む毛髪からのDNA抽出を実際に中学生自身に行ってもらい、視覚的にDNAを見ることができ大変驚いていました。
学部生の志摩亜季保さんが企画した実習の様子
参加者の中には将来理系の大学進学希望者もおり、積極的に学部生に質問をする中学生もいました。 また、大学の研究室にいる教員や大学生に対しても、最新の機器について積極的に質問していました。 フェイスタイムで大学の研究室と中学校の理科室を中継しながら実習(体験中継型実習)を行う新しい実習形態を体験したことは、中学生の理科(遺伝子)への興味・関心をもってもらう一助になったのではないかと考えています。
フェイスタイムで喜界島と福山大学をライブ中継!
是非、広島県の福山大学にもいらしてください!また、逢う日まで!
中学生とコミュニケーションを図りながら、分かりやすく説明している学部生の姿から、当初の目的(学部生のコミュニケーション能力向上を図ると共に、人に教える喜びを感じてもらうこと)は達成できたと考えています。
学長から一言:方法論的にも内容的にも、すばらしい実践ですねッ!!!刺激的です!!!ICTの進歩が「もはや離島とは呼ばせない!」になるように期待!!!