元サッカー部員による不祥事に対する大学としての対応
2024(令和6)年2月28日
福山大学 学長 大塚 豊
今般、本学の学生が起こした不祥事に対して、大学が採って来た対応について説明します。
大麻所持の容疑で第一逮捕者が出た直後、事柄の深刻さに鑑み、学友会サッカー部として活動を当面自粛し、天皇杯予選への出場を辞退したい旨の部からの申し出を受け、これを承認しました。併せて、部員全員に対して、部長、監督、コーチが部員各人と個別面談を行い、関連の事実や情報の有無について問い合わせることを認めました。但し、捜査機関ではない大学としては、あくまで確認や情報の共有、さらには学生の動揺や不安を取り除くことを目的とするものです。この際には疑わしい発言をした学生は皆無でした。にもかかわらず、その後、第二逮捕者が現れ、さらに暫くして第三、第四の逮捕者が現れました。この間、本学は警察による捜査に最大限の協力を行い、事件の早期、全面的な解明に務めました。
本件はサッカー部の活動と直接関係のある時間帯や大学管理下にある寮やクラブハウスで起こったことではないにしても、学生の指導・管理の観点から見逃すことができない事案として、部長・監督・コーチに対して、学長より厳重注意を行いました。また、サッカー部をはじめ他のクラブ所属の部員等に対しては、第一逮捕者が出た直後から、長年にわたり薬物乱用防止のために学内外での啓発・指導講演を含めた活動を展開してきた薬学部教授による全員対象の研修を計画し実施しました。4回にわたる同研修は、通り一遍の講話などではなく、学生による少人数討論やロールプレイを含み、薬物使用の恐ろしさを認識させるのに十分効果的な内容としました。
問題を起こした4名の処分について、部からの除名をサッカー部として決定したことを大学として認めるとともに、問題との関わりの度合いに応じた以下の処置を講じました。
第一および第二逮捕者については、規程ならびに本人と保証人からの退学の申し出に基づき必要な措置を講じました。第三、第四の逮捕者については、本件との関わりが周縁的なものに留まることから、本学の学生懲戒規程に則るとともに、他大学のケースも参照した上で、教育的指導のために必要な処分を行いました。この処分中にも、それぞれのクラス担任による継続的な指導はもとより、本学心理学科教授で長らく少年院等の矯正施設の管理職を務めた専門家により、法務省監修の更正のためのプログラムを活用し、比較的長期にわたる支援活動を展開しています。
以上のとおり、学生が起こしたことは誠に遺憾で、慚愧に堪えないものの、直後より、考え得る最も妥当な方法を以て今回の事案に対処しております。今後とも対面および遠隔の方法を通じて、また、新入生オリエンテーションにおいても研修を実施し、定期的に全学生を対象に薬物乱用の抑止に努めて参ります。