【☆学長短信☆】No.101『教師の好きな教授法と学生の好きな教授法』
ようやく日差しが春になってきました。キャンパスの梅がほころび、ウグイスの声も聞こえてきます。
さて、今年度の授業も終わりましたが、多くの教員の皆さんは、学生が授業でもっと積極的に考えたり、発言したり、活動したり、要するに主体的にアクティブであってほしい、さらにはそうあるべきだと思っているでしょう。 他方、学生は、教師が教えて、例題ならばまず教師が解いて、それから学生が類似の問題を解いて、それを教師がチェックしてポイントを教えてくれる、と言うような、教師主導の丁寧な授業がいいと思っている節があります。そうすると教師としては「あー、この受動的態度ではどうしようもない。これからの時代、それでは生きていけないよ」と嘆くことになります。でもそういう教員のあなたも、学生時代を思い出してみるとどうでしょう。とたんに歯切れが悪くなりますね。ということは、初心者は知識伝達型を好み、ある程度熟達者になると自発的探求型になるということでしょうか。
ある私立大学の学生250名あまりを対象に、こんな調査を行った研究があります。いろいろな授業のタイプを示し、半数の学生には、「学習者として積極的に受けたい授業に当てはまるか」と問うて5段階評定で回答するように指示し、残りの半数には「教師として積極的に行いたい授業に当てはまるか」5段階評定で回答するように指示しました。その結果、学習者としての学生が教師としての学生よりも好むのは、「教師が重要な内容を選定し、学習者に教えていく授業」「教師が『問い』を投げかけ、学習者がそれを受けて考える授業」「教師が『回答例』や『模範となる例』を示していく授業」ですが、教師としての学生は、「学習者が『問い』を立てて、自分でそれについて考える授業」「学習者が自由に探求していく
授業」「学習者が『回答』や『模範となるもの』を発見していく授業」を好むのです。
どうやら、教師がアクティブな学習を好むのは自分が熟達者としてアクティブな探求者であるからではなく、人は教える側になると(しばしば自分のことは棚に上げて)、教えられる側に主体的な働きを求めたり期待したりするようです。我々教員にとっては耳の痛い指摘ですが、教育の場では、学生を教えられる側に立たせ続けるのではなく、時に教える側にも立たせることが有効であることを、この研究結果は示唆しているでしょう 。
参考文献:金田茂裕著 「教授者の探求期待バイアス」 教育心理学研究,
2017年, 65巻, 3号, p.388-400.
学生の活躍です。
(1)学友会サッカー部の部員が、広島県サッカー協会や福山サッカー協会から、今年度のすばらしい活躍を表彰されました。おめでとうございます。
【広島県サッカー協会年間表彰(HiFA AWARDS 2018)】
鈴木輝隆(経済学科:4年生)
村上大弥(経済学科:4年生)
平山 諒(経済学科:3年生)
泉 勇也(経済学科:1年生)
【福山サッカー協会年間表彰(コメンシップ2018)】
中山 翔(経済学科:4年生)
鈴木輝隆(経済学科:4年生)
村上大弥(経済学科:4年生)
平山 諒(経済学科:3年生)
泉 勇也(経済学科:1年生)
なお、福山サッカー協会からは、年間優秀チームとしてもサッカー部が表彰されています。
(2)第56回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会・中国四国支部学術大会において、優れた研究成果を発表した学生に贈られる「学生発表奨励賞」の受賞者が決定し、福山大学薬学部から次の4名の学生が選ばれました。おめでとうございます。
湯澤 桃圭 (4年生)
田口 絵梨 (4年生)
高木 祐加莉 (4年生)
内野 結花 (5年生)
詳細は学長室ブログで。
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2018/02/56.html
(3)府中市の府中商工会議所で「ドローンを使ったビジネスアイデアコンテスト」が開催され、海中探査学生プロジェクトに参加している下記の機械システム工学科6人のグループが審査員特別賞を受賞しました。おめでとうございます。
池内 翔馬(3年生)
大森 雅之(2年生)
北池 直樹(2年生)
坂本 直史(2年生)
早瀬 知輝(2年生)
伊田 尚平(1年生)
詳細は学長室ブログで。
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2018/02/blog-post_28.html
教員の活躍です。
(4)工学部情報工学科の池岡宏講師が、タイで開催されたIWAIT2018(International Workshop on Advanced Image Technology:先端画像技術に関する国際ワークショップ)で、ベストペーパー賞を受賞しました。おめでとうございます。
詳細は学長室ブログで。
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2018/02/iwait2018.html
福山大学の活躍の紹介です。
(5)平成30年2月7日の教育学術新聞(日本私立大学協会機関誌)の連載「地域共創の現場(24)地域の力を結集する」に、福山大学が登場しました。記者によるインタビュー記事です。記事の全文はこちら。
http://www.fukuyama-u.ac.jp/info/entry-4803.html
「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。
「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。
学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。