【薬学研究科】学位論文公聴会-薬学教育の新たな発展に向けて

2月17日に薬学研究科学位論文公聴会が行われました。このことについて、今薬学研究科長からの報告です(投稿は五郎丸です)。

薬学研究科:https://www.fukuyama-u.ac.jp/course/grad/grad-pharm/

 


学位論文発表者は、広瀬雅一講師です。学位論文タイトルは、「改訂モデル・コアカリキュラムに準拠した薬局実務実習の学修成果向上を指向した新規の施策とその評価」です。

タイトルから察せられるとおり、薬学実務における教育研究を中心とした発表です。内容は、学修の継続性を重視した臨床教育のあり方を検討し、薬学的管理能力を高める策を複数の視点から実践した成果を客観的に評価したものでした。主な内容は、臨床準備教育の充実、実習指導への介入、薬局薬剤師への支援・教育に関するもので、全て広瀬講師らが独自に開発した手法であるとともに、学生の臨床業務に関わる遂行能力の向上、ならびに薬局薬剤師の指導力発揮を示す所見が得られ、今後の発展性が期待されるものです。

公聴会では、広瀬講師が筆頭著者として報告した学術論文5報(国際学術誌1報、国内学術誌4報)を中心に説明されました。発表後には活発な質疑応答がなされました。

発表が終わった広瀬講師からコメントを頂きました。

「多くの先生方のご指導とご助力により学位を取得でき、深く感謝しております。しかしながら、これまでの業績はマイルストーンに過ぎないものです。大学での臨床準備教育から実務実習、そしてリカレント教育まで一貫性のある実務教育を構築できるよう今後も努めて参ります。」

 

主査の佐藤雄己教授からのコメントです。

「博士(薬学)の学位取得おめでとうございます。新型コロナウイルス流行で思うように研究がすすまなかった中あきらめず粘り強く研究をすすめ、研究成果を数々の学術論文に発表し、学位論文としてまとめられたのは見事です。薬局実習に重点を置いた教育研究に関する報告は少ないため、今後の発展を十分に期待できる優れた研究成果であると考えます。薬学教育研究での学位取得は本学初ではないかと思います。博士となられた今、益々のご活躍期待しています。」

 

今研究科長からのコメントです。

「広瀬講師には、薬学実務に関わる教育研究を発展させて、医療現場で活躍する薬剤師の輩出に貢献されることを期待します。」

 

学長から一言:薬学部の広瀬雅一講師が長年にわたる教育実践を踏まえて学術論文のレベルにまで仕上げた研究成果に関する公聴会では、おそらく日頃は同僚として付き合っている方々からのさまざまな質問が飛び交ったことでしょう。それらの厳しくも的確な質問やコメントに一つ一つ丁寧に応え、論文博士号の取得につながったことを心からの祝福し、お慶びを申し上げます。今後ますます充実した教育・研究活動に従事して頂くことを願っています。