【☆学長短信☆】No.100『宮沢賢治を読む-童話と詩と書簡とメモと-』
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」、寒さにも負けず書き続け、学長短信がNo.100になりました。
その「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」でおなじみの宮沢賢治の研究では、人間文化学科の青木美保教授(ペンネーム:秋枝美保)は、日本を代表する一人ですが、彼女が最近『宮沢賢治を読む-童話と詩と書簡とメモと-』を上梓しました。
ところで本学の共通教育科目には、研究者である教員が自らの研究を、専門に入る前の学生にわかりやすく語り、より深い専門領域にいざなうという趣旨で設定された「いざない科目群」があるのをご存じですか。青木教授はこのいざない科目群の一つである「文学との出会い」のために本書の原稿を用意し、その授業によってさらに原稿を肉付けすることによって、本書は出来上がっています。「今宮沢賢治を語り、今まさに生きづらさを感じながら日々を送っている人たちに、賢治が残したことを伝えたいと、切に願います」との書き出しで始まる本書は、SNSでたくさんの人とつながっておりながら、人間関係に悩み、ともすれば自分を見失いそうになる学生達への、優しいまなざしに満ちています。
たとえば、賢治が独自の世界観を築き、社会的に自立していくまでの過程をたどり、賢治の世界観の意義を明らかにしようとした第2章では、授業で毎時間提出してもらった学生のコメントを引用しています。次の授業でそれに答えることで、読解を展開しているのです。
本書は、福山大学の「人間関係をつくりながら学ぶ目標設定型教育システム」の一つの見事な成果と言えるでしょう。
青木教授にその授業の感想を聴いてみました。「全学部の学生120名弱が受講しており、私語もほとんどなく極めて熱心に聞いています。『文学』というものの存在意義はまだあると実感できる授業です。」
参考図書:秋枝美保著『宮沢賢治を読む-童話と詩と書簡とメモと-』
朝文社 2017年10月刊(2018.1.21中国新聞の「郷土の本」欄にも紹介されました)
今回も国際交流関係の事業の採択です。
(1)日本学生支援機構(JASSO)に申請していた平成30年度双方向海外協定留学プログラム「日本とブルガリを繋ぐ懸け橋となる双方向学生交流プログラム」が採択となりました。昨年暮れに、平成29年度プログラムが追加採択(学長短信No.99に記載)されたのに続いての採択です。これでまた来年度もJASSOの支援のもとでのブルガリアへの学生派遣とブルガリアからの学生受入が実施できます。
採択校はこちら。
http://www.jasso.go.jp/ryugaku/tantosha/study_a/short_term_h/__icsFiles/afieldfile/2018/01/05/program_a_type_30sohoko.pdf
「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。
「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。
学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。