生命工学部

Faculty of Life Science and Biotechnology

【生物工学科】骨から見える生き物の多様性

【生物工学科】骨から見える生き物の多様性

脊椎動物はみな骨を持ち、骨から生活スタイルとの整合性や自然環境への適応の様子をとっても良く学ぶことができます。毎年、10月に開催される三蔵祭に向けて、3年生有志が生き物の骨を学ぶための展示を準備しています。その様子を少しだけ紹介したいと思います。

なにやら口数少なく作業をしているなと思ったら、ヘビの鱗を取っているところでした。透明標本を作ってヘビの骨を可視化しようとしているようです。因島でロードキルとして採取したシマヘビですが、学生の皆さんの骨の学びに活かされることになり、道路から拾ってきて良かったです。さて骨から何が学べるでしょうか?

最終的には、以下のタモロコのように体が透明になり、骨が浮き上がって見えます。このことで体の構造をよく理解することができるようになります。透明標本づくりは豊村助手が指導しています。

他にもロードキルや動物園からいただくなどして得た哺乳類の遺体を骨にしています。まずはできるだけ肉を取り、ミルワームに肉を食べてもらい、入れ歯洗浄剤でタンパク質を分解し、そして、過酸化水素水で漂白します。今のところ、モグラとヒミズ(真無盲腸目)、アカネズミ(齧歯目)、ニホンテンとスカンク(食肉目)、そしてイノシシ(鯨偶蹄目)の骨を準備しており、歯の形と食性や生態などの関係性を紹介する予定です。

テクノロジーが発展し、DNAの分析などを使った研究の進展は目を見張るものがあります。気を抜くとテクノロジーに頼りすぎて生き物から離れてしまうこともままあります。生き物を学ぶ学科として、まずは生き物をしっかりと見ることが大事だと考えています。骨から生物の多様性と普遍性を学びましょう。

<文責 生物工学科 佐藤淳

この記事をシェアする

トップへ戻る