【☆学長短信☆】No.115新しい時代を創る気概を持って!
3月20日、今日は、卒業式でした。卒業していく若者に希望を託して、次のような式辞を述べました。
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皆さん、ご卒業おめでとうございます。はからずも皆さんは、平成最後の年の卒業生・修了生として、また、まだ名称は分かりませんが、新たな元号の年の初の社会人として巣立つことになりました。
さて皆さんは、在学中にはたくさんのことを学び、経験し、多くの人間関係を築かれたことと思います。それらを糧として、社会に出た皆さんが大きく花開かれることを、こころから期待しています。そしてご臨席いただいておりますご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。ご家族の皆様の長きにわたる物心両面でのご支援に、教職員一同、こころから感謝申し上げるとともに、こうして若さと知力にあふれる若者約700人を新たに世に送り出すことができることを、こころから喜び誇りに思います。
卒業生・修了生の皆さんは、在学中には勉学を続け、本日卒業式を迎えることが出来たわけですが、それを誇りに思うと同時に、今日までの皆さんの勉学や生活を支えてくださった家族や仲間、そして社会の人々に感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。昨年の夏には西日本豪雨により多くの方が亡くなられ、家屋や道路・鉄道などの被害も甚大でしたが、そうした中でも皆さんは勉学を続け、こうして無事卒業を迎えることが出来たのです。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りすると共に、これからは皆さんが社会に出て、社会を支える側になることをしっかり自覚しましょう。1975年に開学した福山大学は、皆さんを含めてこれまでに、約36,000人の卒業生を送り出してきました。卒業生は、備後地域を中心に全国の様々な地域で、リーダーや中核となって社会を担っており、そこに皆さんも仲間入りするのです。卒業生は本学の宝であると同時に、社会は皆さんに大きな大きな期待を寄せています。
さて、その社会は、現在、なかなか難しい問題をたくさん抱えています。国際的に見れば、民主主義の根底にあるべき寛容の精神が失われつつあるのではないかと危惧され、あちこちで国と国、地域と地域の欲望がぶつかり合い、人々の分断が起こっています。また、幾何級数的に進歩するコンピュータ技術も、人々に多様で多大な恩恵をもたらす一方で、将来の人間の仕事のありようへの不安も生み出し、さらにコンピュータウイルスやサイバーテロといった新たなそして強大な脅威を、人工的にもたらしてもいます。このグローバル社会においては、これらと無関係に日本の国が成り立つことも、私たち一人ひとりが社会人として生活することも不可能です。
そして、さらに我が国は、少子超高齢化、人口減少の下でどのような持続可能な社会をどのように作っていくのかという、これまで経験したことのない、外国にも解決のモデルのない、新しいタイプの難問を突きつけられています。これから10年の間にも、生産年齢人口の減少と人工知能AIの発達により、働く環境や働き方、そしてそれらにまつわる解決すべき諸問題は増大かつ激変することが予想されます。
皆さんがこれから支え作っていく社会は、このようになかなか先の見通しのつきにくいものであり、また困難の予想されるものではありますが、それだけに皆さんが大学時代に学んで身につけた知識、技能、態度、それらを総合して発揮する人間力への期待も大きいのです。時代に流されるのではなく、ぜひ時代を創っていただきたいと思います。
広く大学教育の成果として、今皆さんが手にしている様々な能力と態度に支えられた自信と希望を心の糧として、社会に出てもそれぞれの場所で核となる人材となり、向かってくる困難に打ち勝って、その地域を支え、そこから世界に発信し、ローカルにもグローバルにも、活躍していただければと、心から期待しています。
では皆さんのこれからのご活躍を願って、もう一度、「ご卒業おめでとうございます」と述べ、式辞を終わりとします。
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学校法人福山大学から
(1)3月12日、福山大学未来創造館新築工事その他工事の地鎮祭が、備後一宮吉備津神社のご神職をお迎えして執り行われました。2019年4月着工、2020年12月竣工予定です。素晴らしい学舎が出現することでしょう。工事の安全にご協力ください。
地鎮祭の詳細は、学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/12315/
学生の活躍です。
(2)「外国人留学生を支援する会/ふくやま国際交流会」主催の第27回日本語スピーチコンテストにおいて、イヴァノヴァ・クリスティーナさん(人間文化学部、ソフィア大学)と徐少聡くん(経済学部2年、江西師範大学出身)がそろって優秀賞(第2位)を受賞しました。おめでとうございます。詳細は、学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/12349/
学長室の活躍です。
(3)日本私立学校振興・共済事業団主催の平成30年度私立大学等改革フォーラムにおいて、私立大学研究ブランディング事業選定校として、松浦史登副学長が「全学展開する地域連携重視のブランディング戦略」の講演を二度行いました(3月1日は大阪ガーデンパレス、3月8日は上智大学)。
詳細は、学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/12155/
教育学術新聞(平成31年3月13日付け)にも関連の記事が載りました。