【薬学部】ふるさと実習
こんにちは。 学長室ブログスタッフ、薬学部 の 松岡 です。
平成27年度、薬学部5年次の 『 病院・保険薬局実務実習 』 が全国各地で行われています。
本実習は、これまでに大学で学んできた 『 医療人としての 知識・技能・態度 』 を医療の現場で実践するために、1期(5月~7月)、2期(9月~11月)、3期(1月~3月)のうち2つの期間、計5ヵ月間を病院と薬局で行ないます。 この5ヵ月の間に、現場の指導薬剤師とともに内服薬や注射剤の調剤、医薬品情報の提供、病棟での薬剤管理指導、服薬指導、在宅医療、チーム医療など、薬剤師が関わる多くのことを体験してきます。
福山大学の実務実習では、薬剤師会や病院薬剤師会と協力して、学生の希望を重視した 『 ふるさと実習 』 を推進しています。 本年度、県外では京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、島根県、山口県、高知県、福岡県、宮崎県、鹿児島県において、37名の学生が実習を行っています。 県内においても、広島市内、呉、庄原、世羅、三原、府中、尾道、福山などで、44名の学生が実習を行っています。 薬学6年制課程がはじまってからの 『 ふるさと実習 』 の受入れ状況の分布は、以下のグラフになります。 広島県に続いて、山口県、福岡県、岡山県、鳥取県、島根県、鹿児島県、高知県での実習が多いようです。
さて、『 ふるさと実習 』 において、私は、鳥取県の保険調剤薬局と病院薬局を担当しています。 今回は、保険調剤薬局での実習の様子をご紹介します。
私が薬局に訪問した際、実習生は患者へ薬の飲み方や副作用を伝える方法について練習をしていました。
指導薬剤師の先生を患者と見立ててのシミュレーション中でした。 実習生はこちらからの一方的な説明にならないように、患者の気持ちや説明に対する理解の状況などを意識しながら、薬の必要な情報を伝えることができるようにと練習をしていました。
また、他の保険調剤薬局では、一般用医薬品(医師の処方箋がなくても購入できる薬、OTC薬ともいわれる)について、指導薬剤師の先生と意見交換をしているところでした。 最近では、医療用医薬品(医師の診断と処方箋をもとに使用される薬)を使用する前に、一般用医薬品によって患者自らが自覚症状にあわせて治療をする「セルフメディケーション」という考え方が広がりつつあります。 その重要性について、議論していました。
さらに、近隣施設で実習中の学生たちが集まり、合同セミナーを開催しています。 鳥取合同セミナーの会場。
この合同セミナーは、学生間の情報共有を主目的として実習期間中に3回開催しています。 各学生の発表内容は、全体の実習内容の簡単な紹介に加えて、とくに印象に残った実習内容については薬学的観点からの自身の考察、意見をつけて発表します。 このたび鳥取会場では、指導薬剤師の先生方にも参加していただき、現場の視点から貴重なコメントをいただきました。
次の写真は、山口会場の様子。 地域によって規模は異なりますが、2名から10名程度の学生が集まり、合同セミナーを開催しています。
もちろん、本学近郊で実習中の学生もたくさんおり、本学の 『 医療薬学教育センター 』 に集まって合同セミナーを開催しています。(医療薬学教育センターは、6年制薬学過程に対応した最新の設備を備えた施設です。 計数・計量調剤、無菌製剤の調製、治療薬物モニタリング、医療コミュニケーション、フィジカルアセスメント、医薬品情報管理、CBT対策演習室、SGD研修室、図書館分館など、充実した医療薬学教育を行うための施設です。)
今春4月に、『 白衣授与式 』で送り出した学生達は、薬学的な観点から活発に議論できるまでに成長していました。 今後の更なる成長を期待します。
末筆ではございますが、実務実習および合同セミナーを通じて、学生たちの学びをサポートしてくださっている指導薬剤師や医療関係者の皆様には、こころよりお礼申し上げます。
学長から一言:本学薬学部自慢の「ふるさと実習」です。。。「地域の中核となる幅広い職業人の育成」という本学のミッションに沿って、地域創生が言われる前から取り組んでいます。。。それぞれの地域に出かけて指導する教員は大変。。。実は法人も旅費等の費用が。。。でも、労力や費用を超えて、すばらしい成果を学生達は生み出してくれています!!