【☆学長短信☆】No.118学生の皆さん! 海外に目と足をもっと向けましょう!
学校法人福山大学の設立以前から設立に関与されて本学の発展に多大な貢献をされてきた清水厚實先生が、4月30日に亡くなられました。私が学長になった頃は副理事長、まもなく理事長、さらに総長として、いつもいつもご指導いただき、助けていただきました。先生の「どの子も育つ、育て方ひとつで」のお言葉を、全学教授会でもよく拝聴し、教育改革の道しるべとしてきました。
今回の学長短信は、冨士副学長から、学生への国際交流の勧めです。清水先生のご指導により、国際交流も盛んになり、ここでも学生がしっかり育っています。ありがとうございました。
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昨年11月の中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグラウンドデザイン」では、グローバル化を「社会・経済・科学技術等の在り方が地球規模で連動する、広範で構造的な変容であり社会の標準化に進む動き」と捉えるとともに、「ローカル化による多様性が加味されて、バランスの良い標準化と多様化が進むことが期待される」としています。これは本学がミッションとする未来創造人の育成と共通する考えともいえるでしょう。未来創造人には、地域から国際社会につながる人材として、グローバル化に対応できる汎用的な能力も期待されており、その能力の習得には、学生時代に海外での学修体験等を持つことが効果的な方法の一つと考えられます。本学には交換留学、短期語学留学、学部が主催する海外研修プログラム等、学生の海外学修体験を支援するプログラムが多く用意されていますので、特徴的なものをいくつか紹介しましょう(詳細は「2019年度海外留学の手引き」)。
カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)は、1990年に本学が初めて協定を結んだ海外大学であり、ここではホームステイをしながら充実した英語学習プログラムを受けることができます。本年度からは未来奨学制度(FUTURES)も始まり、一定以上の英語能力を持ち本学が推薦する学生は授業料が免除されます。来年度の留学に向け今から英語力を磨けば十分間に合うでしょう。
協定を結んでいる中国(15校)、ブルガリア(2校)、ベトナム(1校)、メキシコ(1校)の大学とは、半年から1年の授業料免除の交換留学が可能です。とりわけブルガリの大学との交換留学制度は充実しており、トップクラスの大学であるソフィア大学及びヴェルコタルノヴォ大学で、世界各国からの学生たちとともに学ぶ機会が奨学金付きで提供されています。両大学には通常の協定枠に加え、EUから旅費・生活費等が支給されるエラスムス・プラス・プログラム留学や毎月の生活費が支給される日本学生支援機構(JASSO)奨学金支給留学プログラムにも採択されていることもあって、2013年以来累計19人の本学学生が留学しています。
中国語力を強化するとともに中国文化を理解したい学生は、中国協定大学への語学留学や交換留学が可能ですが、さらに協定大学に編入学し必要単位を取得すれば本学と協定大学両方の学士号を取得できるプログラム(ダブルディグリー・プログラム)もあり、卒業後に“中国に強い人材”としての活躍を目指す学生には絶好です。また、学校法人福山大学と中国の対外経済貿易大学・上海師範大学が共同で設立した福山大学孔子学院を利用し、中国語能力の一層のブラッシュアップや奨学金付きの中国研修参加も可能です。
一方、経済学部国際経済学科のトップ10プログラム、人間文化学部の淡江大学交流研修、生命工学部のラオス福山大学醸造研修所での研修等、学部単位でもそれぞれの目的に応じた海外研修の機会が設けられています。
こうした本学の国際交流活動は学外からも高く評価されており、JASSO・福山市の「トビタテ留学!JAPAN」、広島県の「グローバル人材育成」、科学技術振興機構(JST)の「さくらサイエンス」などの公的機関の公募プログラムにもたびたび採択され、多数の学生が国際交流の機会を得ています。
以上のような留学等々に参加した学生の多くは、見違えるほどの成長を遂げています。以下にいくつかの声を紹介しましょう。
l 最初は本当に大変だったが、努力をして得た達成感が自信になった。
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日本企業の海外事業の現場を学ばせてもらい、自分には別世界と思っていた海外業務に挑戦してみたくなった。
l 他国の学生たちの真剣に学ぶ姿に刺激され、自分も負けられないと思った。
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世界には多様な価値観があるが、信頼、思いやり等根幹部分は同じであり、異文化の多様性を認め合うことが大切だと感じた。
亡くなられた総長の言葉「どの子も育つ、育て方ひとつで!」を目の当たりにする思いです。
しかし、実際にこのような体験をする学生はまだまだ少ないのが実情です。想像してみてください。身近にいる学生が外国で困難を自力で乗り越え、自信をつけて新たに成長する姿を、海外の若者や未知の文化に触れて目を輝かせる姿を、そして新たな可能性を広げていく希望に満ちた姿を。そのカギを握っているのは私たち教職員かもしれません。海外体験を身近な可能性として認識しないまま一歩が踏み出せないために、二度と来ない学生時代の成長チャンスを失うことのないよう、学生に周知を図るとともに教職員からの後押しをお願いしたいと思います。
参考文献等
l 「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」(2018年11月中教審答申)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1411360.htm
l 学生の海外体験報告(学長室ブログ)の例
ソフィア大学への交換留学
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/8901/
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/10604/
河北大学への交換留学
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/11842/
トビタテ留学JAPANでの留学
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/9984/
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/8399/
国際経済学科のトップ10カリキュラムでの留学
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/12610/
留学生の活躍です。
国際経済学科4年の留学生、薛方瀚さんが「ロータリー米山記念奨学会」の奨学生に採用されました。おめでとうございます。
詳細は学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/13615/
公益財団法人ロータリー米山記念奨学会についてはこちら。
http://www.rotary-yoneyama.or.jp/