2020年度 スマートシステム学科2コース新設
2020年4月、スマートシステム学科(※1)はSociety5.0(※2)及びそれの目指す超スマート社会で活躍する技術者を輩出するため新たに電気⼯学コースと電⼦システムコースの2コース制を実施し、全体の俯瞰と専門分野での技能発揮を両立する社会人を育成します。(下のコースのバナーをクリックするとコース紹介欄に移動します)
コースイメージ
取得可能な資格
所定の単位取得で卒業後に実務経験後に取得できる資格
電気主任技術者(予定)(※3)
所定の単位取得で卒業時に申請できる資格
工事担任者(科目免除)、第一級陸上特殊無線技士(予定)(※4)、第二級海上特殊無線技士(予定)(※4)、教育職員免許(工業)
取得を支援しているその他の資格や検定試験
電気工事士、電気通信主任技術者、IPAエンベデッドシステムスペシャリスト、ETEC(JASA組込みソフトウェア技術者試験)、防災士など
コース紹介
電気工学コース
学びの内容
電気工学コースでの学びは、地域におけるいて電力系統、電気機械を中心とした産業に貢献する電気技術者となることを目指します。この分野では高度な安全が求められるため電気主任技術者の資格が必須であるにもかかわらず、その技術者は今後不足することが予想されています。これに加えて地域電気業界でも今後のトレンドとして注目しているスマートグリッド等の次世代電気技術が注目されており、これらを支える電気・電子システムの知識・技術を持った社会人が求められています。
電気工学コースでは、スマートシステムの基礎技術に加え、電気主任技術者に求められる発電、配電関連及び材料関連の4科目を強化したカリキュラムで電気主任技術者を目指します。
コースの特徴
1.電気主任技術者試験合格を目指したカリキュラム
スマートシステム学科ではその前身である電子・電気工学科から綿々と継続する電気主任技術者試験合格を目指すサポート体制があります。これを発展させ、発電、配電関連及び材料関連の4科目を強化したカリキュラムとしました。
2.ICT教育と実験・実習による多角的なスマート教育
電気主任技術者は実務能力が求められます。電気工学コースでは基礎理論と実際を結びつける従来からの実験・実習に加え、ICT教育やアクティブラーニングにより向学心と共に多方面からの考察のできる能力獲得を目指します。
3.電気設備と社会と倫理
電気主任技術者は電気設備に関して様々な責任も担います。スマートシステム学科では、技術者倫理やマネージメントなど中核技術者が持つべきバランスの取れた素養と倫理観を身に着けます。
目指す進路
電気設備業、設備管理業、電気・電子機器製造業、電気工事業、公務員、教員、大学院進学、など
電子システムコース
学びの内容
電気工学コースでの学びは、地域における電力系統、電気機械を中心とした産業に貢献する電気技術者となることを目指します。次世代の超スマート社会では多くの電子システムが通信技術を介して結びつき、AIを用いた知能化システムが社会と産業界に普及します。このような技術は高度自動化技術として次世代電気を支える要素であり、これらを支える電気工学の知識・技術を持った社会人が求められます。
電子システムコースでは、スマートシステムの基礎技術に加え、本学科で認定資格となっている無線従事者に関わる科目を主としたカリキュラムで無線従事者を目指します。
コースの特徴
1.シミュレーションを用いた仮想空間でのものづくり
複雑なシステムを簡単に作り出すことは難しい。しかし要素に分解し、モデルを作成し、計算機内で再現しシミュレーションを繰り返すことで仮想空間で最適なシステムを作ることができます。電⼦システムコースでは良いモデルを作る方法、シミュレーションの方法、仮想空間での産物を実際のシステムとして作る方法を学びます。
2.電子・通信・機械・情報の各領域を横断するエンジニア
電子システムコースではロボットやIoTに対応するため、電子・通信技術をコアに、機械工学や情報処理技術のエッセンスを学びます。身につけたり長期間データを送るスマートシステムではデータ転送の他に省エネ技術も重要であり、身近なところから少しずつエネルギーを獲得するエネルギーハーベスティングも扱います。また、V字プロセスやUMLなど体系だったシステム開発手法も身に着けます。
3.モノづくりの心とラピッドプロトタイピング
シミュレーションに基づいた確かなモノづくりと同時に、まずは作ってみること、作ることへの抵抗感がないことも大事です。このコースでは電子回路や機械部品について、手加工・機械加工だけでなく、3DプリンタやNC加工機などを用いたラピッドマニュファクチャリングについても実習します。
目指す進路
移動通信サービス会社(携帯電話の基地局や中継局を運営する業者)、組込みシステムエンジニア、システムインテグレータ、電気・電子機器製造業、半導体設計製造業、通信工事業、IT産業、機械製造業、公務員、教員、大学院進学、など
用語の説明
(※1)スマートシステム
物理・化学的な量をセンサで電気信号に変換し、知能・判断器により所望の結果を得るためのシステムのことです。IoTやロボットもスマートシステムの一種であり、スマートシステム同士が結合してできる巨大システム(スマートグリッド、スマートシティなど)もまたスマートシステムです。通信技術やエネルギー管理、開発手法やリスクマネージメントなどのマネージメント技術などもスマートシステムを構成する技術です。
(※2)Society5.0
IoT(Internet of Things)、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータ等の新たな技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れてイノベーションを創出し、一人一人のニーズに合わせる形で社会的課題を解決する新たな社会を「Society 5.0(ソサエテイ 5.0)」と名付けられています。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会のことです。
参考:Society 5.0 – 科学技術政策 – 内閣府(https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html)
(※3)電気主任技術者
電気主任技術者になれば、発電所や変電所、それに工場、ビルなどの受電設備や配線など、電気設備の保安監督という仕事に従事することができます。電気主任技術者は社会的評価が高い資格と言えます。電気設備を設けている事業主は、工事・保守や運用などの保安の監督者として、電気主任技術者を選任しなければならないことが法令で義務づけられています。
参考:一般財団法人電気技術者試験センター(https://www.shiken.or.jp/chief.html)
(※4)第一級陸上特殊無線技士、第二級海上特殊無線技士
電気通信業務用、公共業務用等の多重無線設備の固定局、基地局等の技術的操作。レーダー及び人工衛星の電波を取り扱うことができます。
参考:電波法施行令(https://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/72aa2604001.html)