薬学部

Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences

未来創造館インターナショナルトーク:ワン・ヘルスと植物共生菌の可能性

未来創造館インターナショナルトーク:ワン・ヘルスと植物共生菌の可能性

10月21日(月)未来創造館1Fディスプレーコーナーにおいて、第7回グリーンサイエンストークが開催されました。今回は、薬学部の前原昭次 准教授が「ワン・ヘルスのとは何か?」、そしてインドネシアから来日中のアンドリア・アグスタ教授が「植物と共生する菌類が感染治療にもつながる物質を産生する」というトークをしました。

 

ワン・ヘルスとは何か?:前原昭次 准教授

ワン・ヘルス、1つの健康とは何でしょうか?46億年という地球史の中で、ホモ・サピエンスが出現したのはたったの20万年程度前の出来事です。わたしたちが進化してきた過程の中で、自然環境とのかかわりがなければ生きていけない身体が作られてきました。動物、植物、微生物との間の関係性を、主に生物が産生する代謝産物の視点から明らかにすることで、私たちの身体と地球や生態系の健康との関係性をもっとはっきりとさせ、ヒトの健康をもっと大きな視点から理解しようというものです。現在、前原准教授が代表で進めている研究プロジェクトの導入部分の説明がありました。

植物と共生する菌類が生み出す重要な物質の話:アンドリア・アグスタ先生

次に、そのワン・ヘルスの中で重要な役割を担う生物の代謝産物に関するトークがありました。福山大学で学位を取得したインドネシア科学技術革新庁(Brin)のアンドリア・アグスタ教授が来日していたことで、インターナショナルトークが実現しました。植物と共生する微生物を取得しようとしたときに、教授曰く「自分の技術が至らなかったため」、多くの微生物のごちゃ混ぜであるコンタミネーションが生じたそうです。しかし、これをつぶさに観察していると、ある物質をよく産生する微生物を発見することができたそうです。そして、さらに詳しく調べてみると、黄色ブドウ球菌や結核菌の増殖を抑える物質であることを突き止めたというお話でした。失敗をポジティブにとらえたことをみつけた発見で、とても興味深いトークでした。

 

学長から一言:グリーンサイエンス研究センター主催のお昼休みのお楽しみ、サイエンストークの本年度第2回目が前回10月7日に続いて早くも開催されました。今回は「国際色」も加わりました。順調な展開をお慶び申し上げます。語り手は難しい研究内容を分かり易く、肩の凝らない話に変えての披露でしょう。この催しに関わるすべての方々のご尽力に敬意を表します。

 

福山大学 | 【グリーンサイエンス研究センター】インターナショナルトーク!

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