【海洋生物科学科】マリンバイオセンター水族館にて恒例の干支展示を開催中!! ~タツ年ヘビ年ゆく年くる年~
あけましておめでとうございます! 今年も福山大学マリンバイオセンター水族館をよろしくお願いします。さて、美味しいおせち料理を食べたり、初詣に参られたりと、お正月の過ごし方は様々でしょうが、皆さまはどのように過ごされましたか? マリンバイオセンター水族館では、お正月特別水槽を設置しましたので、展示担当の海洋生物科学科4年生アクアリウム科学研究室の岩佐がお知らせします。(投稿は同学科FUKUDAI Mag.メンバーの阪本)
今年もやってきた!! 干支展示
因島キャンパスにあるマリンバイオセンター水族館では、アクアリウム科学研究室の4年生が企画・製作した特別展示を定期的に開催しています。今回私たちが企画した干支展示水槽のテーマは、2024年から2025年、辰年から巳年へとバトンタッチする「タツ年へビ年ゆく年くる年」にしました。
「辰」と「巳」を連想するような生き物たちを、水槽展示しています! とくに水槽のレイアウトにこだわり、“絵馬掛けや門松をイメージした展示物”と“生きものたち”のバランスがとれた姿は必見です。
タツ年水槽
この水槽では、サンゴタツを展示しています。タツノオトシゴ属の中では比較的小型で、因島沿岸域にも生息しています。タツノオトシゴの仲間は体が固い骨盤で覆われており、海藻などに尾部を巻き付けてプランクトンなどの餌を待ち伏せして食べます。
自然界では、港の船を係留するロープに尾を巻きつけていることもあり、人間とうまく共存していることが分かります。今回の展示では、絵馬掛けにちょうど良い太さのロープを使っているため、そのような行動を水槽内で観察することができます。展示中のサンゴタツは、繁殖研究のために因島周辺の海で自分たちが採集したものです。また、レイアウトの絵馬掛けは塩ビパイプやプラダンを用いてすべて手作りしており、とくに屋根の質感にこだわりました。展示の前日まで卒論発表会があったため、前夜ギリギリの完成となりましたが、良いものが作れてとてもホッとしています。
ヘビ年水槽
巳年は、実を結ぶ年や復活と再生、成長や改革の年などの様々な意味が込められていますが、水槽内には名前に「蛇」がつく海の生き物を紹介しています。
オオヘビガイ
サザエやクロアワビなどと同じ巻貝の仲間で、ヘビを連想させるような管状の殻が特徴的です。潮間帯に生息しており、潮が満ちて海水に浸かると、分泌した粘液を蜘蛛の巣のように水中に漂わせ、絡まった餌を食べます。運が良ければ、食事している姿を水槽内で見られるかもしれませんね。
展示しているオオヘビガイは、サンゴタツと同じく私たちがキャンパス前の海岸で採集しました。真冬の海はとっっっっても冷たく一苦労しましたが、浜辺の貝殻を集めたり、エイの骨格を発見したりと楽しみながら採集でき、楽しかったです。
ジャノメアメフラシ
「ジャノメ(蛇の目)」と名がつくように、模様が特徴的なアメフラシです。蛇の目模様は、幸運や魔除けなど縁起の良い模様とされているため、建物や家具、家紋などにも使われます。ぜひ水族館で、ジャノメアメフラシの姿を目に収め、今年も良い年になるようお祈りしましょう。
ワークショップ「水族館でしめ縄を作ろう!」を開催しました
干支展示を開始した2024年12月26日(木)には、中学生以下の子どもを対象に手のひらサイズの“ミニしめ縄作り体験”を行いました。一年の締めくくりに「水族館にご来館される皆さんと一緒に、何か交流を…」との思いから、年神様をまつるのにふさわしい神聖な場所を示す役割がある「しめ縄」作りを企画しました。
子どもたちは学生スタッフに教えてもらいながら、ご家族と一緒にしめ縄作りを体験しました。マダイやタコをモチーフにした飾りも「かわいい!」と言いながら、しめ縄に飾り付けていました。
生き物には不思議な生態を持つものがとても多く、毎日触れ合っている私たちでさえ、いつも驚かされることばかりです。そんな姿をぜひマリンバイオセンター水族館でご覧下さい。干支展示とともに、新しい発見につながることを願っています!「皆さん、今年も良い年になりますように」
「タツ年へビ年ゆく年くる年」
展示期間:1月16日(木)まで ただし、1月11日(土)~13日(月・祝)は休館します。
展示場所:水族館内の特別展示エリア(ゴギ水槽の隣)
学長から一言:お正月に因んだ附属水族館の特別展示や活動など、新しい年も海洋生物科学は元気一杯のようです。干支に関連する海の生き物を集めて展示したり、子ども達の入館者のための企画を行ったり、アイデア満載です。こうした経験を通じて、水族館などで勤務する学芸員としての力量を蓄えて下さい。