【グリーンサイエンス研究センター】ツキノワグマの生態に関するセミナー(12/18)

みなさんこんにちは。グリーンサイエンス研究センター センター長の佐藤生物科学科)です。以下のように第50回グリーンサイエンスセミナーを開催しますのでご案内申し上げます。今回は東京農工大学から小池伸介教授をお招きし、近年全国的な社会問題となっているクマの出没と、その生態的背景について解説をしていただきます。

 

福山市でも、今年5月26日に北部の山野町で、ツキノワグマ1頭が出没しました。幸い怪我人は出なかったものの、わたしたちの身近にクマが迫っているのを感じます。10月になってからも山口県、島根県、そして広島県でも動物公園内にまでクマの侵入が確認されるなど、出没情報は後を絶ちません。小池伸介教授は、長年クマの生態の研究をされ数多くの著書、論文等を執筆されてきました。メディアにも頻繁に出演し、わかりやすくクマの生態について解説をしていらっしゃいます。本講演では、学生、教員、そして一般の皆様にクマの生態について知っていただく良い機会になれば幸いです。興味のある皆様はぜひお越しください。

参加を希望される福山大学以外の皆様はこのブログの下にあるチラシのQRコードから参加登録サイトにアクセスし、参加をご登録ください。福山大学の教職員、学生は登録の必要はありません。どうぞよろしくお願いいたします。

第50回グリーンサイエンスセミナー

講師:小池 伸介 (東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院・教授)

演題:「出没するツキノワグマ‐その生態と背景‐」

日時:令和6年12月18日(水)15時から17時まで

場所:福山大学17号館2階1721講義室(〒729-0292 広島県福山市東村町字三蔵985-1)

要旨: 2023年の秋、ニュースに登場しない日はなかったぐらい日本中を賑わせたツキノワグマ。北東北や北陸を中心に集落等への出没が多発し、多くの人身事故が発生しました。日本人なら誰もがその姿を知っているツキノワグマですが、ある人にとっては怖い存在、またある人にとってはかわいい存在と、正反対のイメージを持たれる不思議な動物です。しかし、その生態は意外と知られていません。また、本来は深い森の中でツキノワグマは生活するため、直接観察が困難であり、生態研究が他の大型哺乳類に比べて進んでいませんでした。しかし、近年のバイオロギング技術や化学的な分析手法の発展に伴い、これまでは知られていなかった姿が続々と明らかになり始めています。本講演では、なぜ本来は森に棲むツキノワグマが集落に出没するのか、なぜ近年出没が多発しているのかについて、最新の研究成果を踏まえたツキノワグマの生態の視点からその背景と原因を解説するとともに、出没に対する解決策についても解説します。

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学長から一言:グリーンサイエンス研究センターは研究成果や科学情報の社会への還元、広報活動も精力的に進めています。同センター主催で来月実施の第50回グリーンサイエンスセミナーのテーマは、市街地にも最近頻繁に出没しメディアを賑わすことも多いツキノワグマ。熊との遭遇も決して他人事でないかも知れません。駆除ではなく共生を目指す手がかりを見つけることが期待できそうです。